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薄毛ケアで注目の「ペプチドセラム」とは?研究で示された可能性と限界

  • 2026.8.30

美容界で注目を集める「ペプチド(ペプチドセラム)」。肌ケアだけでなく、ヘアケア分野でも使われるようになったこの成分は、薄毛や抜け毛の改善に本当に役立つのだろうか。現在わかっていることと、その限界を整理する。(フロントロウ編集部)

ペプチドとは何か

ペプチドとは、アミノ酸が短くつながってできた鎖状の分子のこと。スキンケアでは、一部のペプチドにコラーゲンの生成や肌の修復を支える働きが期待され、さまざまな製品に配合されている。

近年、ヘアケア分野で注目されているのが「コパーペプチド(銅ペプチド)」だ。代表的な成分としてGHK-Cu(グリシル-L-ヒスチジル-L-リジン銅)とAHK-Cuが挙げられ、髪の成長に関わる細胞や毛包の働きを支える可能性が研究されている。

2007年に発表された研究では、AHK-Cuが髪の成長に関わる毛乳頭細胞の増殖を促し、人から採取した毛包を使った実験でも、毛髪の成長を促す可能性が示された。ただし、これは実際に人が頭皮用美容液を使用した試験ではなく、細胞や採取した毛包を使った基礎研究となっている。

研究データが示す可能性

ヘアケア専門サイトMDhairによると、コパーペプチドには、髪の成長期を支えたり、頭皮の炎症を抑えたりする可能性があるという。一方で、人を対象に薄毛や抜け毛への働きを調べた大規模な研究はまだ少なく、実際にどの程度役立つのかは十分にわかっていない。

一般的なペプチドセラムではなく、吸収性を高めるために開発された特殊な製剤を使った動物実験ではあるが、2024年に発表された研究では、GHK-Cuを使用したマウスの毛包が約6日で成長期に移行したのに対し、薄毛治療に使われる発毛剤ミノキシジルを使用したマウスでは約9日かかったことが報告されている。

市場では、ザ・オーディナリーの「マルチペプチドセラム フォー ヘアデンシティ」をはじめ、ペプチドを配合した頭皮用美容液も広がっている。しかし、こうした製品についても、薄毛が改善されることが医学的に確認されているわけではない。

まだ残っている毛包を支える可能性

コパーペプチドに期待されているのは、まだ残っている毛包や、髪の成長に関わる細胞の活動を支えること。毛包そのものが失われた部分に新しい毛包をつくり、再び髪を生やせることは確認されていない。

また、ミノキシジルやフィナステリドといった薄毛治療に使われる医薬品の代わりになる成分でもない。現時点では、頭皮環境や毛包の働きを支える可能性が研究されており、補助的な成分として位置づけられている。

つまりコパーペプチドは、薄薄毛や抜け毛を改善する成分として確立されているわけではなく、まだ活動している毛包を支える可能性が研究されている段階。ペプチドセラムを取り入れる場合は、すぐに髪が生えると期待するのではなく、頭皮を健やかに保つためのヘアケアのひとつとして考えるのがよさそう。

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