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「これ、名前違います」システムに登録できない異体字。だが、受付が丁寧に対応した結果

  • 2026.8.9
「これ、名前違います」システムに登録できない異体字。だが、受付が丁寧に対応した結果

会計窓口で気づいた、名前の表記違い

総合病院で医療事務をしていた頃のことです。

外来の会計窓口には、毎日たくさんの患者さんが訪れていました。

その日、診察を終えた一人の男性が、会計の際に予約票と書類を見比べながら、名前の表記について声をかけてきました。

「これ、名前違います。正式にはこちらの字なんです」

見せていただくと、名字の一文字が、一般的によく使われる字体ではなく、少し形の異なる異体字でした。

たしかに男性の身分証や手書きの記載では、その字が正式な表記として使われていました。

私はすぐに画面を確認しましたが、院内システムではその文字をそのまま表示できない状態でした。

そのため、登録上は通用する字体に置き換えられていたのです。

事情を説明すると、男性は困ったような表情を浮かべました。

「この字でずっとやってきたので、別の字にされると自分の名前じゃないように感じるんです」

強い口調ではありましたが、言いたいことはもっともでした。名前は、その人にとって大切なものです。私も、できるだけ軽く扱ってはいけないと感じました。

すぐに結論を出さず、できる対応を一つずつ確認

私はその場でお待ちいただき、主任にも相談しました。

すると、やはりシステムの仕様上、その異体字を印字に反映させることは難しいとのことでした。

ただし、患者さんの本来の表記を院内で共有できる方法がないか、確認を進めることになりました。

課内で対応を相談し、登録名はシステム上使える字体のままとしつつ、電子カルテや院内の備考欄に正式な字体が別にあることを、文字の説明とともに残した

必要に応じて、窓口での本人確認の際にも注意して見るよう共有する形です。

確認や引き継ぎに時間がかかり、やり取りは長くなりました。

男性も途中で何度か、「正式な字を大事にしてほしい」と繰り返していましたが、こちらも「できないことを、できるとは言えない」と正直にお伝えしながら、代わりに何ができるかを丁寧に説明しました。

最終的に私は、こうお話ししました。

「お名前を大切にしたいというお気持ちは、よく分かります。ただ、今のシステムでは、その字を印字に反映することができません。その代わり、院内では本来の表記が分かるよう記録を残し、確認時にも注意する形で対応いたします」

男性はしばらく考えたあと、静かにうなずきました。

「事情は分かりました。そういう形で残してもらえるならお願いします」

その言葉を聞いて、私もほっとしたのを覚えています。

この一件で印象に残ったのは、患者さんの訴えも、病院側の説明も、どちらか一方だけが正しいという話ではなかったことです。

名前を大切にしたい気持ちと、システム上の制約。その両方を踏まえたうえで、できる対応を探していくことの大切さを学んだ出来事でした。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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