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【水の日/水の週間】おしゃれ好きな人ほど知っておきたい「服と水の不都合な真実」

  • 2026.7.30
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日本では、8月1日の「水の日」を初日とした1週間は「水の週間」。そこで、世界の工業用水の約13%を占めるほど水を大量に消費するファッション業界と水の関係にフォーカス!

ファッションラバーだからこそ、いま、身に着けている1着と世界の水がどうつながっているのか、不都合な真実に目を向けてみよう。

【1】そもそも、地球上で使える水はたったの「0.01%」

Ippei Naoi / Getty Images

国土交通省(※1)のまとめによると、地球上に存在する14億立方キロメートルもの水のうち、そのほとんどは海水であり、淡水はわずか2.5%。しかも、そのうちの70%は氷や氷河のため、生活水として使用できない。

さらに凍っていない淡水のほとんどは掘るのが難しい地中深くに流れる地下水。つまり、私たちが利用できるのは河川や湖、地中の浅いところに存在する水のみで、それは地球上の水のたった「0.01%」しかないということ。

【2】水として使えるようになるまで、1000年以上

Shohtaroh Iwasaki / Getty Images

私たちの生活にかかせない貴重な水。降った雨が湖や川、海に流れ込み、水蒸気としてまた雲になる。このように水は形を変えて私たちのまわりを循環している。その水が循環し私たちの生活の中で使えるようになるまでに、数日かかることもあれば、地中深くに染みこんで地表に現れるまでに、1000年以上かかることもある。

水が豊富な日本だとその貴重さに気づくことが少ないけれど、これだけ途方もない年月をかけて巡り巡ってきた水は大事に使わなければ、もったいない!

【3】服づくりで水を最も使うのは、主に2つ

Tuul & Bruno Morandi / Getty Images

服づくりの中で、地球の水を最も使っている工程の1つが「繊維の生産」(※2)。コットンを栽培するときに大量の水を必要とするだけでなく、世界の繊維生産の59%(※3)を占めているポリエステルの原料は石油で、その石油採掘時にも大量の水が使われる。

もう1つの工程が「染色と仕上げ」(※2)。ここで課題になるのが水の大量消費に加えて、水質汚染。世界の産業廃水の20%はファッション業界からと言われていて、染料や薬品が混ざった水をいかにキレイにして自然に戻すかが鍵となっている。

【4】ファッション業界が、1年に使う水の量は「500万人の一生分」

Prasit photo / Getty Images

私たちの服づくりに使用される水がどれだけの量なのかイメージしてみよう。アパレル産業内全体で1年間に消費される水の量は、930億立方メートル。これは、なんと500万人の人々が一生暮らしていくのを支えられるほどのボリュームに相当。

コットンのTシャツ1枚のためだけでも、綿花づくりからTシャツになるまでに使用される水は約2,500リットル(※4)。その量は浴槽約12杯分に相当。ジーンズ1本の場合だと、消費される水の量は約7,500リットル。人間1人が生きるために7年間に飲む水の量に匹敵する。

【5】地球の「乾燥化」で服は、つくられなくなる?

Tahir Sumer / Getty Images

服の原料となるコットンを含め、世界の淡水取水量の約70%(※5)が農業に使われている。地球温暖化や人間による極度の水消費によって、ヨーロッパやシベリアなど世界各地で空気と土壌の記録的な乾燥化が進んでいる(※6)。

これにより、コットンやウール、リネンといった天然繊維を育む農業そのものが危機に瀕していて、今後、水不足で服の原料が採れなくなってしまうかも!?

【6】大洪水で、原材料生産地が消えていく?

SimpleImages / Getty Images

乾燥化の一方で、洪水が生産地を破壊する事態も発生。コットン総生産量が世界第2位(※7)のインドでは、豪雨によって綿花の根腐れや生育不良などの広範囲な被害が発生し、2025/2026年度の生産量が減少すると予測されている(※8)。コットン総生産量世界第5位(※7)の隣国パキスタンでも、2022年に大雨災害によって国土の約3分の1が浸水し、全半壊家屋105万軒、被災者3,300万人以上という被害、そして綿花農地に大打撃を与えた。

気候変動による異常気象が激化している近年、こうした水害によって服の原材料をつくることができなくなるリスクが現実化し、人々の生活が危険に晒されている。

【7】私たちは服を洗いすぎているかも

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『洗濯実態調査』の結果によると、日本では1世帯あたり1週間の洗濯日数が5.9日、洗濯回数にすると7.5回と、大半の家庭が「ほぼ毎日洗濯をしており、1日に何度も洗濯機を回す日がある」ことがわかっている。

すすぎの回数は2回という回答者が最多の53.6%。すすぎ2回で必要とする水を約123リットルとすると、年間で約48トンの水を消費している計算になる。これは1人の人間が毎日3リットルの水を約44年間飲む量に相当。

洗濯は汚れを落としている一方で服を傷つけている側面もある。最近では抗菌や防臭加工、汚れがつきにくい防汚素材といった服の機能面が進化しているのにもかかわらず、私たちは当たり前のように、1度着用しただけで洗っているかもしれない。服を長持ちさせるためにも、洗濯の回数や洗い方を見直すタイミングが来ているかも?

【8】毎日の洗濯で、海に「約50万トン」のプラスチックを流している

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合成繊維の服を自宅で洗濯するたびに、私たちは水だけでなく、微小なプラスチック(マイクロファイバー)を海に流している。合成繊維の衣類を1キログラム洗濯するごとに放出されるマイクロファイバーの量は、64万〜150万個(※9)。

合成繊維の洗濯は、世界中で放出されるすべてのマイクロプラスチックの約35%(※9)を占めているのだとか。服をキレイにする過程で、海や水環境をマイクロプラスチックで汚していたなんて……!

【9】救世主に!?水を1滴も使わない染色技術が登場!

Tatiana Maksimova / Getty Images

Fashion Revolution Japan発刊のタブロイド冊子『服と水』では、これまで大量の水で染めるのが当たり前だった染色工程における新技術を紹介している。

1つ目は、福井大学で研究が進められている「水を使わない無水染色」。この方法を採用すれば、水資源使用ゼロ、化学薬品使用ゼロ、そして廃水もゼロに。現在の技術ではポリエステルにはうまく活用できるものの、コットンなどのへの技術はまだ発展途上。今後の開発に期待したい!

2つ目は、色素を生み出す「バクテリア(細菌)」を培養して布に色をつける技術。布地の上で直接バクテリアを培養する方法では、必要な水はごく少量で済み、化学物質も不要。「バクテリアを着る」と言うと不安を感じる人もいるかもしれないが、そこはしっかり対策がとられていて、使用されるのは「無害」に分類されているもののみ。作業中も着用時も健康上のリスクはない。

こうした「水を使わない」革新的な染色技術が登場しているのは頼もしいこと。もちろん、これらの新技術の力ですべての水問題を解決するのは難しいけれど、こうした技術を併用しながら、服に使う水の量を見直し、服との付き合い方ことで、ファッションと水環境の共生がはじまっていくはず。

【参照文献】
(※1)国土交通省水管理・国土保全局水資源部. (2019). 令和元年版 日本の水資源の現況について本編(PDF版).p.1.
(※2)WWF Germany & WWF Sweden . (2022). Eau Courant:アパレル・繊維産業におけるウォーター・スチュワードシップ. p. 13.
(※3)Textile exchange. (2025). Materials Market Report 2025. p.5.
(※4)Water footprint network. (2015). A Guide to Reducing the Water Footprint of Cotton Cultivation in India. p.3.
(※5)UNU-INWEH. (2026). GLOBAL WATER BANKRUPTCY. p.11.
(※6)Global Water Monitor. (2025). 2025 REPORT. p.4.
(※7)Textile exchange. (2025). Materials-Market-Report-2025.p.24.
(※8)USDA. (2025). Cotton and Products Update. p.1.
(※9)CDP. (2020). Interwoven Risks, Untapped Opportunities. p.17.

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