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「この顔じゃ生きていけない……」中学生の娘から涙ながらに整形したいと告げられた母親は、彼女とどう向き合い、どんな決断をするのか?【書評】

  • 2026.7.21

【漫画】本編を読む

『娘に整形したいと言われたら』(うみの韻花/KADOKAWA)は、中学生の娘から突然「整形したい」と告げられた母親が、現代社会に深く根を張る「ルッキズム」の問題に向き合っていくセミフィクション作品である。

主人公は母・彩と、中学生の娘・ひかり。ある日、ひかりは「この顔じゃ生きていけない」と泣きながら訴え、「整形したい」と打ち明ける。学校で容姿をからかわれ、SNSではかわいい子ばかりが評価される世界のなかで、ひかりは少しずつ自分の顔を憎むようになっていた。もちろん母親である彩は戸惑う。「まだ中学生なのに」「そもそもそんな必要はない」と否定したい気持ちもある。しかし、実際に傷つき、自信を失っていく娘を前に、「気にしすぎだよ」と簡単に言い切ることもできない。

悩み抜いた末、彩はひかりの二重まぶたの整形に同意する。手術後、ひかりは自信を取り戻したように見えた。だが、それで終わりではなかった。「二重になっただけじゃダメだった」と呟いたひかりは、今度は鼻の整形を望み始める。SNSでの比較、他人の心ない言葉、「もっとかわいくなりたい」という終わりのない欲望。その呪いは、ひかりの心をさらに追い詰め、ついに不登校や希死念慮へとつながっていく。

本作が鋭いのは、整形を善か悪かと単純化しないところだ。実際、外見を変えればすべて解決するわけではない。しかし同時に、整形によって救われる人がいるという現実も見せる。しかも、彩自身もまた「女性はかわいくあるべき」という価値観のなかを生きてきた世代だ。娘の悩みと向き合うなかで、自分のなかに染みついていた外見至上主義に気づかされていく。

ルッキズムという言葉で、見た目を偏重することを糾弾し始めたのは最近のことだ。そして、SNS全盛の現代では、誰もが常に誰かと比較し、されながら生きている。本作は、美容整形の是非を超え、「かわいくなりたい」という願いの裏側にある痛みと孤独、現代社会が抱える息苦しさを浮き彫りにした作品である。

文=座美山佐須郎

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