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立場逆転で必死になる男子が尊い! 元引きこもり女子への愛が重すぎる王子様に沼る話題の少女マンガ『愛を誓うには早すぎる』【書評】

  • 2026.7.17
愛を誓うには早すぎる 青海瑠依 / 白泉社
愛を誓うには早すぎる 青海瑠依 / 白泉社

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『山田の学級日誌』の著者である青海瑠依氏の最新作『愛を誓うには早すぎる』(白泉社)。元引きこもりの天然女子と、闇を抱えた“愛が重すぎる”男子が織りなすラブストーリーです。

引きこもり女子の「シェアメイト」は学園の人気者男子?

主人公・飴井野花は中学3年間、ずっと引きこもりだった女の子。今度こそ自分を変えたいと、高校の入学式に臨みます。しかし気合が空回って転んでしまう野花。そこに手を差し伸べてくれたのが、アリスくんこと有栖川桜。イケメンかつ気さく、明るくて優しい学園の人気者です。

野花が入学した学園にはシェアメイトという制度があり、学校生活であらゆることを共有する相手が決まっています。野花とペアになったのはアリスくん。野花を気にかけリードしながら共同課題に取り組むアリスくんの頼もしさに野花は感激し、信頼を寄せていきます。

そんな中、アリスくんに「学校の近くに歓楽街があるけど、立ち寄っちゃだめだよ」と言われる野花。しかしうっかり歓楽街の入り口まで来てしまいます。そこで見たのは、普段とはまったく違うアリスくんで……。

学園の人気者の裏の顔を見てしまった主人公。ふたりの恋の行方は?

入学式で転び、行ってはいけないと言われた歓楽街に近づき、シェアメイトが将来の結婚相手候補であることを本人から聞くまで知らない――。そんな少女マンガの王道展開を地でいってしまう野花はドジっ子女子。久々の人間関係に挙動不審になり、隠すつもりだった元引きこもりの過去まで思わず暴露してしまうといった、飾らず等身大なところも魅力です。

一方のアリスくんは、学園では王子様のような人気者。しかし裏では女の子の家を渡り歩くクズ男子。引きこもっていた野花に対し、「俺には帰りたくなるような家なんてない」と発言するなど、時々闇のある様子を見せます。

これだけでも闇を抱えた男子好きにはたまりませんが、とあるきっかけで野花に心を開いてからは、これまで誰にも向けなかった執着や独占欲を見せ始め“愛が重い男子”に豹変するのもキュンとするところ。恋愛経験がない野花が自分の気持ちに戸惑っている時、彼女がどこかに行かないように実は必死なアリスくん……という普段とは立場が逆転するところもときめきポイントです。

野花のいつも一生懸命なのに空回ってしまうところや、アリスくんとのテンポのいいやりとりもコミカルで読みやすさ抜群。

本来ならば交わることがないようなふたりがお互いのことを知って惹かれていく、そんな物語を『山田の学級日誌』で紡いだ青海氏だからこそ、これからの展開にも期待大。アリスの心の闇は野花によってどう溶かされていくのか。ふたりの恋の行方とともに、続巻が待ち遠しい一作です。

文=原智香

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