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1000ccなのに気負わず乗れる! 原田哲也が乗ったAELLA「CB1000F」は“大人の日常使い”をどう変えた?

  • 2026.9.12

ドゥカティやBMWなど、プレミアムな輸入車のカスタムを得意としてきたAELLAが、同社初となるホンダ車のコンプリートカスタムを手がけた。ベースに選ばれたのは、軽快さと扱いやすさを持つCB1000F。その美点を生かしながら、ポジションや操作性をさらに磨き込んだ1台を原田哲也さんが試乗した。

PHOTO/S.MAYUMI TEXT/Y.FUJITA

問/アエラ TEL075-622-7439 https://www.aella.jp/

「飛ばすため」ではない。CB1000Fの扱いやすさをAELLAがさらに磨いた

ノーマルのCB1000Fに試乗した時、最初に感じたのは、大排気量車でありながら車体が軽く、コンパクトにまとまっていることだった。気負わずに走り出せる安心感があり、ライダーにシビアな操作を強いることもない。

そんなCB1000Fの美点を、AELLAが手がけたカスタムはさらに引き出していた。

まず目を引くのは、その佇まいの美しさだ。

1980年代のCB900Fカナダ仕様をモチーフにしたというカラーリングは、「京蒼(きょうそう)」と名付けられている。そこに組み合わされるのが、無電解ニッケルメッキを施したアルミビレットパーツだ。派手さを前面に押し出すのではなく、落ち着いた輝きで、大人の品格を感じさせる仕上がりになっている。

HONDA CB1000F Build by AELLA
HONDA CB1000F Build by AELLA

AELLAが作るバイクは、どれもポジションが絶妙だ。

このCB1000Fにも可変ハンドルバーが装着され、バーエンド部はノーマルより15mm手前、15mm低い位置に設定されている。適度な絞り角もつけられ、幅は20mm短くなった。

数字だけを見ればわずかな違いに思えるかもしれないが、実際に乗ると、この調整が効いている。

Uターンなどの小回りがしやすくなり、車体そのものが一回り小さくなったように感じた。

近年のスポーツバイクでは、幅広でフラットなハンドルがひとつのトレンドになっている。しかし、1980年代からネイキッドに親しんできた僕たちの世代からすると、少し腕が開きすぎて疲れを感じることもある。

ハンドルをわずかに手前へ引き、絞りを加える。それだけで肩の力が抜け、操作がラクになる。こうした身体とバイクとの接点を丁寧に作り込むところに、AELLAらしさを感じる。

HONDA CB1000F Build by AELLA
アルミ削り出しの可変ハンドルバー(8万9800円)は純正比で15mm低く、15mm後方になり、幅も20mm狭く設定 。独自の機構により角度は26°から±2°可変(純正は28°)。無電解ニッケルメッキが施される
HONDA CB1000F Build by AELLA
ライディングステップ(8万9800円)はペグ位置を純正比で後方20/30mm、上方15/25mm移動できる4ポジション設定。確実な変速操作を可能にするシフトホルダー(9460円)とともに無電解ニッケルめっき仕上げ

ステップにも同じこだわりが見える。

僕の体格だと、ノーマルのステップ位置は少し前すぎる印象があった。特に硬めのブーツを履いている時は、シフトアップで窮屈さを感じることもある。

一方、AELLAのステップキットは、ノーマルよりやや後方かつ上方に設定されている。

これによってヒザまわりの収まりがよくなり、シフト操作やブレーキ操作も格段にスムーズになった。

僕は少し後ろに構えて乗るタイプなので、このポジションとの相性がいい。僕と同じような乗り方をするライダーなら、かなりしっくりくると思う。

HONDA CB1000F Build by AELLA
ラジエタープロテクター(2万5190円〜)は、タイヤの真後ろに位置する中央部の孔を小さくしてコアを保護。フレームスライダー(3万1680円/左右)はベース部が無骨なエンジンハンガーを上手く隠す設計
HONDA CB1000F Build by AELLA
アエラが輸入するスプリームテクノロジー社のオーバーサスペンション(6万9300円)も開発中。路面の凹凸から受けるサスペンションへの影響を内部のウエイトによって相殺し、路面追従性を高める

今回のCB1000Fには、オプションのハイシートも装着されていた。

ノーマルの低いシートとも跨り比べてみたが、好みで言えば僕はノーマルだ。

上体が起きたゆったりとした姿勢を取りやすく、長時間走り続けても腕が疲れにくいだろう。

対してハイシートでは、僕の体格だと少し前下がりの姿勢になり、腕に力が入りやすく感じた。

ただし、これは単純な優劣ではない。

ハイシートはフロントに荷重を乗せやすくなるので、バイクが曲がりやすい車体姿勢を自分で作るのが苦手なライダーにはメリットがあるだろう。自分の体格や乗り方に合わせて選びたいところだ。

HONDA CB1000F Build by AELLA
HONDA CB1000F Build by AELLA

このCB1000Fに乗って感じたのは、AELLAが目指したのは「飛ばすため」のカスタムではないということだ。

1000ccの大排気量車だからといって、いつも速く走る必要はない。

むしろスピードを少し落とし、ゆっくりと走りながらバイクそのものの「味」を愉しむ。そんな大人の乗り方に、このCB1000Fはよく似合う。

ノーマルがもともと持っている軽さや気負わず乗れる扱いやすさを壊すのではなく、ハンドルやステップといった身体に触れる部分を丁寧に整えることで、日常でさらに付き合いやすくする。

HONDA CB1000F Build by AELLA
※現在開発中のパーツ

そして、無電解ニッケルメッキのビレットパーツをはじめとしたAELLAの機能美は、走っている時だけでなく、停めて眺めている時間にも所有する喜びを感じさせてくれる。

AELLAでは現在、リアサスペンションのリンクプレートやエンジンカバー、フルエキゾーストなども開発中だという。

それらが加わることで、このCB1000Fがさらにどう変わっていくのか。

いまから完成が楽しみでしかたない。

(原田哲也)

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