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“知って走る応援”能登はライダーを待っている

  • 2026.8.12

遠くへ走りに行きたい。そう思ったとき、ライダーの心に浮かぶ場所のひとつが能登半島だ。海沿いの道、半島の先端、土地に根づく店や景色。地震と豪雨を経たいま、その風景は少しずつ姿を変えながらも再び人を迎え始めている。ただ走るだけでなく、能登の現在に触れる旅へ出かけたい

復興途中だからこそ見て知る意味がある

「遠くへ行きたい」と思ったとき、ふと頭に浮かぶ場所がある。日本海へ突き出す能登半島だ。海沿いの道を走り、岬を目指し、夕日に染まる棚田を眺める。そんな旅に憧れるライダーは少なくないだろう。では、地震と豪雨を経験した能登は、いまどのような状況なのか。この夏、能登を訪れたいと考えるライダーに向けて、SSTRのローカルアドバイザーを務め、能登へのライダー誘致活動に取り組む金沢市在住の華岡一哉さんに話を聞いた。

「主要な道路はほぼ開通しています。国道249号線も通れるようになりました」と華岡さん。地震直後は道路の陥没やひび割れ、段差、土砂崩れなどが各地にあり、走行そのものが危険な状況だった。しかし現在は復旧が進み、奥能登を周回するルートも走れるようになっている。ただし、輪島市、珠洲市、能登町、穴水町といった奥能登エリアでは、まだ完全に直しきれていない場所も残る。

「突然、路面がかまぼこのように盛り上がっているところや、段差、迂回路、工事による片側交互通行もあります。通れるけれど、路面には十分気をつけて走ってほしいですね」。前走車の動きに注意しながら、無理のないペースで走るのが正解のようだ。

一方で、地元の人たちはライダーを拒んでいるわけではない。「SSTRなどを通じて、ライダーは穏やかな大人たちだと伝わってきています」。飲食店や店舗も少しずつ営業を再開し、仮設店舗で再出発している店もある。「店をやっている人たちは、やっぱり来てほしいというのが本音です。食事をして、お金を落としてもらえるのはありがたいことなんです」。

ただし、能登は今も復興の途中にある。倒壊した建物の多くは撤去されたが、かつて家があった場所が空き地になっている光景も少なくない。仮設住宅の近くを通る際は、スピードや騒音に配慮して静かに走りたい。華岡さんは地元の人との交流についても話す。「被災した人に出会ったら、無理のない範囲で声をかけてあげてほしいんです。『大変でしたね』『早くよくなるといいですね』という言葉だけでも、うれしいものなんです」。遠慮しすぎず、寄り添う気持ちで接することも、旅先でできる支援のひとつだ。

能登には、今も立ち寄りたい場所が多くある。道の駅赤神のバイクカレー、道の駅狼煙の豆乳ソフト、国の重要文化財に指定された禄剛埼灯台、営業を再開した飲食店。白米千枚田は以前と同じ姿ではないが、海へ向かって棚田が広がる美しさと、日本海に沈む夕日は変わらない。

「当たり前の生活や景色が、一瞬で失われることがあります。能登を走ることで、今の日常がかけがえのないものだと感じてもらえたら」と華岡さん。静かに、温かい気持ちで走る旅が、能登を応援する力になる。

海へ向かって小さな田が連なる白米千枚田。地震の影響で一部が崩れ、現在は干上がった田も見られるなど、かつてとまったく同じ姿ではない。それでも、日本海を背景に段々と広がる景観は他にはない。復興の途中にある能登の現実と、変わらない魅力を同時に感じられる場所だ

日本海に沈む夕日が棚田を染める景色は変わらない

山側に地震の爪痕が残り、一部の棚田が崩れたままの姿を見せている。それでも海へと続く段々の景観は失われていない。変わりゆく風景の中に、復興へ歩む能登の今が刻まれている

隆起した海岸の地形を生かした仮設道路

復旧が難しい区間では、隆起した海側の地形を生かして仮設道路が整備されている。海へ張り出すように続く道は、かつての風景とは異なるものの、地域の暮らしと往来をつなぐ大切なルートとなり一般車も走行可能に。復興へ向かう能登の今を象徴する景色のひとつだ

憧れの最先端には多くの見どころ

能登半島の最先端に位置する禄剛崎灯台と道の駅狼煙周辺は、現在も訪れることができるスポット。禄剛崎灯台は国の重要文化財に指定され、改めて注目を集めている。道の駅狼煙では、地元の豆腐づくりに由来する豆乳ソフトも美味

能登の歴史や文化を伝えるシンボル

能登町・九十九湾の「イカの駅つくモール」では、巨大なイカオブジェ「イカキング」が変わらず訪れる人を迎える。一方、珠洲に残る揚げ浜式製塩では、塩釜で海水を煮詰める伝統の技が今も受け継がれている。海の恵みとともに歩んできた能登の暮らしを感じられる、復興途中の今こそ立ち寄りたい場所

にぎわいを取り戻す仮設店舗や商店街

能登空港近くの「NOTOMORI」をはじめ、被災した店が集まる仮設店舗や仮設商店街は、地域のにぎわいを取り戻す拠点となっている。元の場所で営業できなくても、再び店を開き、客を迎える姿は復興のシンボルそのもの。旅の途中に立ち寄り、食事や買い物を楽しみたい

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