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通帳を売るとどうなる?警察庁が注意喚起、意外と知らない“令和8年の法改正”

  • 2026.6.19
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

「使っていない口座を高く買い取ります」──SNSやネット広告でそんな勧誘を見かけたことはないでしょうか。軽い気持ちでの口座譲渡が、特殊詐欺やマネー・ローンダリングの入り口になっているとして、国は対策を強化しています。

その流れを受けて、犯罪収益移転防止法(犯収法)の改正が成立しました。警察庁は公式X(旧Twitter)でも注意を呼びかけており、口座売買に対する罰則や取り締まりは、これまで以上に厳しくなろうとしています。

警察庁が呼びかける「口座売買は犯罪」

預貯金通帳や口座の不正な売買が、特殊詐欺やマネー・ローンダリングの温床になっています。こうした状況を受けて、警察庁は公式X(旧Twitter)でも改めて注意を呼びかけました。次のような投稿がありました。

軽い気持ちで応じてしまった結果、刑事罰だけでなく、日常生活にも大きな影響が及ぶことが知られていない現状があります。今回の改正によって、その線引きはこれまで以上に厳しいものになろうとしています。

罰則は最大で「5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金」へ

令和8年に成立した犯罪収益移転防止法の改正では、主に3つの柱が設けられました。警察庁の公表によれば、改正の中心は次の内容です。

  • 預貯金通帳の不正譲渡等に対する罰則の引上げ
  • 「送金犯罪」に関する罰則の創設
  • いわゆる「架空名義口座」を利用した新たな措置の創設

このうち罰則の引き上げと送金犯罪の罰則創設は令和8年7月10日から施行され、架空名義口座を利用した措置は公布日から1年を超えない範囲で政令により施行される予定です。

罰則の水準も大きく変わります。預貯金通帳等の不正な譲り渡し・譲り受けは、現行の「1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金」から「3年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金」に引き上げられ、業として行われるものは「5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金」とさらに重くなります。

「売る側」も「買う側」も、勧誘行為も対象に

罰則の対象は売る側と買う側の双方に及びます。改正後も含めた基本的な枠組みでは、次のような行為が処罰の対象として想定されています。

  • 預貯金通帳やキャッシュカードを譲り渡す、譲り受ける
  • 口座番号やインターネットバンキングのID・パスワードを提供する
  • 口座売買を勧誘・誘引する

新たに罰則が設けられる「送金犯罪」では、自分名義の口座に振り込まれたお金を別口座へ移すよう他人に依頼する行為や、その実行役(いわゆる「送金バイト」)に対しても、2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が科されることになります。業として行われるものはさらに重い処罰が用意されています。

ただし、通常の商取引や正当な金融取引として行われる場合は対象外です。家族間での生活費の送金や、事業上の正当な決済など、社会通念上問題のないやり取りはこれまで通り行えます。

関与すれば「口座が使えなくなる」事態に

口座売買に関与した場合、刑事罰だけでなく日常生活への影響も避けられません。金融庁と警察庁、銀行・信用金庫などが連携し、口座の売買等が違法であることを国民に周知する官民一体の広報が進められており、不正に利用された口座は金融機関側でも警戒の対象となっています。

さらに架空名義口座を利用した新制度では、警察が金融機関の協力を得て「架空名義口座」を開設し、口座売買を持ちかける人物に譲渡したうえで、入金された財産の送金防止措置などを講じる仕組みが導入されます。勧誘に応じた人物の把握や実態解明につながる仕組みが整備されることになり、これまで以上に安易な口座譲渡が発覚しやすくなるとみられています。

Xでは「もっと早く知りたかった」の声も

警察庁の発信を受けて、Xではさまざまな受け止めが共有されました。「口座開設のときに、もっと平易な言葉で“売買は犯罪である”と案内してほしい」と、入り口での周知強化を求める声が目立ちます。

また、「関与してしまえば、給与振込もクレジットカードも作れず、スマホ契約やローンにまで影響が及ぶのでは」と、日常生活全体への波及を心配する受け止めもありました。罰則強化を歓迎しつつも、「勧誘の手口自体は巧妙化しているので、結局は一人ひとりの警戒が欠かせない」と、制度任せにできないという見方も寄せられています。

一方で、「生活に困った人ほど甘い誘いに弱くなる。罰則強化と同時に、困窮者支援や相談窓口の周知ももっと必要では」と、別の角度から課題を投げかける声もあり、改正をどう実効的に届けるかという論点にも関心が及んでいるようです。

「自分には関係ない」と流さないために

罰則の引き上げから新制度の導入まで、今回の改正は口座の譲渡に関わるリスクを大きく押し上げる内容となっています。SNS上の勧誘や副業を装った誘いは、相手の困りごとや好奇心に巧みに入り込んでくるため、ルールを知っているだけでは防ぎ切れないこともあります。

口座は、生活と社会的信用の土台にある仕組みです。改正のニュースを「自分には関係ない」と流さず、家族や周囲、特に若い世代とも共有しておくことが、被害者にも加害者にもならないために、改めて知っておきたいテーマといえそうです。


参考:
令和8年犯罪収益移転防止法の改正について(警察庁)
犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律案(概要)(警察庁)
通帳・キャッシュカードの譲渡は犯罪です!(警察庁 SOS47 特殊詐欺対策ページ)
口座売買の抑止に係る官民一体・業界横断的な広報について(金融庁)
警察庁(@NPA_KOHO)公式Xアカウント 投稿

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