1. トップ
  2. ビューティー
  3. 【本田真凜ロングインタビュー】再び氷上へ戻ると決意した、25歳の覚悟

【本田真凜ロングインタビュー】再び氷上へ戻ると決意した、25歳の覚悟

  • 2026.9.11

透明感の正体は、内面の潔さ。25歳、真凜の覚悟。

柔らかな雰囲気とは裏腹に、潔さや芯の強さを持つ彼女。今年発表した現役への復帰という大きな決断をはじめとした“覚悟”について、たっぷり語っていただきました。

後悔したくないから、今できることを全力で

2025年に『本田真凜1st写真集 MARIN』を出版し、2026年にはコスメブランド「Luarine」をプロデュース。そして今号で初めて単独でVOCEの表紙を飾った。

「毎年元日に、その年に叶えたいことを50個、To Doリストに書くんです。それを見ながら、目標達成のためにはどう動けばいいかを逆算して具体的に考え、一年の指針に。そして12月31日にはそれらを達成できたかどうか一つ一つチェック。叶ったものは喜んで、叶わなかったものは何が足りなかったのかを50個じっくり考える。この作業をもう何年も続けています」

To Doの内容は、大きなものから小さなものまで、さまざま。

「写真集もコスメプロデュースもこのリストに書いたものでした。コスメプロデュースは2024年に書いたTo Doだったのですが、長年調べていたコスメメーカー Rainmakersさんにプレゼンの機会をいただきました。それと“VOCEの表紙を飾る”は、今年の大きな目標の中のTo Doの一つ。それが叶って本当にうれしい。一緒に書いた“親知らずを抜く”より先に叶うとは、思わなかった(笑)」

2026年、そのTo Doの多くを占めることになったのがアイスダンスに関することだ。今年5月、宇野昌磨さんとのアイスダンスチーム結成と競技復帰を発表し、大きな話題を呼んだ。

「決断したのは2024年の秋ごろ。シングルの選手を引退して、このあとどうやって生きていくかを10年先まで計画しそれを一つずつ実行に移している最中でした。“私がスケート以外で一番やりたいことって何だろう?”をものすごく考え、計画も立ててワクワクしていました。そんな人生設計や引退後にやりたかったこと、そのすべてを差し置いてもやっぱりもう一度競技者として氷の上に戻りたい、オリンピックを目指したいという気持ちが強かった」

現役復帰を決断したのは約2年前

本田真凜さん

彼女は今年25歳。同年代の選手たちが次々と引退していく中での競技復帰。不安や葛藤はなかったのだろうか。

「もちろんありました。でも、やるからには本気でオリンピックを目指したい。そう考えると、年齢的にも体力的にもギリギリのタイミング。挑戦するなら今しかない。迷っている時間はないなと思ったんです」

シングル時代とは違い、今回挑戦するのはパートナーのいるアイスダンス。その相手が宇野昌磨さんであることの魅力を聞いてみた。

「昌磨くんとは、好きなものがけっこう違うんです。私は美容で、彼はゲーム。美容に関しては本当に無頓着で、飲み物はコーラばっかり(笑)、洗顔料も『どうせシャンプーが顔にかかるんだからいらない』というようなタイプ(笑)。でも、苦手だと思うものはすごく似ています。練習中、スケートの映像でも曲でも『これは違う』と思うポイントが同じ。意外だと思う方も多いと思うのですが、私たちはアイスダンスの目指す動きやプログラムの内容に関して、好きなものが同じであることより、違和感を覚えるポイントが同じであることのほうが、早くゴールに近づけるんです。そこは二人の強みだと思います」

一人ではなく、二人で戦うアイスダンス。そのスタイルにはどんな良さを感じている?

「同じ熱量で目指す場所が同じ人って、人生でなかなか出会えないと思うんです。たとえ家族であっても、仕事や夢は別じゃないですか。その中で同じ夢を、同じ熱量で、一緒に見る人がそばにいる。これってすごく心強くて、ありがたいことだと思います。日々共有できることもたくさんあります。いろんな感情だったり、疲れだったり、頑張っているところだったり、現在地だったり。私をどこまでわかってもらえているかは定かではないけれど、彼の頑張りは日々感じています。たとえば最初はできなかったリフトが安定してくれば『筋肉がついてきたんだな』と、そこに至るまでの努力も感じます。パートナーだからこそわかること、わかり合えることもたくさんあります。そして何より、アイスダンスは二人で行うからこそ、より深く自由に“表現”ができるところが好き。奥深くて、まだまだ納得できる域には達していませんが、私たちの個性を表現にのせられることに大きな魅力を感じます」

同じ夢を、同じ熱量で、
一緒に見る人がそばにいるってすごく心強い

本田真凜さん

こうと決めたら一直線。コスメプロデュースも競技もすべて、自分が納得できるまでとことんやり抜いてきた。その原動力はどこにあるのだろう。

「自分の人生において“あの時こうしていれば”という“たられば”の後悔が本当に嫌いなんです。だからこそ、どういう結果に転んだとしても『ここまでできる限りやったのだ』と思える過程を積み重ねることを何より大切にしています。その過程があれば、自分にとって必要のない周囲のノイズは“ノイキャン”できます。十代のころ、スケートで注目していただけるようになってから、SNSなどの言葉に傷つき、自ら自分で傷つく言葉を探してしまう時期もありました。『自分のこういうところがダメなのかな』なんてクヨクヨ。だけどいろいろな経験を経た今では、傷つく言葉に耳を傾けている時間は必要ないと思えます。自分のことは自分が一番理解しているし、自分自身が納得できる過程を積み重ねていればそれで良い。十代のころ、夢を伝えることの怖さも知ったけど、大人になった今、自分の中にあるオリンピックという目標をあえて公言することで、覚悟がよりクリアになる。だからあえて口にしました」

彼女が毎年元日に書くという50個のTo Doリスト。その一つ一つは、単なる目標ではなく未来で「あの時こうしていれば」と後悔しないための自分との約束でもある。彼女の「覚悟」は、自ら選んだ道を最後まで信じ、やるべきことをやり切る。その積み重ねによって形づくられている。

覚悟はあえて口に出す。
何をすべきかがよりクリアになるから

本田真凜さん

すべての経験を胸に、再び勝負の氷上へ

「お芝居や雑誌の撮影などを通じて多くの人に出会う中で、こんなにもたくさんの方たちに自分のスケートを応援していただいていたのだと気づくことができました。競技から離れた時間があったからこそ、スケートは私にとって本当に大切な存在だったんだと改めて実感しました。後悔しないスケート生活を送るために必要なことは何かを常に考え、夢に向かって全力で頑張っていきます」──Marin

本田真凜さん
PROFILE
本田真凜

Marin Honda/2001年8月21日生まれ。京都府出身。2歳からフィギュアスケートをはじめ、2024年1月に引退を発表。コスメプロデュースやドラマ出演などで活躍をしていたが2026年5月、宇野昌磨選手とチームを組み、アイスダンスで競技会に復帰することを発表。

撮影/菊地泰久(vale./人物)、伊藤泰寛(静物) ヘアメイク/福岡玲衣(W) スタイリング/中野ゆりか(ende) 取材・文/中川知春

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ