1. トップ
  2. 鈴木京香(58)の“人生の一曲”は?「大学時代、キャンペーンガールのオーディションに合格した時…」

鈴木京香(58)の“人生の一曲”は?「大学時代、キャンペーンガールのオーディションに合格した時…」

  • 2026.9.30
鈴木京香さん。

いきものがかりの名曲「YELL」をモチーフに、音楽教師と教え子たちの絆を描く映画『キリコのタクト~YELL~』。主人公・原田貴理子を演じた鈴木京香さんに、人生の節目に寄り添ってきた一曲や、俳優の道へと背中を押してくれた言葉を聞きました。30年以上にわたり俳優を続けてこられた原動力とは?


森田芳光監督の言葉で「俳優に向いているかもしれない」と思えた

鈴木京香さん。

――本作『キリコのタクト~YELL~』では、いきものがかりの「YELL」が物語の中で大きな存在となっていますね。

自分のために歌われているように感じられる、素晴らしい曲ですよね。聴いた人の誰もが、自分に向けて送られたエールのように感じられるのではないでしょうか。

――鈴木さんご自身が、人生の節目に聴いてきた曲や、背中を押された曲はありますか?

そういった質問をされたときは、ビートルズの「アクロス・ザ・ユニバース」と答えています。人生のいいタイミングで流れてくることがあって、私にとってはラッキーナンバーのような曲なんです。

最初に強く印象に残ったのは、東京で仕事を始めるようになった頃だったと思います。大学生のときにキャンペーンガールのオーディションに合格して、その発表会で流れていたんです。「この曲が流れたら登場してくださいね」と言われて。それ以来、「アクロス・ザ・ユニバース」は思い出の曲になりました。

その後も、この曲が聞こえてくるたびに「何かいいことがありそう」と思うようになって。私にとっては、大切な一曲です。

鈴木京香さん。

――鈴木さんが演じた貴理子の言葉は、生徒たちの心に残り続けています。鈴木さんにも、誰かからかけられて励みになった言葉はありますか?

本当に幸運なことに、学生時代の担任はみなさん素敵な先生で、いろいろな話を聞いていただきましたし、先生方からもたくさんのお話を伺いました。ただ、学生時代は楽しい思い出ばかりで、学校生活についてそれほど悩んだ記憶がなくて。だからこそ、仕事を始めてからかけていただいた言葉のほうが、今の自分の糧になっている気がします。

森田芳光監督のオーディションを受けたとき、監督から「君はモデルというより、女優って感じがするよ」と言っていただいたんです。その作品が結果的に映画デビュー作となったので、とても記憶に残っています。それまではモデルの仕事が中心でしたし、何より森田監督にそう声をかけていただけたことが、とびきりうれしかったですね。

その後、東京へ出てきたのですが、あの言葉がきっかけの一つになったのかもしれません。「私は俳優に向いているのかもしれない」と、自分を信じる力をもらえた気がします。

満足できないからこそ、モチベーションにつながる

ブラウス ¥260,700、パンツ ¥242,000、ベルト参考価格/ファビアナ フィリッピ(コロネット) イヤーカフ(右耳) ¥78,100、イヤーカフ(左耳上) ¥92,400、イヤーカフ(左耳下) ¥114,400、リング ¥99,000/ヒロタカ(ヒロタカ 表参道ヒルズ) パンプス/スタイリスト私物

――俳優を始めて間もない頃は、悩んでいた時期もあったそうですね。

そうなんです。NHK連続テレビ小説『君の名は』でヒロインを務めさせていただいたとき、周りは素晴らしくて、経験豊かな方ばかりでした。その中で私は、「みなさんに迷惑をかけてしまっているのではないか」と、いつも不安を感じていました。「どうして先輩方のようにできないんだろう」と悩んでばかりでした。

――それでも、俳優の道を歩み続けようと思ったのですね。

連続テレビ小説の撮影は、準備期間を含めると1年以上にも及ぶので「これほど長い間、みなさんに丁寧に教えていただいたのに、ここであきらめてしまってはいけない」という気持ちだったと思います。共演者やスタッフのみなさんが本当にいい方々だったからこそ、続けられました。

先日、私が俳優を始めて15年ほどたった頃に取材してくださった方と、久しぶりに取材でお会いしたんです。その方によると、当時の私も「できない」と話していたそうです。30年以上たった今もできないことばかり。一度も満足できたことがないからこそ、「もっとやらなきゃ」、「もっと頑張らなきゃ」と思える。それが一つのモチベーションになっているのかもしれません。

楽しくて、大好きだから続けている仕事ですけど、「もう少しこうしたかった」「もっとできたんじゃないか」という思いが常にあるから今まで続けてこられたのでしょうね。

――劇中で貴理子は、生徒たちにさまざまな言葉をかけます。鈴木さんが過去の自分にエールを送るとしたら、いつの自分に届けたいですか?

やはり、連続テレビ小説の現場でもがいていた頃の自分ですね。それくらい必死でしたから。

鈴木京香(すずき・きょうか)

宮城県出身。高校時代にスカウトされてモデル活動をはじめ、1989年の森田芳光監督作『愛と平成の色男』で俳優デビュー。1991年、NHK連続テレビ小説『君の名は』でヒロイン役に抜擢されてお茶の間の注目を集める。
以降も映画やTVドラマなどで活躍を続け『119』にて日本アカデミー賞優秀助演女優賞、『血と骨』では日本アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝いた。その後も『グランメゾン・パリ』、『栄光のバックホーム』など多数の注目作品に出演。

文=高田真莉絵 撮影=志水 隆 スタイリスト=藤井享子(banana) ヘア&メイク=板倉タクマ(nude.)

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ