1. トップ
  2. エピソード
  3. 「さっきまで、ここにいたのに」運動会の最前列に入り込んだ保護者→私が何も言えず残った違和感

「さっきまで、ここにいたのに」運動会の最前列に入り込んだ保護者→私が何も言えず残った違和感

  • 2026.8.8
「さっきまで、ここにいたのに」運動会の最前列に入り込んだ保護者→私が何も言えず残った違和感

早起きして確保した最前列

子どもが通う保育園で、運動会が開かれた日のことです。

園庭はそれほど広くなく、保護者は白い線の内側に立って観覧することになっていました。

場所は指定されておらず、到着した順に空いているところへ立つ形式です。

少しでも見やすい場所で応援したかったため、私たち夫婦はいつもより早く家を出ました。

園に着くと、まだ保護者の姿はまばらでした。園庭を見渡せる最前列に、二人で立てるほどの空間が残っています。

「ここなら、よく見えそうだね」

「早めに来て正解だったな」

私たちは隣同士に立ち、ビデオを撮る位置も確認しました。入場門もトラックもよく見え、子どもの競技を楽しみにしながら開会を待っていました。

戻ってみると、立つ場所がなかった

開始時刻が近づくにつれて、園庭には次々と保護者が集まってきました。

最初は余裕のあった観覧スペースも、いつの間にか人で埋まっています。

そのとき、子どもたちが待機している場所から先生に呼ばれました。子どもの上着を預かってほしいとのことでした。

「ちょっと行ってくるね。ここに戻るから」

夫にそう伝え、私はその場を離れました。

用事はすぐに終わりました。ところが数分後に戻ってみると、夫のすぐ隣には、知らない女性が立っていたのです。

先ほどまで私がいた場所でした。

夫は気まずそうな顔で、私に小声で説明しました。

「人が一気に入ってきたときに、横から入られたんだ。知り合いの人と合流するのかと思っていたら、そのまま動かなくて…」

夫も最初は、少しの間だけ前に出たのだと思ったようです。私の場所だと伝えるタイミングを逃したまま、周囲の人も増え、声をかけにくくなってしまったのでしょう。

女性は前を向いたまま、スマートフォンを構えていました。私が戻ってきたことには気づいているようでしたが、場所を空ける様子はありません。

「さっきまで、ここにいたのに…」

思わず、夫にだけ聞こえる声でつぶやきました。

「俺から言おうか」

夫が尋ねましたが、開会式はもう始まりそうでした。周囲には子どもたちの晴れ姿を待つ保護者が大勢います。

ここで言い争いになったら、せっかくの運動会の雰囲気を壊してしまうかもしれません。そう考えると、相手に声をかける勇気が出ませんでした。

「もういいよ。後ろから見る」

私はそう答え、夫の斜め後ろに立ちました。

競技が始まると、前の人の肩越しに子どもの姿を追いました。まったく見えないわけではありません。それでも、早起きして確保した場所だっただけに、気持ちはなかなか切り替えられませんでした。

離れるとき、荷物を置いたり、夫にはっきり声をかけてもらったりしておけばよかったのかもしれません。

しかし、空いたように見えた場所へ何も確認せず入り、戻ってきた私を見ても動かなかった女性の姿を思い出すと、今でも少し引っかかります。

楽しかった運動会の記憶の片隅に、あのとき飲み込んだ一言だけが、もやもやと残っています。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ