1. トップ
  2. 同居をもちかけてきたゲーム内の恋人。リアルで会ってみると人気の女性俳優だった! 40歳で孤独になった女性の新たな人生と恋を描いた物語【書評】

同居をもちかけてきたゲーム内の恋人。リアルで会ってみると人気の女性俳優だった! 40歳で孤独になった女性の新たな人生と恋を描いた物語【書評】

  • 2026.7.5

【漫画】本編を読む

人生が大きく変わるきっかけは、いつどこからやってくるかわからないものだ。『星の体温、巡る夢』(sono.N/KADOKAWA)は、孤独を抱えたふたりの女性が少しずつ距離を縮めていく恋愛物語だ。

主人公の夢子は、14歳のときに事故で両親と祖父を亡くし、そのとき半身不随となった祖母の介護をしながら生きてきた。そして40歳の誕生日に祖母が亡くなったことで天涯孤独となった女性である。介護中心だった生活、派遣社員という彼女にとって心の支えだったのが、オンラインゲーム内でできた恋人・シエラだけだった。

ひとりになりこれからのことを考えていた矢先、夢子はリアルでは会ったことのないシエラから同居を持ちかけられる。戸惑いながらも夢子がシエラの家を訪ねると、そこは立派なタワーマンション。さらに驚くことに、彼女の正体は誰もが知る29歳の人気俳優・星川栞だった。あまりに現実離れした出来事に困惑する夢子だったが、栞から「現実でも一緒にいたい」と涙ながらに思いを伝えられ、自立して仕事を見つけるまでの期間限定という条件で、ふたりの同居生活が始まる。

ゲーム内では心を通わせていたふたりだったが、現実では思うように距離を縮められないのがもどかしい。夢子は「ゲームと現実は別のもの」と考えており、栞のことを本人の前ではっきり「他人」と言ってしまう。一方の栞は、ゲーム内と変わることなく現実でも夢子を特別に思っている。その温度差によって生まれたすれ違いが切ない。

特に、栞があらためて夢子へ思いを伝える場面では、夢子は「40歳の自分には何もない」と言って一度は栞を拒絶してしまう。だがそれでも栞は「私と一緒にその何かを探してみませんか」と、優しく手を差し伸べ、止まっていた夢子の時間が少しずつ動き始める。

年齢も立場も違うが、孤独という共通点があるふたり。互いに支え合いながら生きていくことを決めた彼女たちがこれからどんな未来を選んでいくのか、ぜひその目で確かめてほしい。

文=つぼ子

元記事で読む
の記事をもっとみる