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地元のローカルCMから始まった「無名の少女」新人賞を獲得→ヒロインへ上り詰めた「シンデレラ女優」とは

  • 2026.6.29
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2021年12月、映画『私はいったい、何と闘っているのか』公開記念舞台挨拶に出席した菊池日菜子(C)SANKEI

菊池日菜子は、一段ずつ階段の踊り場を踏んできた。CMで芸能活動を始めた翌年に連ドラ単発、その翌年に映画と舞台の初出演、さらにその翌年に長編映画助演で日本アカデミー賞 新人俳優賞。

年表として並べると、各段が一年ずつ正確にある。話題作で一気に世に出る入り方ではなく、踊り場を毎年ひとつずつ踏む歩み方だ。順序を飛ばさない若手。それが、菊池日菜子の歩み方だ。

起点はCM。そして映画と舞台へ

菊池が芸能活動を始めたのは2019年、当時17歳。福岡県出身で、芸能の入り口は地元・西鉄グループのCM。テレビドラマ初出演は2020年10月、TBS系『この恋あたためますか』。森七菜と中村倫也の恋愛ドラマに、女子高生役の単発ゲストで出ている。

2021年9月、映画と舞台の両方で出演を果たす。つぶやきシローの小説を原作とした安田顕主演の『私はいったい、何と闘っているのか』(李闘士男監督作)。

舞台は、明治座と新歌舞伎座で上演された『醉いどれ天使』。三池崇史演出、蓬莱竜太脚本、桐谷健太主演の座組に、舞台初出演で梢役として参加した。

同じ年に始まった二つの出演が、片や商業映画、片や演出家・脚本家の名で組まれた本格舞台と、性格の違う仕事だった事実は記しておいてよい。

助演で新人賞、着実に歩みを進めていく

2022年、菊池は映画『月の満ち欠け』に出演、第46回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞する。同じ年の新人俳優賞には、『ハケンアニメ!』の小野花梨が同時受賞者として並ぶ。後年の代表作で、菊池はもう一度この名前と隣り合うことになる。

新人賞を受けた2023年の出演は、NHK BS『ケーキの切れない非行少年たち』のほか、TBS系『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』、テレビ東京系ドラマ『亀も、青春は短い』など話題作へ立て続けに出演し、その歩みを進めていく。

2024年は、菊池の階段が一段はっきりした年だ。NHK BSドラマ『ヒロイン誕生!ドラマチックなオンナたち』で、樹木希林の若き日を演じる伝記ドラマの主演を担う。同年の映画『ブルーピリオド』では眞栄田郷敦主演作の美大同級生・城田優奈役、テレビ東京ドラマ『RoOT / ルート オブ オッドタクシー』では失踪事件の中心の女子高生・三矢ユキ役で、河合優実と坂東龍汰の主演を支える助演に置かれた。

伝記主演、映画助演、連ドラ助演。一年のなかで配役の重さが揺れる年で、踊り場の足場をいくつも作っている時期にあたる。

映画主演を群像のかたちで引き受ける

2025年8月、菊池は映画『長崎-閃光の影で-』に田中スミ役で出演する。日本赤十字社編纂『閃光の影で—原爆被爆者救護 赤十字看護婦の手記—』を原案にした、戦時下長崎の看護学生たちの物語だ。

菊池は主演をつとめ、小野花梨、川床明日香と共演。日本アカデミー賞 新人俳優賞の同期受賞者だった小野花梨と、看護学生役の隣で再び並ぶ位置である。福山雅治がプロデュースする主題歌『クスノキ ―閃光の影で―』は、三人で歌唱した。題材の重い作品の主演を、ひとりで引き受けるのではなく同世代の二人と等分するかたちで持つ。配役の格が上がる場面でも、群像の枠組みが残っている。

さらにNHKドラマ『リラの花咲くけものみち』で柴乃真子役。山田杏奈の単独主演作に獣医学部の同期として加わる助演をつとめた。

舞台はヒロイン格に上がる

2026年夏、NHKドラマ『リラの花咲くけものみち2』が放送される。菊池はシーズン1からの続投。一度組んだ現場に同じ役で呼び戻されるのは、若手にとって地続きの仕事を確保する大きな段である。新キャストとして上川隆也が加わり、群像はさらに広がる。

6月には舞台『四畳半神話大系』にも出演。森見登美彦の同名小説が原作、伊野尾慧主演、上田誠脚本演出。座組のヒロイン格にあたった。

舞台初出演の2021年、菊池が立ったのは三池崇史演出・蓬莱竜太脚本の現場だった。五年後、上田誠脚本演出の現場にヒロイン格で立つ。本格舞台という座組のラベルは変わっていない。変わったのは、その場での菊池の役の位置である。

ここまで約6年。CMからドラマ、映画と舞台、新人賞、主演、連ドラ続投、舞台ヒロイン格。一段ごとに別の質の仕事を踏んできた。次の踊り場を、現場側がどう用意してくるのか。確かに上がってきた若手の、次の段を見届けたい。


※記事は執筆時点の情報です

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