1. トップ
  2. エピソード
  3. 座席アンケートで私だけ彼の隣に入れない。何度やり直しても席が動いてしまい、避けられていると思った話

座席アンケートで私だけ彼の隣に入れない。何度やり直しても席が動いてしまい、避けられていると思った話

  • 2026.6.17
ハウコレ

スマホの画面に、サークルのグループチャットの通知が並んでいました。次の旅行の席を決めるアンケートです。私は彼の隣に座れたらいいなと、軽い気持ちで名前を入れようとしました。ところが、その小さな希望が、思いがけず私を悩ませることになったのです。

みんなが次々と決めていく座席

幹事から「バス旅行の席、このアンケートで決めましょう。好きなところに名前を入れてくださいね」とメッセージが届きました。

チャットの画面には、バスの座席表を模したアンケートが貼られていて、すでに何人かが名前を入れ始めています。仲のいい人同士が、当たり前のように隣を選んでいきました。

私が座りたいと思ったのは、いつも話していて居心地のいい、彼の隣の席でした。深い意味はなく、ただ一緒にいられたら楽しいだろうな、それくらいの気持ちです。私はそっと、彼の隣のマスに自分の名前を入れようとしました。

何度やり直しても入れない、隣の席

ところが、私が彼の隣に名前を入れると、ほどなく彼の席がすっと別のマスへ移ってしまいました。あらためて移った先の隣に名前を入れ直しても、また彼の席が動いてしまう。一度ではありません。二度、三度と追いかけても、彼の隣にだけは、どうしても私の名前が並ばないのです。

ほかのみんなはすんなりと席が決まっていくのに、私だけが取り残されているようでした。もしかして、避けられているのかもしれない。私と隣になりたくなくて、わざと動いているのではないか。考えれば考えるほど、不安が膨らんでいきました。

アンケートをやめて、直接送った言葉

このまま黙って諦めてしまえば、きっとモヤモヤを抱えたままになる。そう思った私は、思いきってアンケートの画面を閉じました。そして彼に、直接メッセージを送ったのです。

「アンケートだと、何度やっても隣に入れなくて…よかったら、バスでは隣に座ってもいいですか?」

送信したあとは、画面の文字を何度も読み返しました。重く思われないか、迷惑ではないか。返事を待つあいだ、いろいろな想像が頭を巡りました。

そして...

しばらくして、彼から返事が届きました。

「こちらこそ、ずっと隣に座りたかったんです」

その一言で、私の不安は溶けていきました。聞けば、彼は私の名前が隣に並ぶたびに照れてしまい、つい自分の席を動かしてしまっていたのだそうです。

避けられていたのではなく、むしろ反対だったのです。すれ違いの正体がわかると、思わず笑ってしまいました。

バスに乗り込むと、私たちは並んで同じ景色を眺めました。アンケートのマスでは決して並ばなかった隣の席に、今はちゃんと座れています。遠回りした分だけ、この距離が、うれしく感じられました。

(20代女性・大学生)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる