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「あんなに押したら、傷んじゃうんじゃないか」野菜売り場でトマトを押す客。だが、店員の正論で黙り込んだ

  • 2026.8.7
「あんなに押したら、傷んじゃうんじゃないか」野菜売り場でトマトを押す客。だが、店員の正論で黙り込んだ

トマトを押しては戻す女性

休日の朝、夫と近所のスーパーへ買い物に出かけたときのことです。

青果売り場でトマトを選んでいると、六十代くらいの女性が隣にやってきました。

女性はトマトを一つ手に取ると、指で何度も押してから棚へ戻しました。別のトマトも同じように触り、少し首をかしげては元の場所へ置いていきます。

熟れ具合を確かめているのでしょう。しかし、押されたトマトには、うっすらと指の跡が残っていました。

夫も気づいたらしく、私の耳元で小さく言いました。

「あんなに押したら、傷んじゃうんじゃないか」

女性は結局、トマトを一つもカゴに入れず、今度はきゅうりの棚へ移りました。そこでも何本も握って確かめ、気に入らないものは次々と戻していきます。

近くにいた客も気になるのか、女性の手元をちらちらと見ていました。

店員が静かに伝えたこと

しばらくすると、品出しをしていた店員が女性のそばへ歩み寄りました。

「お客様、恐れ入りますが、トマトは強く押さずにお選びいただけますか」

責めるような口調ではなく、穏やかな声でした。

ところが女性は、不満そうに眉を寄せました。

「買うかどうか確かめているだけよ。傷んでいるものを買いたくないでしょう」

すると店員は、女性が棚へ戻したトマトを見ながら、静かに答えました。

「お気持ちは分かります。ただ、買わない商品も、次のお客様が買うものです」

女性は何か言い返そうとしましたが、周囲の視線に気づいたのか、黙って手を引きました。

店員は続けて、トマトは見た目やヘタの状態でも選べることを説明し、傷みが気になる場合は声をかけてほしいと案内しました。

「それなら、先に言ってくれればよかったのに」

女性はそうつぶやきましたが、その後は商品を押さず、目で確かめながら一つを選んでカゴへ入れました。

女性が立ち去ったあと、夫が小さな声で言いました。

「自分が買わなくても、誰かが買う商品だもんな」

店員の言葉は、女性だけでなく、その場にいた私たちにも向けられているように感じました。

商品を選ぶときは、その後に手に取る人のことも忘れてはいけない。何げない買い物のマナーについて、改めて考えさせられた出来事です。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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