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柿の市場入荷 2025年10月は9割近くが渋がき

  • 2026.9.30

2025年の主要卸売市場への柿の入荷は10月中旬が最多で、10月の入荷の89.1%は渋がき(脱渋を含む)でした。甘がきが上回るのは11月中旬から。家庭の購入量は10〜11月に集中し、2025年産の収穫量は1973年産の約半分です。農林水産省・総務省の統計で数えました。

スーパーの果物売り場に柿が並び始める季節です。店頭の柿には、もともと甘い「甘がき」と、渋を抜いてから出荷される「渋がき」があります。どちらがいつ多く出回るのかを、農林水産省の卸売市場の統計で旬ごとに数えました。
この記事で扱う内容です。
・甘がきと渋がきの違い 統計ではどう分けているか
・2025年の市場への入荷 山の時期と、甘がき・渋がきが入れ替わる時期
・家庭で柿を買う量が多い月と都市
・収穫量と産地の移り変わり(1973年産〜2025年産)
甘がき・渋がきの割合や倍率は、国の統計の数値をもとに編集部で計算しています。

甘がきと渋がきは品種で決まる 店頭の渋がきは渋を抜いたもの

農研機構の解説では、秋に果実が色づいて熟した時期に渋みが無いのが甘ガキ、渋くて食べられないのが渋ガキで、「甘渋の性質は品種により決まっています」と説明されています。同じ解説(平成19年発行の農林水産省の資料をもとにした栽培面積の説明)では、多く栽培されている品種として、甘ガキは「富有」「次郎」「西村早生」「伊豆」、渋ガキは「平核無(ひらたねなし)」「刀根早生」が挙げられています。
渋ガキは、炭酸ガスやエチルアルコールで処理すると渋みがなくなります。農研機構は、小売店で販売されている「平核無」などの渋ガキ品種の果実は、この処理がされていて渋みがない、としています。農林水産省の広報誌でも、平核無は「渋抜きをして出荷する」品種として紹介されています。
統計の上でも、甘がきと渋がきは分けて数えられています。農林水産省の青果物卸売市場調査は、かきを「甘がき」と「渋がき(脱渋を含む。)」に分けて集計しています。文部科学省の食品成分データベースでも、「甘がき」「渋抜きがき」「干しがき」が別の食品として載っています。

2025年の入荷は10月中旬が最多 10月は89.1%が渋がき

農林水産省の「青果物卸売市場調査(旬別結果)」は、全国14都市の主要な卸売市場(19市場)に入った青果物の量を、月の上旬・中旬・下旬ごとに公表しています。このうちかきについて、2025年9〜12月の12の旬の入荷量と、甘がき・渋がきのうち多いほうの量を書き出しました。
・9月上旬 140t(うち渋がき131t)
・9月中旬 1,615t(うち渋がき1,493t)
・9月下旬 3,461t(うち渋がき3,169t)
・10月上旬 5,824t(うち渋がき5,381t)
・10月中旬 7,587t(最多・うち渋がき6,936t)
・10月下旬 6,205t(うち渋がき5,157t)
・11月上旬 6,456t(うち渋がき4,782t)
・11月中旬 4,513t(うち甘がき2,461t)
・11月下旬 3,702t(うち甘がき2,587t)
・12月上旬 3,052t(うち甘がき2,877t)
・12月中旬 1,519t(うち甘がき1,345t)
・12月下旬 767t(うち甘がき663t)
入荷が最も多かった10月中旬は、その91.4%が渋がきでした。10月の3つの旬を合わせると、入荷の89.1%が渋がきです。2023年・2024年も、最も多い旬は10月中旬で、10月の渋がきの割合は2023年86.0%・2024年89.1%でした。
9〜12月の4か月で、2025年1年間の入荷の97.8%を占めます。1〜2月にも少し入荷があり、その多くは甘がきです。
※卸売数量は、せり・入札・相対で取引された数量です(転送品を含む)。卸売市場を通さずに売られる柿は含みません。甘がきと渋がきの数量は四捨五入の関係で、合計と一致しない旬があります。

出典 www.maff.go.jp

甘がきが渋がきを上回るのは11月中旬から 12月は91.5%が甘がき

2025年は、11月上旬までは渋がきのほうが多く、11月中旬に甘がきが渋がきを上回りました(甘がき2,461t・渋がき2,052t)。甘がきの入荷が最も多いのは12月上旬の2,877tで、12月の3つの旬では入荷の91.5%が甘がきです。
甘がきが上回った旬は、2023年は11月中旬、2024年は11月下旬でした(2024年の11月中旬は甘がき2,113t・渋がき2,118tでほぼ同じ)。
1年を通すと、2025年の入荷の67.1%が渋がきでした。
品種ごとの出回りの例として、農林水産省の広報誌では、刀根早生(渋がき)は「9月下旬から10月中旬が旬」、平核無(渋がき)は「10月中旬から11月に出回る」、富有(甘がき)は「出荷は10月下旬ごろから」と紹介されています。ただし、統計の甘がき・渋がきは品種別ではないため、どの品種がどれだけ入ったかまではわかりません。

家庭で柿を買う量は10〜11月で12か月の合計の7割超 2025年は11月が最多

総務省の「家計調査」(二人以上の世帯)から、1世帯あたりの柿の購入量を月ごとに並べました。
・2025年9月 94g
・2025年10月 653g
・2025年11月 736g(最多)
・2025年12月 343g
10月と11月の2か月で、12か月の合計(1,880g)の73.9%を占めます。2023年は75.9%、2024年は73.6%で、どの年も7割を超えています。4〜7月はどの年も0gでした。
最も多い月は、2023年は10月(753g。11月は744g)、2024年と2025年は11月です。2025年10月に柿を買った世帯は39.0%、11月は36.3%でした。
※家計調査の値は二人以上の世帯の1世帯あたりで、単身の世帯は含みません。12か月の合計は月ごとの値を足したもので、年報の年間の値とは一致しないことがあります。

柿を買う量が多いのは岐阜市・奈良市 全国平均の2倍超

総務省統計局の家計調査の都市別ランキング(都道府県庁所在市と政令指定都市の52市・2023〜2025年の平均)で、柿の年間購入量を見ると次のとおりです。
・1位 岐阜市 5,122g
・2位 奈良市 4,031g
・3位 京都市 2,930g
・4位 堺市 2,889g
・5位 高松市 2,847g
・全国平均 1,826g
1位の岐阜市は全国平均の約2.8倍、2位の奈良市は約2.2倍です。

柿の収穫量は1973年産の約半分 最少は2024年産の16.7万t

2025年産の柿の収穫量は、農林水産省の作物統計の概数で179,600t。前年産を7%上回りました。農林水産省は、10a当たり収量が前年産を10%上回った理由を「前年産に比べてカメムシによる被害が減少したこと等による」と説明しています。
長期累年統計が始まる1973年産は347,200tで、2025年産までの53年で最も多い年です。2025年産はその51.7%。前年の2024年産は167,300tで、この53年で最も少ない量でした(1973年産の48.2%)。
・1973年産 34.7万t(1973年産の100.0%)
・1980年産 26.5万t(1973年産の76.4%)
・1985年産 29.0万t(1973年産の83.4%)
・1990年産 28.6万t(1973年産の82.3%)
・1995年産 25.4万t(1973年産の73.2%)
・2000年産 27.9万t(1973年産の80.2%)
・2005年産 28.6万t(1973年産の82.3%)
・2010年産 18.9万t(1973年産の54.6%)
・2015年産 24.2万t(1973年産の69.7%)
・2020年産 19.3万t(1973年産の55.6%)
・2024年産 16.7万t(1973年産の48.2%)
・2025年産 18.0万t(1973年産の51.7%)
実をならせた畑の面積(結果樹面積)は、1973年産の30,600haから2025年産は16,800haへ、54.9%になっています。

和歌山県・奈良県は1973年産より多い 山形県は14.9%に

2025年産で収穫量の多い県は、和歌山県(22%)、奈良県(14%)、福岡県(8%)、岐阜県・愛知県(各6%)の順で、上位5県を合わせると全国の約6割になります。
2025年産の上位6県と、1973年産の1位の山形県を、1973年産の収穫量と並べました(右端は1973年産を100としたときの2025年産の割合)。
・和歌山県 30,200t(2位)→ 40,200t(1位) 1973年産の133.1%
・奈良県 23,600t(4位)→ 25,900t(2位) 1973年産の109.7%
・福岡県 16,800t(7位)→ 13,600t(3位) 1973年産の81.0%
・岐阜県 26,100t(3位)→ 11,600t(4位) 1973年産の44.4%
・愛知県 17,700t(6位)→ 10,300t(5位) 1973年産の58.2%
・新潟県 10,600t(10位)→ 9,330t(6位) 1973年産の88.0%
・山形県 34,000t(1位)→ 5,070t(10位) 1973年産の14.9%
和歌山県(133.1%)と奈良県(109.7%)は、1973年産より多く収穫しています。1973年産で1位だった山形県は14.9%で、2025年産は10位でした。
※2025年産の県別の値は、栽培面積の大きい上位の都道府県などに絞った「主産県」の調査の結果で、全国の値は主産県の結果から推計されています。順位は主産県どうしで比べたものです。1973年産の順位は、統計に値のある都道府県の中での順位です。

出典 www.maff.go.jp

よくある質問

店で買う渋がきは渋くないのですか

農研機構は、小売店で販売されている「平核無」「会津身不知」「愛宕」などの渋ガキ品種の果実は、炭酸ガスやエチルアルコールが処理されていて渋みがない、と説明しています。卸売市場の統計の「渋がき」も、脱渋したものを含む区分です。

干し柿は甘がきと渋がきのどちらで作りますか

農研機構の解説では、渋ガキも果皮を剥いてつるし、乾燥させると渋みが無くなって食べられる(干し柿)と説明されています。農林水産省の広報誌でも、渋がきの品種の「愛宕」が「干し柿にして食べる」と紹介されています。

まとめ 10月は渋がき、11月中旬からは甘がきが多い

柿の旬と収穫量を統計でおさらいします。
・甘がき・渋がきは品種で決まる。小売店の渋がきは炭酸ガスやアルコールで渋を抜いたもの
・2025年の主要卸売市場への入荷は10月中旬が最多。10月の入荷の89.1%が渋がき
・甘がきが渋がきを上回ったのは11月中旬から。12月は91.5%が甘がき
・家庭の購入量は10〜11月で12か月の合計の7割超。都市別では岐阜市が全国平均の約2.8倍
・2025年産の収穫量は179,600t(概数)で1973年産の51.7%。1位は和歌山県、1973年産の1位は山形県
2025年の市場への入荷では、10月は渋がき、11月中旬からは甘がきが多く出回りました。売り場では品種名の表示も見比べてみてください。

※使った統計:収穫量=農林水産省「作物統計調査(果樹生産出荷統計)」(2025年産は概数。確定値は2026年12月に掲載予定)/入荷量=同「青果物卸売市場調査(旬別結果)」主要卸売市場計/購入量=総務省「家計調査」(二人以上の世帯)。記事中の割合・倍率・順位は編集部の計算です(2026年9月29日時点)。

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