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ビーナスライン&裏ビーナス完全制覇!!

  • 2026.8.17

信州で走っておくべき道を挙げるなら、筆頭はビーナスライン! 長いルートの間で次々に雰囲気を変化させるこの道は景色と走りの両面で多くのライダーを虜にしてきた。そして、これとセットで走っておきたいのが通称“裏ビーナス”。昨年まで、災害復旧のためにアクセスルートの一部区間が通行止めで表→裏のビーナス移動にかなりの時間を要したが、果たして今年は……。というわけで、行ってみた!!

表側の女神様は次々に表情を変える

ビーナスラインは、信州どころか日本を代表する絶景道のひとつ。長野県の茅野市街と美ヶ原高原をつなぐ観光道路だ。

ビーナスライン&裏ビーナス完全制覇!!
ビーナスラインの頂上には、爽快な高原の絶景が待つ。写真は、宿泊施設で昼間は食堂も営業する山本小屋ふる里館から、美ヶ原牧場を望む

この愛称は、かつての蓼科有料道路&霧ヶ峰有料道路を指す名称として1968年に公募で決定。そのため、広域を巡る長距離ルートになっているが、茅野から蓼科を経て白樺湖までの30㎞ほどは、峠道も走るとはいえリゾート地を抜ける区間が中心なので、絶景道としては白樺湖から美ヶ原高原までのワインディングがメインとなる。ここだけでも40㎞近くあり、この区間だけがビーナスラインだと思っている人も少なくない。

ビーナスライン&裏ビーナス完全制覇!!
道の駅ビーナスライン蓼科湖に隣接するリゾートホテル蓼科は、約2万坪の彫刻公園を併設しており、無料で散策可能!
ビーナスライン&裏ビーナス完全制覇!!
道の駅 美ヶ原高原には今年、愛車と一緒に撮影できるフォトスポット看板が新設。しかしこの日の目的地は、高原の向こう側だ!

白樺湖畔に近い標高1440mの大門峠交差点から、車山高原を抜けて標高1670mの霧ヶ峰交差点までは、山肌を縫いながら視界が開けた草原を緩やかなカーブで駆け抜ける。遠望に優れた場所も多く、沿線には南北アルプスや富士山を含む遠くの山々を眺望できるポイントもある。霧ヶ峰の交差点を右折した先は、標高1600〜1700mをほぼキープする緩やかなアップダウンで、和田峠や扉峠を越える約22㎞のワインディング。序盤は視界が開けた地点も多いが、やがて周囲が木々や山肌に覆われた区間が増える。とはいえ全体的には、上質な峠道の風景が待つ。

最後のセクションとなる落合大橋から先は、険しい登山道路。約5㎞区間で、標高を約1600mから1959mまで一気に上げるため、タイトカーブ連続のハードな山岳路へと一気に姿を変える。

ビーナスライン&裏ビーナス完全制覇!!
車山高原から霧ヶ峰にかけては、広大な草原地帯の中を走り抜ける。視界が開けた場所が多く、標高1600m前後のため涼しく、夏でも最高の爽快感!
ビーナスライン&裏ビーナス完全制覇!!
車山高原にある白樺湖展望台駐車場にて。その名のとおり白樺湖を見下ろせるだけでなく、晴れたら遠くに名山の数々も拝める

そしてルートの頂点に待つのが美ヶ原高原。実質的な終点は美ヶ原高原美術館および隣接する道の駅美ヶ原高原で、周辺はその名のとおり天空の高原になっており、眺望に優れた場所が点在する。

このように、エリアごとに表情が次々に変化していくところも、ビーナスラインの大きな魅力。だから茅野市街から美ヶ原までフルに走っても飽きないし、逆に走りごたえがあって大満足すること間違いナシ……なのだが、じつは今回の旅は、美ヶ原からが本当のスタートだったのだ!

本誌でも頻繁に取り上げてきたが、ビーナスライン終点から見て美ヶ原高原を挟んだ反対側付近には、〝裏ビーナス〞や〝美ヶ原高原道路〞なんて呼ばれる道がある。実際には長野県道62号美ヶ原公園沖線の一部区間を指し、区間距離は約5㎞と短く、道幅が狭い場所もあるが、視界が開けた尾根伝いを走りながらパノラマ絶景を拝める区間もあり、高原道路の爽快感が凝縮されている。せっかく近くまで行ったのに、この道を走らず帰るのはモッタイナイ!

ビーナスライン&裏ビーナス完全制覇!!
美ヶ原高原までの終盤約5㎞は、急勾配かつ九十九折りの山岳道路に。山肌に弧を描く道も、絶景をつくる構成要素のひとつだ
ビーナスライン&裏ビーナス完全制覇!!
霧ヶ峰で交差点を曲がって美ヶ原高原を目指すと、しばらく走るうちに周囲が木々に覆われはじめる。標高をキープしつつ、一般的な峠道に変化

ところが、ビーナスラインの終点である美ヶ原高原美術館から、この裏ビーナスの起点となる武石峠までの一部区間は、土砂崩落や落石およびその復旧工事のため、ここ数年は通行止めが続き、走れない状態が続いていたのだ。

そこで、インターネットを使って調べてみると……。どうやら今年は、通行可能になったようなのだが、正確な情報を得るのがちょっと難しい。昨年まで問題となってきたのは、こちらも美ヶ原公園沖線の一部となる、番所ヶ原スキー場と武石峠の間。そこで「武石峠通行止め」と検索すると、個人のSNSに「走れるよ!」という情報が複数あるけど、それ以外に昨年までの古い情報が混在して表示されることや、解除済みを明確にアナウンスするページが見当たらないことから、さらりと検索しただけだと引き続き通行止めのように思ってしまいそうな状況だ。

それなら……というわけで、本当に番所ヶ原スキー場から武石峠を経由して裏ビーナスまで行けるのか、調査してみたぞ!

道はつながっている。絶景に会えるかは運任せ

結果からお伝えすると、少なくとも6月5日現在、美ヶ原高原から裏ビーナスの終点となる美ヶ原自然保護センター&うつくしテラスまでは、県道464号美ヶ原公園西内線と県道62号美ヶ原公園沖線を使ってアクセス可能。つまり今年は数年ぶりに、遠回りせず表と裏のビーナスラインをセットで楽しめるのだ!

ビーナスライン&裏ビーナス完全制覇!!
うつくしテラスでは、松本のカレー専門店「メーヤウ」の本格エスニックカリーも味わえる。写真の「インド風チキンカリー(1300円)」は激辛。涼しい美ヶ原で汗が噴き出るが、ルーと骨付き鶏もも肉ともにめっちゃ美味!
ビーナスライン&裏ビーナス完全制覇!!
裏ビーナスの終点には、食事もできるうつくしテラスと、入館無料の展示室を備えた美ヶ原自然保護センターがある。駐車場も広い!うつくしテラス営業時間:10:00 ~ 16:00(7 ~ 9月は9:30 ~/フードメニューは~ 15:00)定休日:水曜、一部の火曜(ウェブサイトを確認) https://utsukushiterrace.jp/

武石峠には、西側から美ヶ原スカイラインでアクセスする方法もあるが、この道を使うためには松本市のほうまで回る必要がある。美ヶ原高原から美ヶ原西内線を下り、美ヶ原公園沖線とぶつかる交差点からだと、迂回ルートで武石峠までは約50㎞。道路復旧により、これが約10㎞に短縮された。ただし、番所ヶ原スキー場から武石峠までは、かなり道が狭い区間や、落ち葉や土砂などで路面状況が悪い場所もあるので要注意。本当にこの道で正しいのか、この先に絶景なんてあるのだろうか……と不安になるほどだが、女神様の裏の顔を見るには、それなりの努力が必要なのだ。

しかも、ようやく裏ビーナスにたどり着いても、必ず絶景に会えるとは限らない。なにせこの場所は標高1900m級。下界は晴れていたとしても、周囲が雲や霧に包まれて真っ白……なんてことも少なくない。条件が揃えば美ヶ原周辺でも屈指の絶景を拝ませてくれるけど、ときにはベールに包んで隠しちゃうなんて、信州の女神様はかなりのツンデレかも!

ビーナスライン&裏ビーナス完全制覇!!
武石峠までのアクセスルートが過酷だからこそ、裏ビーナスの開放的な絶景が最高のご褒美に感じられる。眼下に松本の市街を望めるポイントもあるが、この日はモヤっていた

ちなみに、番所ヶ原スキー場と武石峠をつなぐ区間を通行できると、美ヶ原周辺は多彩なルーティングが可能だが、最も一般的かつ楽しみやすいのは、まずビーナスラインを楽しみ、その後で裏ビーナスに展開するルート。これにより、終点付近は急勾配となるビーナスラインを、走りやすい上り中心で楽しめる。逆に、美ヶ原高原から美ヶ原公園沖線までの美ヶ原西内線は下りになるが、ここも路面状況はあまり良好ではなく、上りでも下りでもそれほど爽快に走れるわけではないので、あまり考えなくてもいいだろう。

ビーナスライン&裏ビーナス完全制覇!!
武石峠まであと一歩という区間が、とくに道幅が狭い。この日は雨上がりだったので落ち葉で路面も汚れており、慎重に走り抜けた

裏ビーナスそのものは行き止まりなので、同じルートを引き返すしかないが、武石峠から先は美ヶ原スカイラインで松本方面を目指すのもあり。とはいえ、首都圏に帰る人の場合は遠回りになるので、美ヶ原公園沖線をビーナスライン方面に戻るのもオススメだ。武石観光センターで美ヶ原高原西内線に右折せず真っすぐ進むと、その先は直線基調の走りやすい田舎道になり、国道152号に接続する。これを北上すれば上信越道方面、南下すれば白樺湖。もちろん、タフで走り足りない人は帰りもビーナスラインを走ればいいけど、裏ビーナスから少し楽に帰れる。

ビーナスライン&裏ビーナス完全制覇!!
武石観光センターから東側の県道 62 号美ヶ原公園沖線は、田畑と集落の中を直線的に貫いていて走りやすい。帰路にオススメ!

番所ヶ原スキー場と武石峠の間は、これまでもそうだったように、いつまた災害で通行止めになってもおかしくない。走れるうちに、フル活用しておくべし!

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