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お見合い相手は「虚無僧女子」!? 40歳独身サラリーマンと重度のコミュ症女子の、不器用な恋が尊い婚活ラブコメ!【書評】

  • 2026.9.14

【漫画】本編を読む

『お見合いにすごいコミュ症が来た』(矢野としたか/KADOKAWA)は、中年の独身サラリーマンと、極度にコミュニケーションが下手な女性との出会いを描いた婚活ラブコメディ。インパクト抜群のタイトルと、導入のシーンがSNSでも話題を呼んだ本作。その魅力は単なるネタギャグ漫画にとどまらない。

主人公の伊丹は、40歳独身の会社員。結婚相談所に登録して婚活に励むものの、なかなか良縁に恵まれない。そんな彼を見かねた会社の後輩・園田が、友人を紹介してくれることになる。期待を胸に待ち合わせ場所へ向かう伊丹。しかし、そこにいた女性は、まるで「虚無僧」のように笠で顔を隠し、人とうまく話すこともできない重度のコミュ症・野田だった。

「虚無僧とコミュ症」という強烈なダジャレから始まる本作だが、最初はまともに会話すら成立しなかったふたりが、少しずつ距離を縮めていく過程がしっかりラブコメしているのである。40代のおじさんと笠を被った女性の出会いというコントのようなふたりなのに、うまく言葉にできないからこそ伝わる誠実さや、不器用ながらも相手を思いやる優しさを積み重ねていく姿は、読んでいるうちに自然と応援したくなるだろう。

コミュ症を単なる笑いのネタで終わらせていない点も印象的だ。人前で話すことへの恐怖や、人と関わりたいのにうまくできないもどかしさなど、当事者の悩みや葛藤にもきちんと目が向けられている。そんな作品全体を包む温かな空気も絶妙で、読後には自然と優しい気持ちになっているはずだ。

回を重ねるにつれ、ぎこちなかったふたりが積み重ねてきた時間によって少しずつ変化が見えてくる。そんな恋愛の初々しさを描きながら展開していく物語に、思わず頬が緩み、目が離せなくなっていく。

本作が伝えてくれるのは「相手とまっすぐに向き合おうとする気持ち」の大切さだ。ぶっ飛んだ設定の婚活に笑って癒やされながら、不器用な恋を応援したくなる。本作はまさに王道ラブコメディなのである。

文=練馬麟

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