1. トップ
  2. 「もっと境界線を持てばよかった」アルコール依存症で双子の妹との同居生活が崩壊。振り返って感じるその理由とは【著者インタビュー】

「もっと境界線を持てばよかった」アルコール依存症で双子の妹との同居生活が崩壊。振り返って感じるその理由とは【著者インタビュー】

  • 2026.7.8

【漫画】本編を読む

「たった一杯だけ」と出勤前に手を出したカルーアミルク。その一杯からアルコール依存症になり、苦しんだ日々を綴ったのが『人生が一度めちゃめちゃになったアルコール依存症OLの話』(かどなしまる/KADOKAWA)だ。著者・かどなしまるさんが、会社の人間関係のストレスをきっかけにアルコール依存症となり、その回復までを描いたコミックエッセイである。駅のトイレなどでお酒を飲んでからの出勤が常習化。仕事にも双子の妹との生活にも支障が出ているのに、それでもお酒がやめられない……。そんな明らかに異常だった日々と、回復するまでの道のりが生々しく語られている。かどなしまるさんに、アルコール依存症だった当時の心境や、振り返ることで見えてきた根本的な原因、自身の性格について語ってもらった。

※本作品はアルコール依存症に関する内容となっており、作品は一部センシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。

――作中では、ひとり暮らしをつらく感じていたかどなしさんを案じて双子の妹・もるさんが同居を提案し、一緒に暮らし始めるエピソードもあります。もるさんは、かどしなさんが出社前に飲酒していたことも知っていました。身近な人がアルコール依存症になり接し方に悩む人も少なくないと思うのですが、当時はどんなふうに接してほしかったですか?

かどなしまる(以下、かどなし):本音を言えば、「否定しないでほしい」「安心させてほしい」と思っていました。ただ、当時の私は自分の苦しさばかりに目が向いていて、妹にも限界があることを慮ることができていませんでした。振り返ると支えてくれたことも、寄り添ってくれたことも、見捨てられたことも、どれもが必要なことだったと思います。

――依存症を脱却した今となっては、身近にアルコール依存症の人がいたら、周囲の人にはどう接してほしいと思いますか?

かどなし:これは本当に難しい質問です。実際、同じように悩んでいる方から相談を受けることも多いのですが、人それぞれ状況も性格も違うので、共通の正解はないと思います。ただ、依存症の本人が望むかどうかは別として、「境界線を持つこと」は大切だと思います。相手を突き放すという意味ではなく、「これはあなたの人生で、これは私の人生」と分けて考える感覚というか。相手を救おう、どうにかしようとしすぎると、支える側まで消耗して、自分の人生を生きられなくなってしまうこともあると思うので。

――それは妹さんとの生活を振り返って感じることですか?

かどなし:そうです、私がもっと境界線を持てばよかったなと。双子ということもあって思い出や価値観、家庭環境など共有しているものが多い分、「何でもわかってくれるはずだ」とどこかで思ってしまっていました。そうではなく「ここから先は自分でなんとかする領域なんだ」という線引きがもう少しできていれば、違っていたのかなと思います。

取材・文=原智香

元記事で読む
の記事をもっとみる