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日本は中国にも抜かれ3位に後退 K-POPアルバム輸出、過去最高を支えるBTS復帰と“中間層”の厚み

  • 2026.7.17

K-POPアルバムの輸出市場で、大きな変化が起きている。

長らく最大の輸出先だった日本が、アメリカだけでなく中国にも抜かれ、3位に後退したのだ。

しかも、これはK-POP市場全体が拡大するなかで起きた変化だ。

7月17日、韓国関税庁の輸出入貿易統計によると、今年1~6月の音盤輸出額は2億5747万8000ドル(約418億3000万円)だった。

前年同期の1億1442万5000ドルから125.0%増となり、上半期基準で過去最高を記録した。

国別では、アメリカが7411万8000ドル(約120億4000万円)で1位、中国が6117万7000ドル(約99億4000万円)で2位。日本は4561万2000ドル(約74億1000万円)で3位にとどまった。

前年同期と比べると、アメリカは1945万2000ドルから7411万8000ドルへ、中国は2010万2000ドルから6117万7000ドルへ急伸した。一方、日本も3909万5000ドルから4561万2000ドルへ増えており、日本が縮小したというより、米中の伸びがそれを大きく上回った形だ。

日本は依然として巨大市場であることに変わりはないが、少なくとも2026年上半期の数字を見る限り、K-POPアルバム輸出の重心は大きく動いたように見える。

「不動の1位」だった日本が3位に

この変化は、過去数年の流れと比べるとより鮮明になる。

2023年、韓国の音盤輸出額は2億9023万ドルで、当時としては過去最高を記録した。国別では日本が1億1917万ドルで圧倒的な1位。アメリカが6263万ドル、中国が3390万ドルで続いた。

日本が2位のアメリカの倍近い数字を出している。

韓国メディア『中央日報』は当時、日本を「不動の1位」と表現しながらも、アメリカが初めて中国を抜いて2位に浮上した点に注目していた。

2024年も日本は最大市場の座を守った。通年の音盤輸出額は約2億9180万ドルで、国別では日本が8980万ドル、アメリカが6029万ドル、中国が5979万ドルだ。アメリカと中国の差はかなり縮まったが、それでも日本が1位だった。

同じ構図は、2025年も続いた。音盤輸出額は初めて3億ドルを突破し、3億174万ドルに達したが、国別では日本が8063万ドルで1位。中国が6972万ドル、アメリカが6397万ドルだった。

つまり2023年から2025年まで、K-POPアルバム輸出の最大市場は一貫して日本だった。しかし2026年上半期、その日本がアメリカだけでなく中国にも抜かれ、3位に後退したのだ。

もちろん、これだけで「日本市場の重要性が低下した」と断じるのは早い。2026年はまだ上半期の数字であり、通年で順位がどうなるかはわからない。日本がK-POPにとって重要市場であることも変わらない。

それでも、K-POPアルバム輸出の重心が、日本一極からアメリカ、中国、日本を含む複数市場型へ移りつつあることは確かだろう。

BTSだけではない、中間層の伸び

アメリカ市場を大きく押し上げた要因のひとつは、やはりBTSの完全体カムバックだ。

BTS
(写真提供=OSEN)BTS

BTSは今年3月、3年9カ月ぶりとなる新アルバム『ARIRANG』を発表。米ビルボードのメインアルバムチャート「ビルボード200」でK-POP史上初の3週連続1位を記録し、タイトル曲『SWIM』もメインシングルチャート「HOT 100」で1位を飾った。

アメリカの音楽・エンターテインメントデータ集計会社Luminateの中間報告でも、『ARIRANG』は上半期のCD販売56万7000枚、LP販売33万1000枚でそれぞれ1位を記録。BTSはK-POPの輸出額だけでなく、アメリカのフィジカル音楽市場そのものを動かした存在だったといえる。

実際、Luminate側は『ARIRANG』の影響でアメリカ全体のCD販売量が急増したと分析し、韓国を音楽輸出パワーランキング3位に押し上げた要因としても同作を挙げている。

ただし、今年上半期のK-POP市場を「BTSが戻ってきたから伸びた」とだけ見ると、重要な変化を見落とすことになる。

今年の特徴は、トップスターだけでなく、その下に続く“中間層”が厚くなっていることだ。

『聯合ニュース』を通じて音楽専門データジャーナリストのキム・ジヌ氏は、「BTSとBLACKPINKが合算で約600万枚規模の販売量を記録し、K-POP市場の停滞を突破する呼び水になった」と分析する一方で、「過去には販売量が一部のチームに集中していたが、今年は他のグループの競争力も高まり、“中間の腰”が強くなった」とも指摘した。

実際、今年上半期はBTS、BLACKPINKだけが目立ったわけではない。TOMORROW X TOGETHER、&TEAM、RIIZE、ATEEZ、BOYNEXTDOORなどが各月で存在感を示し、K-POP市場の厚みを支えた。

TOMORROW X TOGETHER
(写真提供=OSEN)TOMORROW X TOGETHER

さらに、新人・新興勢の勢いも見逃せない。昨年デビューしたKiiiKiiiやHearts2Heartsはそれぞれ新作で好反応を得て、CORTISも『REDRED』で存在感を示した。

Hearts2Hearts
(写真提供=OSEN)Hearts2Hearts

ガールズグループRESCENEは「巨済ヤッホー」ミームをきっかけにオンラインで注目を集め、『LOVE ATTACK』をヒットさせ、“中小アイドルの奇跡”とも呼ばれる存在になった。

BTSとBLACKPINKが市場の熱を取り戻し、その下では中間層と新人たちが確実に厚みを増している。これこそが、今年のK-POPアルバム市場の本質だろう。

下半期も期待できるワケ

もうひとつ見逃せないのは、輸出額の伸び方だ。

今年上半期の音盤輸出は重量基準では前年同期比78.4%増だったが、金額基準では125.0%増、つまり約2.25倍に膨らんだ計算だ。

単に枚数や重さが増えただけでなく、既存のCDに加えてLPなど単価の高い商品も好調だったと分析されている。

こうした数字を見ると、K-POPのアルバムは、もはや音楽を聴くためだけの商品ではないことがわかる。ファンにとっては、所有し、応援し、参加するためのアイテムでもある。実物アルバムがストリーミング全盛の時代にも強さを保つ背景には、そうしたK-POP独自の商品性があるといえそうだ。

販売量の面でも、K-POPは再び上向いている。サークルチャート基準で、今年上半期の累積アルバム販売量は約5500万枚。年間1億枚を突破した2023年上半期をわずかに下回る水準まで戻した。

そして、この勢いは下半期にも続きそうだ。

まずBIGBANGがデビュー20周年を迎えてワールドツアーに乗り出し、Stray Kidsが新作で通算9度目の「ビルボード200」首位を狙う。他にもRed Velvet、ENHYPEN、NCT 127など大型アーティストのカムバックも予定されている。

Stray Kids
(写真提供=OSEN)Stray Kids

2026年上半期の数字は、日本にとって少し複雑な結果でもある。2025年まで守ってきたK-POPアルバム輸出先1位の座を、アメリカと中国に明け渡したからだ。

K-POPが日本市場だけに依存しない段階へ進んだと見るべきだろう。

BTSの復帰がアメリカ市場を大きく動かし、その下では中間層と新人たちが確実に厚みを増している。

アメリカと中国の台頭、そして“BTS頼みではない”層の広がりが、2026年のK-POP市場を次の段階へ押し上げている。

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