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夏休みの飛行機で「前のお客さんだけずるい!」天候の影響で“機内サービスが中断”…元CAの機転を利かせた対応に「想像以上に喜んでくれた」

  • 2026.8.18
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

皆さま、こんにちは。大手航空会社で10年間、CAとして勤務しておりましたSAKURAです。

飛行機に乗った際、機内で提供されるドリンクを飲みながらホッと一息つく時間を楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。

フルサービスの航空会社では「当たり前」のように行われているドリンクサービスですが、実は、時期によっては天候や時間との戦いの連続でもあります。

今回は、夏休みの満席便で経験した、機内サービスでのリアルな葛藤についてお話しします。

空の上の安全を守りながら、すべてのお客様へ平等におもてなしを届けることの難しさを、実際のエピソードを交えてご紹介します。

サービスの勝負は「揺れがくるまでの前半」

それは、夏特有の急な天候不良により強い揺れが予想されていた便での出来事でした。

機長からは、「目的地に近づくにつれ揺れが予想されるため、勝負は揺れが来るまでの前半」と言われており、私たちCAは、提供するドリンクの種類を限定するなど綿密な対策を立ててお客様をお迎えしました。

「準備は万全のはず」

そう確信して上空へ達すると、私たちは一分一秒とも無駄にせずお客様へお飲み物を配布し始めました。

しかし、いざサービスを開始すると現実は思い通りに進みません。

夏休みということもあり、お子様用の蓋やストローの対応に普段以上の時間がかかり、さらに「コーヒーはないの?」、「氷も入れて」といった個別のご要望が相次いだのです。

天候やサービス変更に関する事前アナウンスはしていたものの、それを見た周囲のお客様からも同様のリクエストが重なり、機内はタイムロスという「負の連鎖」に陥ってしまいました。

届かなかった「最後列」と、痛感した力不足

刻一刻と、無情にも時間は過ぎていきます。

「お客様全員にサービスを行き届かせる」という大前提が崩れかけていたその時、とうとう機長からの「CAも着席」という指示が入ってしまい、残り一列のところでサービスを終えることになってしまいました。

私たちは着席し機内を見渡すと、お飲み物を楽しみに待たれていた最後列のお客様の、あからさまにがっかりとした表情が見えました。

「前のお客さんだけずるいな」

そんなお声すら漏れ聞こえてきたのです。

お客様を平等におもてなしできなかった不甲斐なさ。

天候不良という自然の厳しさのなかで、プロとしての力不足を痛感した瞬間でした。

「たった一杯」に込められた想いを知ったとき

そうして、何かできないか考えを巡らせていると、最後列のお客様が飛行機から降りられるまでは、満席のなかでは多少の時間がかかることを思い出しました。

そこで到着後、降機までの間に、最後列のお客様にお詫びと共にお飲み物を伺うことにしたのです。

するとお客様はご希望になり、「機内のリンゴジュースって美味しいんですよね」と仰るなど、私たちの予想以上に喜んでくださいました。

CAにとっては「たった一杯」であっても、お客様にとってはそれが「一つの楽しみ」でもあったのだと、改めて気付かされた瞬間でした。

マイナスの状況から始まった今回の出来事でしたが、マニュアル通りの対応だけでは届かないお客様の想いに触れる、貴重な経験となりました。

「安全」と「おもてなし」の両立

飛行機という特殊な空間では、「安全」と「おもてなし」の両立に悩む場面が多々あります。

だからこそ、すべてのお客様へ平等にサービスを届ける工夫を怠ってはならないと、CAたちは日々試行錯誤を重ねているのです。


ライター:SAKURA * 心を読む元国際線CA

日系大手航空会社にて10年間、客室乗務員(CA)として勤務。国内線・国際線を経験し、多種多様なお客様と接する中で「感情を読み解く力」を磨く。客室責任者としてVIP対応や後輩育成に携わる傍ら、社内の人材教育やグループ会社での業務にも携わり、多角的な視点から接客のあり方を見つめてきた。

現在は、その鋭い洞察力を活かし、言葉だけでない、「心理的・物理的アプローチによるクレーム回避術」を発信するライターとして活動中。国内線での細やかな気配りから国際線での難しい状況判断まで、現場での実体験に基づいた「心に届く接客のヒント」を言語化し、接客業にとどまらず、人と人とがよりよい関係を築けるサポートをしている。


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