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呼んでも来ないのに猫缶には反応! 気まぐれな猫との小さな攻防が楽しい、猫コミックエッセイ【書評】

  • 2026.6.24

【漫画】本編を読む

猫を飼っている人ならば、誰もが知っているように、私たち飼い主と猫との間にはいつだってささやかな戦いがある。私たちが猫と遊びたい時は、猫は迷惑そうな態度なのに、逆に人間が忙しい時ほど、彼らは“かまって攻撃”をしかけてくる。 『拾い猫のモチャ』(にごたろ/KADOKAWA)は、猫と暮らす中で起こるそんな小さな攻防を、やさしい筆致で描いたコミックエッセイだ。

モチャは自由気ままだ。たとえば、飼い主がモチャの名前を呼んでも、モチャは返事をするだけで姿を見せようとはしない。しっぽだけは見えるのに、こちらに来る気配は皆無。そこで飼い主が使うのは、猫缶という“奥の手”。缶を手にした瞬間、モチャは顔をのぞかせ、さっきまでのそっけなさが嘘のように反応する。

さらに、不思議なのは「見えないと燃える」モチャの姿だ。モチャは飼い主が目の前で指をヒコヒコ動かしても無反応。それどころか顔を背けて相手になんてしてくれないが、飼い主がタオルの下に手を隠して指を動かしてみれば、それをガシッと捕まえようとする。

猫の心は難しい。どうすれば、猫に相手にしてもらえるか。どうすれば、人間たちが忙しいときに邪魔をされないか。猫と暮らしていると、その答えをつい見つけたくなる。だが、複雑な猫の心がそう簡単にわかるはずがない。そのわからなさこそが、猫という存在そのものなのだろう。そして、だからこそ私たちは、猫という存在にこんなにも惹かれ続けるに違いないのだ。

文=アサトーミナミ

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