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余命半年だから、初恋の人と付き合いたい!? 不倫容認というクズすぎる「最期の願い」を振りかざし暴走する夫に、妻が選んだ道は?【書評】

  • 2026.6.23

【漫画】本編を読む

「余命わずかだから」「最期のお願いだから」。そんな言葉を突きつけられたときあなたはどうするだろうか。『余命宣告不倫 純愛ぶってるけど、それただの浮気だから』(ミロチ/KADOKAWA)は、自分が「かわいそうな人」であることを盾に耳を疑うようなことを申し出てきた夫と、妻の葛藤を描いた物語だ。

主人公の葵は、夫の颯太から突然「自分は余命半年」と告げられる。さらに彼は、自分が昔から憧れていた初恋相手と付き合いたいと言い出してきた。「人生最期の願い」という言葉に葵は揺れるのだが、愛する夫の願いを叶えてあげたい気持ちの一方で、どう考えても不倫であり納得することはできなかった。

悩み抜いた末に、葵は「3カ月限定」という条件でその願いを受け入れる。しかしそこから始まるのは、悲しく美しい純愛物語ではなかった。颯太は次第に不倫相手との関係に溺れ、家族への配慮がなくなっていく。浪費は増え、言動は横暴になり、葵の心の傷や苦しみには目も向けない。「どうせ自分は死ぬから」という開き直った颯太の態度には怒りがこみ上げてくる。

「わずかな余命」という設定は「残された時間を大切に生きる」という切なくて美しい人間ドラマを想像するかもしれないが、本作は人間の弱さと欲深さを容赦なく描いていく。

そのなかで読み手の感情を強く引っ張るのはやはり葵だ。迷い、怒りながらも夫を見捨てきれず、「病人だから」と自分の気持ちを押し込める。理不尽とわかっていても相手を優先する人間らしい弱さと優しさによって、簡単に割り切れない彼女の姿が最大の読みどころだ。

「純愛ぶってるけど、それただの浮気だから」――まさにその通りで、どんな形や理由であっても不倫は決して許されるものではない。果たして葵はどんな選択をするのか、ぜひその目で確かめてほしい。

文=ちゃむ

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