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「今日は休みにしたんだ」訪ねるたび閉まっていた義父の店。だが、閉まっていた本当の理由に凍りついた

  • 2026.7.15

訪ねるたび、義父の店はいつも閉まっていた

結婚してからの日々、私は義父の家を何度も訪ねた。

義父は職場兼自宅で小さな自営業を営んでいて、一階が店、二階が住まいになっていた。

ただ、私たちが遊びに行くと、店のシャッターはいつも下りていた。

不思議に思って夫に尋ねると、いつも同じ答えが返ってきた。

「俺たちが来るから、店を閉めてるんだよ。親父なりの気づかいさ」

義父自身も、「せっかく来てくれたんだから、今日は休みにしたんだ」と、にこやかに笑っていた。

私はその言葉を、疑いもせず信じていた。

家族思いの義父らしい、あたたかい話だと思っていた。

休日にわざわざ店を閉めて、私たちを迎えてくれる。

そんな義父を、私は心から慕っていた。

子どもが生まれてからは、その光景がいっそう当たり前のものになっていった。

店の中をのぞいてみたいと思うことはあった。

けれど「休みなのに悪いから」と遠慮して、シャッターの前を通り過ぎるだけ。

棚に並ぶはずの商品も、私は一度も見たことがなかった。

今にして思えば、それすらも仕組まれた距離だったのかもしれない。

「そろそろ言わないと」と、夫が切り出した

結婚して10年ほど過ぎたころ。夫が急に、思いつめた顔で私に向き直った。

「そろそろ言わないと、と思って」

何ごとかと身構える私に、夫は声を落として打ち明けた。

「実は父の店、10年前から閉めてるんだ」

意味がのみ込めなかった。

夫は続けた。義父の自営業は、私と結婚するよりも前に、とっくに畳んでいた。

今は工場でアルバイトをして生計を立てているのだと。

つまり、私が信じていた「気づかいで店を閉めている」という話は、初めから作りごとだったのだ。

背筋がすっと冷たくなった。

結婚の挨拶をしたあの日から、義父と夫はふたりで口裏を合わせ、私にだけ嘘をつき続けていた。

なぜ、そこまでして隠す必要があったのか。畳んだ店にプライドがあったのかもしれない。

けれど、たとえ事情を説明されても、私の胸に残ったのは深い不信感だけだった。

いちばん近くにいたはずの人が、これほど長い年月、平然と嘘を重ねられる。

その事実は、たったひとつの隠しごと以上に私を怖がらせた。ほかにも、私の知らない取り決めがあるのではないか。

二人で目を合わせて口裏を合わせる姿を想像すると、ぞわりと鳥肌が立った。

穏やかな笑顔の裏で、家族そろって同じ嘘を守り続けていた。その事実が、今でも忘れられない。この人の言葉を、私はもう心の底から信じることができなくなっていた。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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