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「また1話で退場なの」「リブートじゃん」初回放送から“行方不明”の主要キャスト、日曜劇場を彷彿させた新・TBS金曜ドラマ

  • 2026.7.16
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金曜ドラマ『Tシャツが乾くまで』第1話より(C)TBS

近年、注目のドラマ脚本家として名前が挙がる生方美久。『silent』や『海のはじまり』などフジテレビ系列のテレビドラマでその実力を発揮してきた彼女が、今夏、初めてTBSのドラマのために書き下ろした新作が『Tシャツが乾くまで』だ。
しかも、演出を担当するのは映画『花束みたいな恋をした』やドラマ『カルテット』『逃げるは恥だが役に立つ』など、TBSの数々のドラマを演出してきた土井裕泰。ベテラン演出家と新世代の脚本家のタッグということで、放送前から注目が集まっていた。

さらに、主演は民放ドラマ主演としては18年ぶりとなる蒼井優。共演には松山ケンイチや夏帆、中島歩が揃い、どんな作品になるのか期待が寄せられていた。
放送前にはその内容の多くが伏せられていた本作。7月10日に第1話の放送を迎え、その安定した演出力と巧みな脚本展開で、スリリングな人間関係と愛憎が交錯する恋愛ドラマになりそうな予感がする幕開けとなった。SNSでも、「今年を代表する1本」「鳥肌が立った」といった絶賛の声も聞こえている。

コインランドリーで告げられる衝撃の告白

第1話の前半では、仲睦まじい2組の夫婦の日常生活が描写される。瀬尾咲子(蒼井優)は夫の充(松山ケンイチ)と2人暮らし。家事を当番制にせずとも、すすんで食事の用意も洗濯もしてくれる気の利く夫を、咲子は何の疑いもなく愛している。2人を悩ませるのは、乾燥機が不調で洗濯物が乾きにくいことぐらいだ。
もう1組は、園田樹生(中島歩)とあずさ(夏帆)の夫婦。5歳になる息子を持つ園田家の朝は、子どもを保育園へと送るためにいつもあわただしいが、それも幸せな光景だ。

ある日、充は仕事の休みの日に出かけてくると言い、家を出る。同じ日に、あずさもまた出かけていた。そして、残された咲子と樹生のもとに届いたのは、バスの事故にパートナーが巻き込まれたという衝撃の知らせだった。
あずさは死亡が確認され、充は行方不明となっていた。突然、大切な人を失った咲子と樹生は、共通の境遇から支え合おうとするが、樹生の口から衝撃の事実が告げられる。
「あなたの夫、僕の妻と不倫してましたよね?」
夫のことを信じ切っていた咲子にとっては寝耳に水の話。果たして、いなくなった2人は本当に不倫をしていたのか、そして、残された2人の関係はこれからどうなっていくのか、これ以上ないほどに続きが気になる第1話の幕引きだった。

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金曜ドラマ『Tシャツが乾くまで』第1話より(C)TBS

タイトルの『Tシャツが乾くまで』が示唆する通り、本作は洗濯物を乾かすとき、誰かが出会い、物語が動いていく。自宅の乾燥機の調子が悪いからと向かった近所のコインランドリーで、咲子は樹生に初めて遭遇する。そして、どうやら充とあずさが出会ったのも同じコインランドリーだったようだ。

さらに、事故直後に咲子と樹生が泊まったホテルのコインランドリーでも、2人は遭遇する。乾燥機のフィルターにかけたしゃれたセリフも登場する。充のことを信じ切って、素敵な話ばかりをする咲子に対して、樹生が「好きな人フィルターでしたっけ、掃除した方がいいですよ」と冷たく言い放つ場面だ。

またこのタイトルは、夫と妻がいなくなって、悲しみの涙がまだ乾かない2人の心を象徴するようでもある。心の涙を乾かしたくても、なかなか乾かない――そんな状態で展開していく物語と言えるだろう。

松山ケンイチの1話での“退場”に既視感?

この複雑な人間関係を体現するのは、蒼井優をはじめとする芸達者な役者陣だ。18年ぶりのドラマ主演となる蒼井は、最近ではNetflixのオリジナルドラマ『ガス人間』でも強烈な印象を残していたが、本作では夫の隠された秘密を突きつけられ、とまどう等身大の女性を演じている。夫の良いところをてらいなく語る咲子には、夫を疑うところが一片もない。その純粋さが崩れていくとき、彼女はどうなっていくのか。今後の変化を蒼井優がどう演じるのか、注目だ。

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金曜ドラマ『Tシャツが乾くまで』第1話より(C)TBS

また咲子の夫・充を演じる松山ケンイチが第1話で物語から姿を消したことは、「また1話で退場なの」「リブートじゃん」など、今年話題になったドラマ『リブート』のようだとSNSで話題になっている。あとで鈴木亮平の姿で再登場するのではとコメントする人がかなり多い。これは、夏帆演じるあずさの死亡が確定しているのに対し、充のほうは行方不明という宙ぶらりんの状態であることも関係しているだろう。しかし、この行方不明という状態は、今後の展開でもキーポイントになりそうな予感がする。

また、樹生を演じるのが中島歩であるのも、キャスティングとして面白いポイントだ。一見誠実そうだが、実は裏の一面があるという役柄を演じると抜群にはまる中島歩だからこそ、1話の最後の「あなたの夫、僕の妻と不倫してましたよね?」という告白が説得力を持って響いてくる。この中島歩の一言に鳥肌が立ったというコメントが、SNSで数多く寄せられている。

総じて、第1話を見た視聴者からは、驚きと、今後の展開がどうなるのか気になるというコメントが数多く寄せられている。それもそのはず、巧みな脚本と抑制のきいた見事な演出、そして役者の素晴らしい芝居がハイレベルで三拍子そろった作品は、そうそうない。今年を代表する1本になる予感がする、第1話の完成度だった。


TBS系 金曜ドラマ『Tシャツが乾くまで』毎週金曜よる10時〜

ライター:杉本穂高
映画ライター。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。X(旧Twitter):@Hotakasugi

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