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「美容師って、この先も食っていけんの」恋人を値踏みした兄へ、私が台所で抗議した

  • 2026.8.27
ハウコレ

台所で抗議しても、兄は態度を変えませんでした。納得のいかないまま帰った数日後、私のスマホに届いたのは、兄からの1通のメッセージでした。

値踏みするような最初の質問

実家の夕食に、付き合って2年になる彼を招いた日のことでした。母は取り皿を客用のものに替え、父は缶ビールを2本余分に冷やして待っていてくれました。遅れて席に着いた兄は、名乗った彼と目を合わせないまま箸を取り、しばらく黙って食べていました。彼が美容師だと伝えた直後です。「美容師って、この先も食っていけんの」。とりなすように母が笑いましたが、兄は湯のみを置いて、彼の返事を待つ姿勢を崩しませんでした。私は取り皿を持ったまま、兄の横顔を見ていました。

台所で言い返した私

質問はそれで終わりませんでした。「その時計、自分で買ったの」。店の家賃の相場、貯金の額。踏み込んでいく兄の口ぶりは、まるで面接官のようでした。隣で父が話題を変えようとしても、兄は乗りませんでした。それでも彼は背筋を伸ばし、「3年後までに独立の資金を貯めます。届かなければ、計画を立て直すだけです」と答えました。私は箸を置き、お茶を替えに立った兄を追って言いました。「さっきから彼に失礼だよ」。返ってきたのは「事実を聞いてるだけだろ」で、兄は急須だけ持って、先に居間へ戻っていきました。

玄関でのそっけないひとこと

帰り際、玄関で兄は彼に「また来れば」とだけ言いました。ぶっきらぼうな言い方に私はまた腹が立ちましたが、彼は「はい、ぜひ」と深く頭を下げました。駅までの道で、私は兄への文句を並べ続けました。挨拶もろくにしない、初対面の人に聞くことじゃない。それなのに隣を歩く彼は「いいお兄さんだね」と笑いました。どこがと聞き返すと、彼は少し考えてから「ちゃんと最後まで答えを聞いてくれたから」と言いました。

そして...

数日後、私のスマホに兄からメッセージが届きました。「知り合いに美容室のオーナーがいる。話を聞きたいなら繋ぐ」。相変わらず素っ気ない文面を何度か読み返してから、私はそれを彼に転送しました。彼からはすぐに、お願いします、と返事が来ました。兄の言い方は、今も好きになれません。それでも次に実家へ行く日は、彼の隣で、手土産の袋に兄の好きな酒を1本足すつもりです。

(20代女性・販売職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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