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《ターコイズブルーの海に囲まれた楽園》ハネムーナーの憧れの地、世界遺産…人気の島が点在する「ソシエテ諸島」の旅

  • 2026.5.30

#339 Society Islands(フランス領 ポリネシア)

ポール ゴーギャン クルーズの旅は、平坦なツアモツ諸島から打って変わって起伏の激しい火山島の島々のソシエテ諸島へ。ハネムーナー憧れのボラボラ島、世界遺産のライアテア島など、“タヒチ・オールスターズ”と呼びたい人気の島々をめぐります。タハア島では無人島を貸し切りにしてビーチパーティーを楽しむ機会も!


最もポリネシアらしいフアヒネ島をEバイクでサイクリング

前回ご紹介したツアモツ諸島でタヒチの深部に触れた後、ソシエテ諸島へと針路を取ったポール ゴーギャン クルーズ。人気の島々が点在するこの海域で、最初の寄港地となったのはフアヒネ島です。

船はタヒチ語で“女性”が語源になっているフアヒネ島へ。ツーリストを包み込む、やさしさと神秘性を感じます。

大きなフアヒネ・ヌイと小さなフアヒネ・イティ、2つの島が合体したフアヒネ島。緑に包まれ、色とりどりのハイビスカスが咲き、ブレッドフルーツやアボカドなどがたわわに実る島の風景は、“どこよりもポリネシアらしい島”と称されるのも納得です。島には昔ながらの習慣が息づき、古代の祭祀場である“マラエ”も数多く残されています。諸説ありますが、古代ポリネシア人がサーフィンをこの島からハワイへもたらしたとされており、サーフィンの発祥の地とも言われています。

島は熱帯の植物や木々が繁茂。緑に包まれた暮らしぶりがうかがえます。
島のあちこちに“マラエ”と呼ばれる祭壇が点在しています。

そんなフアヒネ島で体験したのは、Eバイクでのフアヒネ・イティ一周サイクリング。2つの島を合わせても30キロメートル、しかも電力のサポートがあるEバイク、楽勝でしょうと思っていたけれど……。Eバイクのアシスト能力よりも起伏が激しく、なかなかハード。それでも、海辺のマラエに立ち寄り、高台から美しいラグーンを見下ろし、「ホテル・ル・マハナ」でリゾート気分を味わうなど、島をダイジェスト的に満喫できました。あちこちの島をつまみ食いのように体験できるのも、クルーズならではの楽しみです。

平坦な道は景色を楽しむ余裕があるけれど、坂道になるとなかなかハードなフアヒネ島のサイクリング。
道路脇のスペースに自転車を停めて、リーフを見下ろしながらひと休み。曇り空でもこの美しさ。

ポリネシア最高神による傑作ボラボラ島の象徴、オテマヌ山を見上げて

翌日に訪れたのは、ハネムーナーから羨望を集めるボラボラ島。ポリネシアの最高神の傑作とされる島は、中央にオテマヌ山とパヒア山がそびえ、それを囲むように沖合にモツ(小さな島々)が点在しています。こうした地形は300万~400万年前の火山の名残だそう。この地形を活かして、いくつかのモツにはラグジュアリーリゾートが築かれ、ゲストはターコイズブルーの海に囲まれた、エクスクルーシブな楽園の日々を過ごしています。

島とラグーンが完璧なハーモニーを描くボラボラ島。©タヒチ観光局_Le Bacon Tahiti Nui Helicopters

ポール ゴーギャン クルーズでは中心地である本島のヴァイタペ沖に2日間停泊。テンダーボートがボラボラ島と本船とを行き来し、ゲストを運びます。

ボラボラ本島の中心地ヴァイタペ。愛らしいサン・ピエール=セレスティン教会の背後にはオテマヌ山。

まずは、島一周のバスツアーに参加しました。カラフルなバスに乗り込み、パレオ染めの工房に立ち寄り、ボラボラ島随一のロングビーチのマティラ岬へも。車内ではガイドさんが島に伝わる神話やオテマヌ山について説明をしてくれます。

話に耳を傾けながら、車窓の向こうにそびえるオテマヌ山を見上げるたびに、その崇高な姿に感動。見る角度によって印象の変わるオテマヌ山ゆえ、一周すれば自分が好きな角度を見つけられるでしょう。

パレオの工房へ訪問。パレオの巻き方講座も開催されました。
レストランのブラッディメアリーズが新たなリゾートを建設中でした。ここからのオテマヌ山の眺めが、わたしの好みです。

また、ポール ゴーギャン クルーズではビーチで過ごしたいゲストのために、モツのひとつを貸し切りにしています。モツではモーター付きのSUPやシーカヤックなどが用意され、ドリンクコーナーも。至れり尽くせりです。

モツのひとつをゲストに開放。マリンスポーツの用意も。

世界遺産・海辺に広がる古代祭壇に訪問。ポリネシアはじまりの地、ライアテア島

ライアテア島では本船は沖合に停泊するのではなく、中心地ウツロアに接岸しました。上陸してまず驚いたのが、スーパーのカルフールを見つけたこと。このクルーズで訪れてきた島の中ではどこよりも都会です。

ファアロア展望台から望む、山並み。ポリネシアはじまりの地にふさわしい壮観な眺め。

けれども中心部を少し離れれば、雄大な緑の山並みが連なり、熱帯の花々に彩られた天国の庭のような景色が広がります。ここはかつて“ハヴァイイ”と呼ばれた、神々が生まれた地。そしてポリネシア・トライアングル(ハワイ、ニュージーランド、イースター島を結ぶ海域)で最初に人類が住み着いた地でもあります。

そんな聖なる島ゆえ、島内にはマラエや岩面彫刻など古代遺跡が数多く残されています。なかでも戦いと豊穣の神オロのために造られたマラエ「タプタプアテア」は特別。生者の世界と先祖や神々が暮らす世界が交わる地点であり、ポリネシア全域において宗教と政治の中心地でもありました。ユネスコ世界遺産でもあります。

世界遺産の「タプタプアテア」。タヒチで最も規模が大きく、神聖なマラエ(写真提供/タヒチ観光局)。

タプタプアテアは7世紀頃から建造が始まり、14~18世紀に隆盛を極め、海辺の広大な芝生エリアにゆったりと点在しています。丸みをおびた火山岩を敷き詰め、サンゴを積み重ねた広場を前にすると、当時、戦士や高僧たちが行き交っていた光景が目に浮かんできます。時折、静寂を破るニワトリの鳴き声は、もしかしたらその頃と変わらない響きなのかもしれません。

ところで、ウツロアのマーケット2階でフランス語が通じずに困っていたところ、タヒチアンが助け舟に呼んできたのが、なんとライアテア在住の日本人の喜納久恵さん。久恵さんは2017年にフランスからバックパックを背負ってこの島へやってきて、ハイビスカスの品種改良に取り組むご主人と出会ったそうです。久恵さんはマーケットの2階でココナッツとタマヌオイルの手作りソープを販売しているので、ライアテアを訪ねる機会があったら、ぜひ立ち寄ってみてください。

喜納久恵さん。民宿を計画中とのことだから、泊まりに行かなくては! 久恵さん手作りのソープ(右)。マーケットでは島民のための生活必需品のみならず、ツーリスト向けのお土産品も。

タハア島の沖合のモツでビーチパーティー!

続くタハア島は、ライアテア島の北にちょこんと浮かぶ姉妹島。名産のバニラや黒真珠で知られる、ハイビスカスのような形をした島です。

ここでは、ラグーン内に浮かぶモツ・マハナを貸し切って、ビーチパーティーが開かれました。準備にあたるスタッフたちもどこか楽しげ。顔なじみのスタッフからは「お土産の屋台も出るから、お財布を忘れずに、ね」とのアドバイスも。期待が高まります。

モツ・マハナの桟橋では陽気な演奏でお出迎え(左)、浅瀬にカクテルバーが登場(右)。

最初のテンダーボートでモツ・マハナに向かうと、桟橋で待っていたのはウクレレをかき鳴らすゴギンズとゴーギャンズと呼ばれるタヒチアンのスタッフ。陽気な音楽に迎えられ、丸ごとのココナッツジュースが手渡されます。島には波打ち際にビーチベッドがずらりと並び、中央にはバーカウンターが設けられ、黒真珠やパレオを並べた屋台も。

開放感バツグンの水上スパ。サラウンドでさざなみに包まれ、至福のトリートメントが受けられそう。

気に入った場所に腰を落ちつけたら、バーでドリンクを受け取り、まずは美しいラグーンをひたすら眺める贅沢な時間。気が向いたら、ラグーンでひと泳ぎ、またはスノーケリング。そしてふたたびバーでドリンクを調達。何杯お代わりをしても、クルーズ代金に含まれているから、お財布のことは気にする必要がありません。周囲では、ビーチバレーに興じるグループもあれば、SUPやシーカヤックでアクティブに過ごすカップルもいて、みな思い思いの時間を過ごしています。

ランチの後はスタッフによるパレオの巻き方教室やココナッツの割り方の実演も。ヤシの木陰で南の島のライフハック講座を見ていると、布切れ一枚、ヤシの木1本があれば、南の島ではサバイブできそうです。

ただパレオをバスタオルのようにカラダに巻くだけではなく、結び目などでアクセントを利かせたおしゃれな巻き方を伝授。

最後の訪問島、モーレア島でタヒチの素顔にほっこり

今回の船旅の最後の寄港地は、タヒチ島から目視できる近さのモーレア島。周囲60キロメートルの大きな島に1,000メートル級の8つの高峰がギザギザと天を突き、ゴーギャンが「古城のようだ」と評した、ドラマティックな印象の島です。

オプノフ湾に停泊するル ポール ゴーギャン。絵になります。

モーレア島では自分でドライブをしようと考えていましたが、レンタカーも自転車もすでにソールドアウト。途方に暮れていたところ、「あと一人で締め切りまーす」と声を張り上げる地元旅行会社の4WDツアーを発見し、飛び入りで参加することにしました。

ドライバー兼ガイドによると、モーレア島は火山活動によって誕生した島。火山岩が長い年月をかけて風化し、ミネラルを豊富に含む肥沃な土壌を育んだことで、パイナップル栽培をはじめとする農業が盛んになったそうです。

最初に向かったのは、モーレア島を代表する景勝地、ベルベデール展望台。ここからは、島の中央部にあった火山が崩壊してできたカルデラ地形によって生まれた、クック湾とオプノフ湾の2つの湾を一望できます。

ベルべデール展望台からの眺め。オプノフ湾とクック湾をひとつの写真に収めたいところですが、肉眼では見えてもカメラでは難しい……。

続いて、パイナップル畑を見学した後、フルーツジュース工場「マヌテア・タヒチ」へ。パイナップルジュースやラム酒の試飲をして、ほろ酔いのゴキゲン状態。4WDツアーではモーレアの代表的なスポットを回ることができました。

ツアーを終えた後も、ここが最後の寄港地だけに名残惜しく、船の出港まで島を歩いて巡ることにしました。車ではなく、自分の足で歩いていると、地元の暮らしが自然と垣間見えてきます。

家族総出でラグーンに浸かりながら魚をさばく漁師一家。フルーツをスタンドに並べたまま木陰で昼寝をしているマダム。バス停に腰かけているマダムの横でしばらく待っていると、「バスは来ないわよ。ただ座っているだけ」と、こともなげにひと言。

釣ってきた魚を浅瀬でさばくファミリー。水道代もういて効率的!?

観光スポットを巡るだけでは出会えない、島の日常の風景。そこには、ゆったりと流れるタヒチの時間と、飾らない島の素顔がありました。

取材協力

ポール ゴーギャン クルーズ

https://www.pgcruises.com/

エア タヒチ ヌイ

https://jp.airtahitinui.com/

タヒチ観光局

https://www.tahititourisme.jp/

古関千恵子(こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること35年あまり。旅行ライターが旅を提案する手配旅行会社「トラベルライターズ」を運営。
●Instagram @chieko_koseki

文・撮影=古関千恵子

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