1. トップ
  2. タイ国王の長女パッチャラキッティヤパー王女、47歳で逝去

タイ国王の長女パッチャラキッティヤパー王女、47歳で逝去

  • 2026.6.12
Thai News Pix / Getty Images

タイ国王ラーマ10世の長女で、王位継承者候補と目されていたパッチャラキッティヤパー王女が、3年半の昏睡状態の後、6月11日(現地時間)にバンコクの病院で亡くなったと王室が発表した。47歳だった。

タイ王室によると、王女は6月11日午後7時48分、バンコクのチュラロンコン記念病院で息を引き取った。死因は腹部感染症による容体の悪化である。王女は2022年12月、愛犬との訓練中に重度の心臓疾患により意識を失って倒れて以来、昏睡状態が続いていた。王室は5月の時点で、王女が腹部の感染症により低血圧と不整脈を起こしていたことを発表していた。

パッチャラキッティヤパー王女。 ATHIT PERAWONGMETHA

1978年12月7日に生まれた王女は、国王と最初の妻で国王の従妹でもあるソムサワリー元妃の間に生まれた唯一の子どもだ。現在、国王は正式な後継者を指名しておらず、法改正により女性の即位も可能となっている。そうしたなか、王女は優れた実務能力や国王からの信頼の厚さから、一部の専門家や支持者の間でタイ初の女王候補としても注目されていた。それだけに、今回の逝去は今後の王位継承問題にも影響を与える可能性があるとみられている。

王女は英国のアスコットにある女子中等学校ヒースフィールド・スクールに通った後、タイに戻りタマサート大学で法学の学士号を取得。その後、コーネル大学ロースクールで修士号と博士号を取得して、帰国後はタイの検事総長府で副検事として活動していた。さらに外交官としてのキャリアも積んでおり、タイの国連常駐代表部に勤務したほか、オーストリア、スロバキア、スロベニアの大使に任命され、2012年から2014年までその職を務めた。

パッチャラキッティヤパー王女。 Ronald Zak

国連の女性機関や犯罪薬物局(UNODC)とも連携し、女性受刑者の処遇改善を目的とした国際基準「バンコク・ルールズ」の採択をリードしたほか、専門である法学の知見を活かし日本との間でも司法分野における国際交流に尽力。日本政府と国際連合が共同で設置した法務省管轄の「国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)」を訪問し、女性受刑者の処遇改善に関する特別講義を行うなど、実務を通じた交流実績も残している。

(写真左から)シリワンナワリー・ナリラタナ王女(2番目の妻との間に生まれた一人娘、)、ディパンコーン・ラスミジョティ王子(3番目の妻との間に生まれた末息子)、パッチャラキッティヤパー王女、国王、現妻スティダー王妃 SOPA Images / Getty Images

王女は国民から「パ王女(Princess Pa / Bha)」の愛称で広く親しまれ、高い人気を集めていた。国内ではボランティア組織やタイ赤十字社での活動を率いたほか、2021年には国王警護部隊の司令部幹部にも任命されていた。2022年に入院してからも、チュラロンコン記念病院のロビーには多くの支持者が集まり、王女の写真を掲げて快復を祈る姿が見られた。遺体はバンコクのグランドパレス(大宮殿)内のピマン・ラッタヤ玉座殿に安置されており、王室の伝統に則り、最高位の栄誉をもって葬儀が執り行われる予定だ。

元記事で読む
の記事をもっとみる