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【戸田恵梨香】インタビュー 「シンプルにお母さんをしています。仕事だけではなく、家族と時間を過ごせることが特別だと思っているので、この時間をすごく大事にしたい」

  • 2026.6.10

今回、InRedのカバーへご登場いただいた際に着用した、存在感のあるスタイリングと共鳴するように、俳優・戸田恵梨香さんはそれらを自然体で着こなしていく。その所作に迷いはなくて、強く、美しい。けれどカメラを離れたあと、ふとこぼれる人柄は朗らか。日々の幸せについてたずねると、返ってきたのは飾り気のない日常だった。

PROFILE
とだ・えりか/1988年8月17日生まれ、兵庫県出身。主な出演作にドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君と』、NHK連続テレビ小説「スカーレット」、ドラマ「リブート」、映画『母性』などがある。2025年、GUCCIのブランドアンバサダーに就任。

日常生活そのものが特別で、ずっと求めていた幸せ

「シンプルにお母さんをしています。仕事とは違って、完璧を目指しすぎることもありません。それを目指してしまうと、自分が削れてしまうというのをわかっていたので、頑張るけれど無理はしないように。子どもが食べ物や飲み物をあちこちにこぼしても、全然イラッともしないんです。『子どもは、そうだよね』と心から思っていますし、そのまま受け入れるだけ。最近はおむつ交換ひとつするにも、子どもに『そろそろ交換したら?』と時間をかけて交渉することもあります(笑)。そんなやりとりも今しかない豊かな時間だな、と思って。手間だとか早く終わってほしいではなく、あっという間に過ぎ去ってしまう今を味わっておきたいという感覚。貴重なおむつ姿を目に焼きつけています」

その言葉の通り、今の戸田さんにとっての豊かさや喜びは何気ない生活の中にある。

「日常生活を過ごすことそのものがすごく幸せです。10代から仕事をしてきた中で、私が本当にほっしていたのはこれでした。ただ散歩をしたり、家族みんなで顔を揃えてご飯を食べて、『おいしいね』と言い合う。私は仕事だけではなく、家族と時間を過ごせることが特別だと思っているので、この時間をすごく大事にしたいです」

どんなに誇らしいものでも、「過去」にはすがれない

一方で、仕事への向き合い方は驚くほどストイック。欲しいものや叶えたいことに対してのスタンスも、仕事となると一変する。

「単純な物欲に関しては、本当にほしいかどうかをすごく考えるタイプ。洋服でもなんでも、自分にとって価値があるか吟味して選んでいきたい。人間関係でも、自分の欲求で誰かが犠牲になるくらいだったら引いてしまうほう。でも、仕事だけはすごく貪欲です。自分が面白いと思える作品に参加したいし、台本を超えてみせる、というプライドもあります。そこに対する妥協は一切したくないです。面白い作品にしたい、という欲はすごく強いと思います。さらに現実的なことをいえば、常に老後の心配をしています(笑)。この世界がどう転んだとしても、自分の足で立っていられる状態でいたい。そのための準備はずっとしてきたつもりです。ありがたいことに、代表作と呼べる作品に出会えて、誇りに思える仕事もある。それがどんなに誇らしくても、〝終わった瞬間には過去になる〟もの。だから過去に寄りかかることはできない。時間は常に前にしか流れていかないので、その流れの中で、自然と次のことを考え続けている気がします」

Model=Erika Toda
Photograph=Masashi Ikuta (hannah management)
Styling=Rena Senba
Hair=Keita (AVGVST)
Make-up=Haruka Tazaki
Interview & Text=Hazuki Nagamine

※InRed2026年6月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください。

この記事を書いた人

長嶺葉月

ファッションや美容、ライフスタイルを切り口とした著名人へのインタビューで数々のファッション誌を中心に活躍。3度の飯と同じくらいネコが好き。

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