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『花とゆめ』を彩った人気作家3人が集結! 山田南平×日高万里×高尾滋「三人原画展 ~HAPPY Anniversary~」開催【潜入レポート】

  • 2026.6.16

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美しい水色の洋館で、『花とゆめ』を彩った3人の原画と再会する――。

少女漫画誌『花とゆめ』などで長年活躍してきた山田南平氏・日高万里氏・高尾滋氏の画業周年を記念した原画展『山田南平×日高万里×高尾滋 三人原画展 ~HAPPY Anniversary~』が7月7日(金)まで開催中だ。

普段から親交の深い3人。2025年に日高氏の画業30周年、2026年に高尾氏の30周年、山田氏の35周年を迎えることがグループLINEの中で話題になり、「何かできたらいいね」と話し合ったことが本展のきっかけだったそう。当時の詳しいエピソードは、白泉社のマンガアプリ「マンガPark」にて公開されているので、ぜひチェックしてほしい。

舞台は、世田谷区・豪徳寺の旧尾崎テオドラ邸。

会場となるのは、世田谷区・豪徳寺にある旧尾崎テオドラ邸。水色の美しい洋館だ。

2階に上がると、まず目に飛び込んでくるのは大きな垂れ幕。

今回のために描き下ろされたキャラクターたちが勢ぞろいし、3氏のサインも添えられている。

本展は3氏のカラーイラスト、生原稿など100点以上を展示。それぞれのデビュー作から展示されているので、「懐かしい……!」と思わず声が漏れるようなイラストや、読んだ当時のことが昨日のことのように蘇る名シーンの原稿が並ぶ。

それぞれのコーナーで色褪せぬ輝きとトキメキに出会う!

それぞれのコーナーをピックアップしてご紹介しよう。

山田氏のコーナーでは、未発表イラストを公開。

日高氏は『ひつじの涙』最終回のカラーイラストを展示。「告白が最終話でふたりがラブラブするようなシーンがなかったので、せめて最終回カラーでいい雰囲気に」というコメントが配布のパンフレットに添えられており、当時見ていたイラストに込められた思いを知ることができたことに感動。改めてほっこりした気持ちになった。

高尾氏は自身初の連載作品である『ディア マイン』の単行本第一巻の表紙をセレクト。25年前のイラストながら、色褪せぬ輝きとときめきを感じた。

グッズも充実! 限定スイーツも見逃せない。

また、本展は限定グッズも充実。複製原稿やランダム書影アクリルキーホルダーなど多彩なアイテムが販売されている。コラボカフェでは、限定スイーツも登場。

HAPPY Anniversary 〜3種のハーブ香るメロンパフェ〜※公式サイトより
HAPPY Anniversary 〜3種のハーブ香るメロンパフェ〜※公式サイトより

内覧会では特別にインタビューも行われた。その様子を一部公開する。

「どれを展示したら喜んでもらえるかな」と想像しながら選びました(日高)

ーー今回展示する作品を決めるために過去の原稿を振り返ったと思うのですが、どんなことを感じましたか?

山田:連載初期はカラーインクを使っていたのですが、思ったほど退色していなくて驚きました。鮮やかな色で見ていただけそうでよかったです。

日高:選定作業は過去を振り返り、自分自身と向き合う時間でしたね。どれを選んだらいいのか本当に難しくて。カラーイラストは「これなら髪の毛を丁寧に描き込んだから見て楽しいかな」とか考えたり、原画は初期の頃のツヤベタがきれいなものを選んだり……。「どれを展示したら喜んでもらえるかな」と想像しながら選びました。

選定はお互いに意見を出し合ったのですが、私は山田さんに『紅茶王子』の応援団のシーンの原稿をどうしても展示してほしかったんです。でも『やだ♡』と断られて(笑)。

高尾:(笑)そうそう。私はそのやり取りを横目で見ながら「日高さん頑張って!」と応援していました。結局4月くらいまで何度もお願いしましたよね。

山田:私としては、当時の等身バランスに納得がいっていなくて。あまり出したくなかったのですが、最終的には根負けしました(笑)。

高尾:私は普段、過去の作品をほぼ読み返さないんです、一年前のものですら嫌なくらいで。でも今回必要に駆られて読み返したら、意外と面白いなと。若い頃だからこその勢いみたいなものがあるんですよね。それに30年近く前の作品になると、他人の描いた作品みたいな感覚があって案外楽しく選びました。

山田:今度は私が紫信さんの背中の入れ墨が見たくて。「絶対入れて!」ってお願いしました(笑)。

高尾:紫信さんの入れ墨は、アシスタントさんがすべて点描で入れてくれたんです。「悟りを開きそう」と言っていたくらいの作業だったので(笑)、ぜひ見てもらいたいですね。

――この30年~35年の間でデジタル制作を取り入れて制作環境も大きく変わったと思います。昔のご自身の絵と今の絵を比べて変わっているところ、変わっていないところを教えて下さい。

山田:私はツヤベタがやっぱり捨てられないですね。

日高:・高尾:きれいだもんね!

3人のグループLINEが、今回の原画展の話に繋がった場所

山田:今はデジタルで簡単に表現できますが、手作業でやりたくなってしまいます。ただ絵にも流行があって、最近はツヤベタをまったく入れない、あるいは部分的にしか入れない書き方が主流なんです。私も意識的に減らしています。金髪線も今はあまり入れない人が多いのですが、入れちゃうなあ。

日高:本当にきれいだし、繊細だもんね。私はデジタルになってもアナログの頃も、とにかく丁寧に描く。そこが一番変わらないところだなと、今回久しぶりに生原稿をみて感じました。

山田:ほんとに綺麗。どうしたらあんなに細い線が描けるんだろうって思います。

高尾:四隅の処理もきれいだよね。私はむしろ、今の方がだいぶ丁寧になったなと思います(笑)。昔は原稿の扱いが雑なタイプで印刷には出ない部分に丸ペンの試し書きをしたり、おかしの汚れがついていたり……。担当さんに「あなたの原稿は汚すぎる」と言われたこともありました(笑)。タッチも今の方が丁寧になったなと思います。昔も荒く描いていたわけではなくて、そういう絵柄を好んで描いていたのですが、振り返ると勢いがあったなと思って。

――お話を聞いていると仲の良さがすごく伝わってきます。

山田:グループLINEができたきっかけも、制作環境の変化なんです。コロナ禍でオンライン作業をするために、デジタルソフトについて教え合うグループLINEを作ったんです。そのソフト自体私が日高さんにおすすめしたもので、そこに高尾さんも加わって。その後中華BLにハマって(笑)、今度は3人で中華BLを観ながらキャーキャー言うグループを作ったんだよね。

日高:そうそう。そのグループLINEが、今回の原画展の話に繋がった場所です。

山田×日高×高尾 グループLINEにいると「すごいことが起きる(笑)」

3人の仲の良さが垣間見えるグッズも多数
3人の仲の良さが垣間見えるグッズも多数

――お互い、「ふたりがいてよかったな」と思う瞬間はありますか?

山田:行き詰まったときに、担当編集さんやマネージャーとは違う切り口で相談できることですね。それから、日高さんは“おまけマンガの女王”なんです(笑)。販促用や巻末本用の描き下ろしについて、ネタが思いつかないときは「日高さん、何か考えてください」って(笑)。

日高:私が「このキャラのこういう話を読みたい」とかリクエストすると、採用してくださるんです。読みたいものが実現してすごく嬉しいです(笑)。私も落ち込んだ時、「ちょっと今へこみ中です」って送ると、作家同士だからこその言葉をもらえたりするので、本当にありがたいなあと感じています。

高尾:漫画を描くのって本当に孤独な作業なんですよね。時々同じ立場の人の話を聞くとやっぱりほっとするし、いい刺激にもなります。

日高:あとは情報共有。「こういうブラシあったよ」とか「こういうものが今話題だよ」とか。

山田:萌えの供給もね(笑)。私たち、好きなものがみんな違うんですよ。日高さんはK-POPアイドルに詳しいし、私はVTuber。中華BLは高尾さんが教えてくれました。

高尾:そうです、最初に大騒ぎしたのは私です(笑)。

山田:私は最初「何がそんなに面白いのかしら」と思っていたのですが一話を観たら「高尾さーん! いいねこれ‼」って(笑)。崖から落ちてバタバタしている人を上からのぞき込んでいたら、自分も落ちました(笑)。

日高:気づいたら、ふたりのコラボが生まれてたもんね。

高尾:そうやって、自分ひとりだったら絶対に出会えていなかったものに出会える(笑)。

日高:あのグループLINEにいると、すごいことが起こります(笑)

『山田南平×日高万里×高尾滋 三人原画展 ~HAPPY Anniversary~』は7月7日(金)まで開催中だ。『花とゆめ』を彩ってきた3人の軌跡をたどりながら、あの頃夢中になった作品の原画と再会できる貴重な機会。ファンはもちろん、少女漫画とともに青春を過ごした人も、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

取材・文=原智香 写真=島本絵梨佳

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