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【小倉北区】世紀の発見!9/27まで「幻のデビュー作2点」松本清張記念館

  • 2026.9.4

こんにちは!リビングふくおか・北九州Web地域特派員のtokimekiのiroです。

残暑厳しい毎日ですね。皆さん、夏バテしていませんか?今日は、暑さを吹き飛ばす、ワクワクするニュースをお届けします!

私たち北九州市民が誇りに思い、愛してやまない作家・松本清張(1909~1992)。この度「文学の巨人」とも称される松本清張の、作家としての原点に迫る貴重な発見がありました。

その貴重な作品を紹介する企画展「松本清張 デビュー前夜の小説」展が「北九州市立松本清張記念館」で9月27日まで開催されています。

「デビュー前夜」の清張に触れることができる企画展

皆さんは、松本清張作品のどの作品が好きですか?

清張といえば、推理小説のイメージが強いかもしれませんが、実は「努力の人」なんです。努力を重ねて幅広い知識と人生経験を経て、古代史・今現代史・自伝的小説・歴史時代小説・評伝的小説・現代小説・推理小説など、1000編を超える、あらゆる分野の作品を生み出しました。

作家・松本清張がまだ「松本清張」として世に知られる前に、どのような作品を書いていたのでしょうか。今回の展示では、そんな「デビュー前夜」の清張に触れることができます。北九市が生んだ文学の巨人、その原点を知ることが出来る貴重な機会です。

今回は、実際に「北九市立松本清張記念館」を訪れ、展示会の様子をご紹介します。

会場は「北九州市立松本清張記念館」2Fオープンスペース

松本清張記念館は、清張氏の7回忌にあたる1998年8月4日、小倉城場内に開館しました。その2Fオープンスペースが今回の特別展の会場です。

出典:リビングふくおか・北九州Web
出典:リビングふくおか・北九州Web

昭和を代表する作家であり、「日本文学の巨人」松本清張氏のデビュー作は、今まで1950年9月、「週刊朝日」の懸賞小説で入選した、歴史小説の「西郷札」とされていました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

そして、清張にデビュー作「西郷札」よりも前に発表した作品があること自体は、研究者や愛読者には知られていましたが、ただ、その実体は謎に包まれていました。

2026年7月末、日本新聞博物館(横浜市)が所蔵する、「朝日ウィクリー」に、これまでその存在が確認されていなかった「幻のデビュー作」2点が、大阪大 大学院人文学研究科の斎藤理生(さいとうまさお)教授により、同紙を調査して、発見・確認されたのです。

北九州市立松本清張記念館の学芸員、栁原さんに話を聞きました

出典:リビングふくおか・北九州Web

今回の展示は2作品で、いずれも4000字に満たない小説です。

「清張最初期の小説で貴重な発見です」と学芸員、栁原暁子さん。作品に注がれた眼差しから清張愛を感じます。栁原さんの好きな清張作品は、第28回芥川賞「或る『小倉日記』伝」。また、同館学芸員、稲田大貴さんの好きな作品は「黒革の手帖」とのことです。

また、同館では今秋、清張作品の企画展を予定しているそうです。楽しみですね。私は必ず行きます。

幻のデビュー作と『朝日ウィクリー』

「週刊朝日」は“日本最古の総合週刊誌”とされており、デジタル化により2023年に100年を超える歴史に幕を下ろしました。一方、「朝日ウィクリー」は昭和24年12月から昭和25年9月までの期間にわずか43号しか発行されておらず、娯楽紙のためほとんど現存していません。しかし、清張が本格的なデビューの直前に自らの腕を磨き確かめ、自信を得ていたことを伝える、大変貴重な資料です。

いかにこの2作品が貴重で、また私たちが直接その作品に立ち会える、このタイミングで奇跡的に発見されたことや、実際にこの場に来て作品にふれて、それを肌で感じることができることに大変感動します。

出典:リビングふくおか・北九州Web

作品①「ある盗賊の話」(1950年9月3日掲載)は、実在する美術品を題材にコレクターと泥棒の駆け引きをテーマにしたミステリー仕立ての作品です。

ペンネームを「志和隆晴 松本清張画」としており、母親の出身地の地名や清張の三男の名前が使われている他、挿絵の作家として清張の名前が書かれていたこと、また清張の作品に特徴的に使われる「贓品故買(けいずかい)」という言葉の存在が特定の根拠でした。

出典:リビングふくおか・北九州Web

作品②「百八煩悩」(1950年9月17日掲載)は、若い女性への執着や信仰の迷いに苦しむ和尚が、煩悩につまずいて転落する姿を風刺的に描いたものです。ペンネームを「松本寛隆」としており、清張の新聞社時代の同僚の方(岡本健資氏)の証言等が根拠となりました。

「松本清張記念館」の古賀館長に話を聞きました

出典:リビングふくおか・北九州Web

古賀厚志館長は、とても温かく、優しい方でした。清張について初心者の私にも、松本清張の魅力や、清張記念館が果たす役割について、丁寧に、そして分かりやすく説明してくださいました。

古賀館長は、「まず松本清張という作家の作品の幅広さです。『旅』『女性』『歴史』など、さまざまな切り口から作品を語ることができます。ミステリー作家というイメージだけでは、とても語り尽くせない奥深さが清張にはあります。そして、その背景には、清張自身が歩んできた人生があります。幼少期に経験した学歴による差別や貧困。そうした苦労や社会へのまなざしが、後の作品づくりに大きく生かされていったのです。清張は、人間の心の奥底にある欲望や嫉妬、弱さ、そして社会の中で生まれる矛盾を見つめ続けました。そこから浮かび上がってくるのが、清張が追い求めた『人間の業』なのかもしれません。決して平坦ではなかった人生の中で、清張は努力を重ね、41歳で作家として歩み始めます。そして、デビューしてわずか4作品目にして、44歳で名誉ある芥川賞を受賞しました」と話しました。

清張の作品には、時代が変わっても色あせない「人間そのもの」が描かれています。だからこそ、清張初心者の私でも、その世界に引き込まれるのだと思います。

古賀館長のお話を聞いていると、松本清張がなぜ今も多くの人を惹きつけるのか、その理由が少し分かったような気がしました。今回の取材をきっかけに、もっと松本清張の作品を読んでみたい。そう思わせてくださった古賀館長との出会いでした。

出典:リビングふくおか・北九州Web

「清張作品には、現代のAI時代にないもの、『生きるヒント』があります。「疑ってかかる」という清張の言葉があります。これは、現代の闇バイト問題やAI時代に溢れる情報時代にも当てはまるもので、清張のメッセージだと思います」と古賀館長。

また、「苦しい時代を乗り越え、学歴差別の中で、コンプレックスをはねのけ、力にした清張の言葉は現代人・子供たち・女性やすべての人に響くでしょう。辛くなったら、ここに来て清張さんに励ましてもらってください」と続けました。

清張の常設展を案内していただきました

出典:リビングふくおか・北九州Web

700冊の著書を一覧展示したエントランスホール。圧巻です。

出典:リビングふくおか・北九州Web
出典:リビングふくおか・北九州Web

入り口には「東大寺の礎石」も展示されていました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

清張史を古賀館長に説明していただきました。古賀館長の好きな清張作品は「球形の荒野」だそうです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

東京都杉並区の松本清張氏の自宅をそのまま再現展示し、当時のまま保存されています。ホコリ1つもありません。今にも清張氏が現れそうです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

北九州の地域ごとに、清張作品に登場する場面が解説されていました。松本清張記念館の方々の清張愛を感じる展示です。

出典:リビングふくおか・北九州Web

膨大な書類や資料・蔵書などの一部の再現展示です。全体を考えたら気が遠くなりそうな量です。清張氏は人間の能力を超える存在だったのではないかと想像しました。清張世界の沼にはまりました。謎解きのようでもあり、「ついてこれるかな」と問われているようでもあります。

出典:リビングふくおか・北九州Web
出典:リビングふくおか・北九州Web
出典:リビングふくおか・北九州Web

清張の書斎は是非、再現展示を実際に見てください。感動します。

展示を見終わるころ、もう一回見て回りたくなりました。確実に清張氏のことが好きになっています。努力の人、差別・逆境をはねのけ、いくつもの作品を執筆しながら、多忙の中、81歳まで世界中を取材して回り、52歳から亡くなるまでの30年間に12回も、作家部門の長者番付けで1番になり、かっこいいです。

出典:リビングふくおか・北九州Web

読書の秋!「松本清張」の推し活しませんか?「友の会」という方法があります!

紳士淑女の皆さん、学生さん、いえ主婦の方こそ、是非今秋から「松本清張」の推し活しませんか?

そんな人にお勧めなのが「友の会」です。8月1日から翌年7月31日までの1年間有効で、年会費は3000円(年度途中で入会した場合、入会月から会費3000円/1年間)。加入年度は常設展の招待券4枚ついていてお得です、他にも特典あり)。私は「友の会」に入会しました。今年の読書の秋は清張作品を中心に読み、記念館に通います。

さらに、私が魅力を感じたのは、友の会だけでなく、毎月「清張記念館」では「朗読・ミュージック・おしゃべりサロン」(参加費は飲み物代の500円・予約可)が開催されていて、どの年代でも、様々な角度から清張に親しめる事です。また、現地まで来れなくても、Zoomで無料で参加できます。席の予約やZoom視聴希望は、松本清張記念館(TEL093₋582₋2761、またはメールatskg0412@gmail.com/担当 古賀さん)へお問い合わせください。

出典:リビングふくおか・北九州Web

「松本清張記念館の図録」(1500円)と「西郷札」(935円)を購入しました。清張記念館で単行本を購入すると、記念館限定のブックカバーをつけてもらえます。(図録にはカバーはつきません)※文中価格はすべて税込

出典:リビングふくおか・北九州Web

読書の秋ですね。私は、「松本清張」の推し活を始めました。「西郷札」を早速読書中です。ご一緒にいかがですか?松本清張記念館を訪れて、清張の作品が人々の心に長く深く愛されている理由がわかる気がしました。力強いパワーと優しさ、そして深い思考と冷静な判断力。昭和の時代の懐かしさも感じます。

今のデジタル時代に、「松本清張 デビュー前夜の小説」展は、清張が時代を超えて語りかける私たちへの「メッセージ」であり「ギフト」だと思いました。この機会に是非、松本清張記念館を訪れてみてください。

※注意:館内は一部のフォトスポットを除いて、撮影禁止です。

松本清張記念館
■住所:北九州市小倉北区城内2番3号(JR小倉駅から徒歩15分)
■TEL:093-582-2761
■観覧料:一般600円(団体・高齢者割引(※):480円)・中・高生360円 (団体:280円)・小学生240円 (団体:190円)※団体料金は30人以上の団体
■開館時間:午前9:30~午後6:00(入館は午後5:30まで)
■休館日 毎週月曜日(休日の場合は翌日。そのため9/24(木)は休館日となります。なお、9/21(月)は開館します。)・年末年始 (12月29日~1月3日)
■館内整理日・臨時休館日:ホームページ「お知らせ」をご確認ください
■展示会会期内 臨時休館日:8月27日 (木)・9月16日 (水)・9月17日 (木)
URL:https://www.seicho-mm.jp/

※記事に掲載した内容は公開日時点または取材時の情報です。変更される場合がありますので、お出かけの際は公式サイト等で最新情報の確認をしてください

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