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彼が送ってきた駅構内の地図。遠回りの矢印だけが不安を大きくした

  • 2026.7.8
ハウコレ

彼から届いた駅の地図には、遠回りの矢印だけが描かれていました。理由を聞いても返事はなく、靴擦れした足でその道を歩きながら、私は彼に避けられているのかもしれないと考えていました。

遠回りを示す矢印だけの地図

その日は彼と駅で待ち合わせをしていました。私は新しい靴を履いて出かけたのですが、途中から靴擦れしてしまい、歩くたびにかかとがこすれていました。彼にも、足が痛いことはメッセージで伝えていました。

駅に着く直前、「いつもの出口でいい?」と送ると、彼からすぐに画像が届きました。駅構内の地図に赤い矢印が引かれていて、いつもの出口とは反対方向へ大きく回る道が示されています。

文字はありませんでした。「なんでこっち?」と送っても、返事は来ません。混んでいるからなのか、どこかに寄りたいのか、それとも私と会う場所を変えたい理由があるのか。矢印だけの地図が、歩く前から重く感じました。

返事のないまま歩いた道

足が痛いことは、彼にも伝えていました。それなのに理由もなく遠回りを示されると、彼の事情を優先されたように感じました。何度も画面を開き、返事が来ていないことを確かめながら歩きました。

遠回りの通路は人が少なく、座れる場所もありませんでした。早く彼に会いたい気持ちより、どうして説明してくれないのかという不満が大きくなっていきました。

彼が何かを考えてくれている可能性もありました。でも、何も言われないまま動かされているように感じると、優しさかどうかを信じる余裕がなくなります。私は地図の矢印に従いながら、少しずつ彼を疑っていました。

エレベーター前で聞いた理由

曲がり角を抜けると、彼がエレベーターの近くにいました。「なんで遠回りさせたの?」と聞くと、彼は改札側を指しました。「いつもの出口のエスカレーター、止まってた。そこからだと長い階段しかなくて、足痛いって言ってたから」

その理由を聞いて、怒りの行き場が少し変わりました。彼が気遣ってくれていたことは分かりました。でも、だったらなぜ先に言ってくれなかったのかという気持ちは消えませんでした。

そして...

彼は「充電がほとんどなくて、地図だけなら送れると思った」と言いました。実際、彼のスマホはすぐに電源が落ちそうな状態でした。事情を聞けば、彼の行動は私を困らせるためのものではありませんでした。

それでも、理由のない矢印だけで歩いた時間が消えるわけではありません。短くてもいいから、なぜその道なのかを添えてほしかった。そう伝えると、彼は「地図を送れば分かると思ってた」と言い、それから「ごめん」と続けました。

優しさは、たぶん伝わる形にして初めて届くのだと思います。次に同じことがあったら、道順より先に理由を教えてほしい。そう言えたことで、私も彼の気遣いを受け取り直せた気がしました。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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