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「ワシ、一応祟り神なんじゃが!?」物怖じしないふたりと祟り神との出会いが織りなす、時々ゾクっとするけど笑えるホラーコメディ『令和のダラさん』【書評】

  • 2026.7.16

【漫画】本編を読む

ホラー要素とギャグ要素が絶妙に絡み合う、不思議な読み心地を味わえるのが『令和のダラさん』(ともつか治臣/KADOKAWA)だ。2026年6月23日に第8巻が発売され、2026年7月よりTVアニメの放送がスタートしたホラーコメディである。

物語はある豪雨の夜から始まる。日向と薫のきょうだいは、嵐による土砂崩れによって柵が壊れ、長く立ち入り禁止とされている山へ足を踏み入れてしまう。そこでふたりが出会ったのは、人半蛇の身体と6本の腕を持つ怪異で祟り神として恐れられてきた屋跨斑(ヤマタギマダラ)だった。

ところが、ふたりはそれにまったく怯えないどころか、屋跨斑を「ダラさん」と呼び、なついてしまう。ダラさんは祟り神らしく振る舞おうとするのだが、まったく物怖じしないふたりを前に怖がらせるどころか振り回されていくのだ。

ダラさんは見た目だけはかなり恐ろしい。だが、実際は面倒見がよく、寂しがりやで、現代の暮らしに妙になじんでいる。祟り神としての威厳を保とうとする姿と、ふたりに慕われて戸惑う姿のギャップがとにかく面白い。そして日向と薫のダラさんとの距離の詰め方もかなり大胆で、一緒にコスプレをして写真を撮ったり、自宅で開く誕生日会に招いたりと、3人のやりとりには思わず頬がゆるんでしまうだろう。

しかし、本作はそんなゆるい怪異コメディにはとどまらない。ダラさんの過去が明かされる場面ではしっかりとシリアスなホラーの空気が漂い、現代パートではほっこりしたギャグが展開する一方で、この過去パートでは仄暗さと痛みが描かれ、油断していると、ふいにゾクっとさせられるだろう。この緩急が本作の最大の魅力だ。

さらに、コマ外に描かれた小ネタやパロディ、やたらとこだわりを感じるフェチ要素も見逃せない。ホラーが苦手な人でも読みやすく、過去編の不穏さにはホラー好きな人は引き込まれるだろう。笑わせられるが時々ちゃんと怖い。ふたりとダラさんが織りなす新時代の怪談話に引き込まれてしまうだろう。

文=坪谷佳保

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