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コラージュが示唆する「聴く」行為の本質

  • 2026.4.22

Christian Marclay

コラージュが示唆する「聴く」行為の本質

Christian Marclay
Top Photo:クリスチャン・マークレーConcentric Listening (Red and Blue), 2024 年, コラージュ, 31 x 23.5 cm© Christian Marclay / Courtesy of Gallery Koyanagi

アーティスト Christian Marclayによる展覧会「LISTENING」が、ギャラリー小柳にて6月30日(火)まで開催中。

クリスチャン・マークレー,Eccentric Listening (Eight Ears and Scarf),2024 年,コラージュ,42 x 30.3 cm© Christian Marclay / Courtesy of Gallery Koyanagi

1955年アメリカ・カリフォルニアに生まれ、実験音楽における先駆的存在として知られるChristian Marclay。
スイス・ジュネーヴで育ち、アメリカ・ボストンのマサチューセッツ芸術大学とニューヨークのクーパー・ユニオンにて学んだのち、1979年にレコードとターンテーブルを楽器として用いたパフォーマンスを開始した。

80s以降は即興的なパフォーマンスの他、聴覚と視覚の結びつきを探る作品を映像、写真、彫刻、絵画、版画などのメディアを往還して制作を続けている。

クリスチャン・マークレー, Concentric Listening (Red and Blue),2024 年,コラージュ,31 x 23.5 cm© Christian Marclay / Courtesy of Gallery Koyanagi

本展では、コラージュの新作シリーズ「Concentric Listening」と「Eccentric Listening」を発表。
また、作家のアイコンといえるレコードジャケットを用いた新シリーズ「Oculi」の最新作も公開される。

映像やサウンド、紙の作品において、DJのように音楽や映画、マンガやコミック、雑誌のイメージといったポップカルチャーの断片をサンプリングし、繋ぎ合わせてきたMarclay。
今回の新作群の中心に据えられた「聴く」という行為は、その創作活動の根底を成すものであり、彼は音と映像の境界を曖昧にすることで、それらが1つの知覚領域で機能するように仕向けている。

複数の顔の中心部がくり抜かれた「Concentric Listening」では、突き出た耳を含む輪郭線のみが残留する。
空虚な殻となったそれらは射撃の的や波紋のように重なり合い、放射状の輪を形成する。
「Eccentric Listening」では顔の構成がより空間的なダイナミクスへと展開され、それぞれの耳は集合的な構造の一部となりながらも、指紋のように明確な個性を保ち続ける。

こうしたフレーミングと部分的な開示の手法は、ヴィンテージのレコードジャケットとスリーブを元にした「Oculi」の最新作にも現出。
スリーブ中央の円形の開口部から、レコードジャケットのイメージの断片が現れつつ、全体のイメージが隠される。

クリスチャン・マークレー,Oculi (Listening Trio),2026 年,3 枚のレコードジャケットとスリーブ,31 x 93.5 cm© Christian Marclay / Courtesy of Gallery Koyanagi

単一の直線的な行為ではなく、層を成し、累積する過程としての「LISTENING」。
コラージュが比喩するアーティストの哲学を、視覚的に受け止めて。



GALLERY KOYANAGI
03-3561-1896



【Christian Marclay “LISTENING”】
DATE:6月30日(火)まで開催中
※日曜、月曜、祝日休廊
TIME:12:00pm~7:00pm
PLACE:ギャラリー小柳
ADDRESS:東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル9階
ADMISSION FREE
WEBSITE:gallerykoyanagi.com/exhibitions/christianmarclay_listening_jp/

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