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噛み合わない会話と、終始ローテンションな空気にハマる! 驚くほど盛りあがらないデートをするふたりから目が離せなくなるじわじわラブコメ【書評】

  • 2026.7.4

【漫画】本編を読む

『盛りあがらないデート』(すずゆき/連載:GANMA!/単行本:KADOKAWA)は、タイトルそのままのラブコメだ。マッチングアプリで出会った男女の、ことごとく盛りあがらないデートが繰り広げられるのに、不思議と読む手が止まらなくなる作品だ。

主人公の灰田は、嫌なことが重なったことで、ヤケクソでマッチングアプリに登録した「不幸体質」の女性。一方の黒井も、推しが結婚して引退したショックで灰田と同様にヤケクソでマッチングアプリに登録。そんな後ろ向き同士がマッチングしてしまうところから物語がスタートする。

当然のように初デートも盛りあがらない。会話は淡々としているし、互いのリアクションも薄い。さらに水族館に行っても不運なトラブルが続いてしまう。普通なら「相性が悪い」の一言で片付けられてしまい、二度と会うことはない気まずさ満点の初デートだ。

ドキドキするような出来事やセリフがなく、淡々とした空気がこの作品の最大の魅力である。シュールな間と薄いリアクションのやり取りが独特のテンポを生み出している。

とはいえ、そんなシュールギャグ要素のなかに、育まれていくふたりの恋心に胸キュンする瞬間も隠れている。デートの帰り道に灰田はこれっきりと思うのだが、またデートの約束をしてしまっている。その流れを見ていると、ふたりは結構、波長が合っているかもしれないと思わせる。

全然盛りあがらないふたりに最初は「このふたり大丈夫か?」と思うのだが、気がつくと「また会ってほしい」と期待して、読み手は大いに盛りあがる。1巻を読み終えると、灰田と黒井のやり取りにすっかりハマっていることだろう。

終始ローテンションで展開する本作はシュールネタを展開する夫婦漫才を見ているようで、そんな方向性のお笑い好きな人には特におすすめしたい作品だ。

文=つぼ子

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