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「健康にも良い」秋冬は毎日“鍋料理”を食べている60歳女性Kさん→しかし、管理栄養士に指摘された“知られざる落とし穴”とは?

  • 2026.10.23
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出典元:PIXTA(※画像はイメージです)

スポーツジムの管理栄養士として、栄養面からダイエットや健康維持のサポートをしている工藤まりえです。

寒い季節に食べたくなる鍋料理は、野菜をたっぷり摂れて、肉や魚、豆腐なども組み合わせやすい便利なメニューです。60歳女性のKさんは、毎年秋から冬にかけては毎日のようにお鍋料理を楽しんでいます。

味のレパートリーが豊富で、飽きずに食べられるし、野菜もたくさん摂れるのが嬉しいポイントではありますが、野菜を中心に食べているとたんぱく質が不足したり、鍋つゆやつけだれによって塩分を摂りすぎたりすることもあります。具材の組み合わせや味つけを工夫し、健康を意識しながら冬の鍋を楽しむポイントを紹介します。

野菜たっぷりの鍋で、栄養バランスは完璧?

60歳のKさんは、寒くなると週に何度も鍋料理を作ります。白菜や長ねぎ、きのこなど、冷蔵庫にある野菜をたっぷり入れるのが定番です。「野菜をたくさん食べられるし、油もあまり使わないからヘルシー」と、健康にも良い食事だと思っていました。

ところが先日、友人と食事の話をしていたときのこと。「野菜を食べるのもいいけど、私たちの年齢になったら、たんぱく質もしっかり摂らなきゃダメよ!」と言われ、ハッとしたそうです。

そういえば、いつもの鍋は野菜が中心で、肉や魚の量はあまり気にしていませんでした。「野菜をたくさん食べていれば健康的だと思っていたけれど、それだけじゃ足りないのかしら?」と気になり始めました。

確かに鍋料理は、さまざまな野菜を一度に食べられる便利なメニューです。加熱すると野菜のかさが減るため、生野菜よりもたっぷり食べやすいのも魅力ですね。

ただし、野菜をたくさん摂れるからといって、栄養バランスが整った健康的なメニューだとは限りません。野菜中心の鍋では、たんぱく質やエネルギーが不足することもあります。

特に60代以降は、筋肉量を維持するためにも、十分なたんぱく質を摂ることが大切です。野菜をたっぷり食べるのは、とてもよい習慣です。そのうえで、「野菜だけでお腹いっぱい」にならず、たんぱく質もしっかり摂ることを意識したいポイントです。

鍋つゆやつけだれで、知らないうちに塩分過多?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

鍋料理が大好きなKさんは、市販の鍋つゆもよく利用しています。しょうゆ味やみそ味、キムチ鍋、豆乳鍋など、種類が豊富なので、週に何度食べても飽きません。

具材を食べ終えた後は、肉や野菜のうま味が溶け込んだスープで作る締めの一品も楽しみのひとつ。水炊きの日には、ポン酢やごまだれをたっぷりつけて食べています。

実は、鍋料理で気をつけたいポイントは、栄養バランスだけでなく塩分の摂りすぎです。市販の鍋つゆには、しっかり味がついているものも多く、スープまで飲み干すと、思った以上に食塩を摂ってしまうことがあります。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人の1日あたりの食塩摂取目標量を男性7.5g未満、女性6.5g未満としています。

例えば、市販のストレートタイプの鍋つゆには、3~4人前で1袋(750g)あたり13〜15g程度の食塩を含む商品もあります。4人で均等に分けると、1人あたり約3〜4gに相当します。実際の摂取量はスープを飲む量などによって変わりますが、意外と多くの塩分が含まれていることがわかります。

また、あっさりした寄せ鍋のほうが、濃厚みそ鍋やごま豆乳鍋よりも食塩相当量が多い商品もあり、味の印象だけでは判断できません。

市販の鍋つゆを使うときは、栄養成分表示で食塩相当量を確認しましょう。具材はしっかり食べても、スープは飲み干さないこと。こうした心がけが減塩につながります。

では、栄養バランスを整えながら塩分も控え、鍋料理をおいしく楽しむには、どんな工夫をすればよいのでしょうか。

具材と味つけや調理方法を工夫して、冬の鍋をもっと健康的に

鍋料理を健康的に楽しむためには、具材の組み合わせと味つけがポイントです。

まず意識したいのは、たんぱく質をしっかり摂ること。肉や魚なら、1食あたり手のひら1枚分程度(指を除いた面積と厚み)を目安にしましょう。鶏肉や豚肉、鮭、たらなど、日によって食材を変えたり、豆腐や卵を組み合わせたりすると、飽きずにさまざまな栄養素を摂ることができます。

塩分を控えるには、昆布やかつお節、干ししいたけなどのだしを活用するのがおすすめです。うま味をきかせることで、調味料を控えても満足感のある味わいになります。さらに、しょうがやねぎ、ゆずなどの香りを加えるのもよいでしょう。ポン酢やごまだれは小皿に少量ずつ取り、食材をたれにどっぷり浸さず先端に少しだけつける「ちょんづけ」を意識したり、レモンやすだちなどのかんきつ果汁を絞って酸味を足すことで、たれの量を減らしながら満足感を高めることができます。

また、鍋料理と同じくらいおすすめしたいのが「せいろ蒸し」です。肉や魚、野菜など、鍋とほぼ同じ食材をせいろに並べて蒸すだけなので、調理の手間もそれほど変わりません。温かい料理を楽しめるうえ、鍋つゆを使わないため、塩分を調整しやすいのも魅力です。素材そのものの甘みやうま味を感じられるので、少量のたれや薬味でもおいしくいただけます。なお、すでに高血圧や腎臓病などで医師から塩分制限やカリウム制限などの栄養指導を受けている方は、自己判断せず主治医や管理栄養士の指示を最優先にしてください。

鍋料理もせいろ蒸しも、野菜とたんぱく質を一緒に摂れる、寒い季節にぴったりのメニューです。具材や味つけ、調理法に変化をつけながら、おいしく健康的な冬の食卓を楽しみましょう。


監修者 工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。 

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