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「タサキ」の“バランス”ピアスは少し手ごわそうな人生の先輩|40代までにそろえたい名品

  • 2026.6.24
Pepper

いつの間にか「リアス式海岸」が「リアス海岸」になっていた。日本史で習った「竪穴式住居」も「竪穴住居」に表記が変わっていた。

こうやって、知らないうちに変わっているものは意外と多いけれど、変わる瞬間を目にすることはほとんどない。ただ、「タサキ」の“バランス”が発売され、パールジュエリーの概念が一変したあの瞬間を除いては。

それは衝撃的だった。ゴールドのバーの上にあこや真珠が5つ並んだデザインは、これまで誰も思いつかなかったのが不思議なくらいシンプルなのに、究極にミニマルでモダンだった。丸と直線の組み合わせがこんなにも強烈な個性を生み出すなんて。これまでのパールジュエリーはあくまでパールが主役だったけれど、「バランス」はパールをひとつの素材、形ととらえ、自由な発想でパールジュエリーの価値観を更新してしまった。

“バランス プラス”イヤリング/pepperさん私物 Pepper

子どもの頃から身近な宝石だったパールに、私は特別な親しみを感じていた。顔も体形も典型的な日本人の自分に、海外ブランドの服や靴は背伸びしている感覚があったけれど、パールの有機的でどこか湿度を帯びた質感は、髪や肌の色に違和感なくなじんで見えた。

自分の得意分野であるパール界に突如現れた新星“バランス”を、なんとしても手に入れたい。顔回りを一気に更新してくれそうなピアスに狙いを定めたものの、30歳になったばかりの自分には10万円超のジュエリーを買うことは非現実的で、とうてい叶わない夢のように思えた。

いつか欲しいと思い続けて10数年、次男が七五三を迎えるタイミングで記念になるものを買おうと考えていた私は、“バランス”のことを思い出した。次男が5歳で“バランス”のパールは5個……つながった! 両耳でパールは10個だけど、そこは気にしないことにして、とうとう念願の“バランス”を迎えいれた。

10年越しの想いが叶った喜びをかみしめながらピアスを着け、鏡を見た次の瞬間、私はがくぜんとした。 まるで昔の雑な合成画像のように顔とピアスがちぐはぐだった。“バランス”の品格と存在感に顔がまったく追いついていない。パール5個が「ニ・ア・ワ・ナ・イ」のサインを発しているように見えた。ブティックで耳にあてたときに似合っていると思ったのは、私の願望が見せた夢?

しかし、返品するわけにもいかないし、手放すとしてもずっと恋い焦がれてきたピアスにつらい思い出を抱きたくない。ここから試行錯誤の日々が始まった。髪で隠れるように着けて強さを中和したり、メイク方法を見直して意志のある表情を目指したり、“バランス”に見合う女性になりたいと必死にもがき続けた。

あれから5年が過ぎ、気づけば“バランス”との距離は縮まっていた。だけど、着ける日はいつも姿勢を正して鏡に向き合う。髪は毛先までアイロンでつやを出し、色を最小限に抑えた素肌感のあるメイクに丁寧にアイラインをひく。そして、素材は上質だけどリラックスムードのあるカジュアルな服に、あえて“バランス”を添える。これが、私が考えた“バランス”の日の自分だけのバランスだ。

背伸びして手に入れたジュエリーは、自分を映す鏡であり、同時に次のステージに引き上げてくれる「人生の先輩」だ。厳しい拒絶に動揺しながらも追いつこうともがく過程そのものが、私を少しずつ成長させてくれた。 ようやく背中が見えてきた“バランス”様とのこれからが、今は楽しみで仕方がない。

Hearst Owned
ピアス“デインジャートライブ”(18KWG×淡水真珠)¥400,400/タサキ TASAKI

食虫植物をイメージした“デインジャートライブ”は、かれんさとどう猛さという相反する要素を感じる。モノトーンの服にジュエリーはこれひとつだけ。もしそんな女性を見かけたら、きっと忘れられない。

ピアス“アルルカン”(18KYG×淡水真珠)¥128,700/タサキ TASAKI

フランス語で「道化師」を表す名前のとおり、パールがゴールドの仮面を着けたようなデザインは横顔に知性とモード感を添えてくれる。パールピアスデビューにおすすめしたい。

“バランス シグネチャー ブラック リング”(18KYG×南洋真珠 黒蝶)¥738,100/タサキ TASAKI

しのびよる老化を感じて、がくぜんとすることがある。だけど、シワシワで血管の浮き出た手にこのリングがあったらどうだろう。こんな黒蝶パールを軽やかに着けこなせるなら、歳を重ねるのはご褒美かもしれない。

Hearst Owned
AYA KAWACHI

pepper/都内で働く40代の会社員で、2人の男の子の母。インスタグラムにつづる、懐かしのフレーズとユーモアを交えたファッションへの愛に魅了されるファンが多数。ジュエリー選びの虎の巻が詰まった著書『わたしのジュエリー365日』(CEメディアハウス)も話題に。2024年7月よりELLE STYLE INSIDERとしても活躍中。

問い合わせ先/タサキ 0120-111-446

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