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【速報】第79回カンヌ国際映画祭(2026年)受賞結果と日本勢の話題を総まとめ

  • 2026.5.24
Amy Sussman / Getty Images

現地時間2026年5月23日夜、第79回カンヌ国際映画祭の授賞式が開催された。今年コンペティション部門に参加した作品は22本。最高賞パルム・ドールはクリスティアン・ムンジウ監督『Fjord(フィヨルド)』 。配給会社NEONがパルムドールを獲得するのは7年連続。

Stephane Cardinale - Corbis / Getty Images

『急に具合が悪くなる』が女優賞を獲得!

パルムドールを競うコンペティション部門には、深田晃司監督『ナギダイアリー』、是枝裕和監督『箱の中の羊』、濱口竜介監督『急に具合が悪くなる』の3本が選出されていた。

そのなかで濱口竜介監督『急に具合が悪くなる』に主演した岡本多緒とヴィルジニー・エフィラがふたりで女優賞を獲得。モデル、俳優として国境を超えて活躍する岡本は、日本人女性として初の快挙を成し遂げた。

ヴィルジニー・エフィラは「一生忘れられない、いや、永遠に心に刻まれる人生経験」、岡本多緒は「夢さえも超えています」と 語り、ときに涙ぐみ、抱擁して喜んだ。本作は6月19日(金)から日本で公開される。

1977年ベルギー生まれのヴィルジニー・エフィラはこれまで『ベネデッタ』(2021)や『エル ELLE』(2016)への出演で知られる。共同受賞となった岡本多緒は、14歳でモデルデビュー。“TAO”の名義でパリコレなどでトップモデルとして活躍し、2013年にハリウッド映画『ウルヴァリン:SAMURAI』で俳優デビュー。現在は拠点を日本に移し、活動の幅を広げている。

『Fjord(フィヨルド)』 クリスティアン・ムンジウ監督 courtesy of cannes film festival 2026

【コンペティション部門】受賞結果 Competition

パルム・ドール(最高賞):『Fjord(フィヨルド)』 クリスティアン・ムンジウ監督
グランプリ(次点):アンドレイ・ズビャギンツェフ監督『Minotaur』
審査員賞:バレスカ・グリーゼバッハ監督『The Dreamed Adventure』
監督賞:『The Black Ball』 ハビエル・アンブロッシ、ハビエル・カルボ、パヴェウ・パヴリコフスキ監督『Fatherland』
特別賞:
女優賞:岡本多緒、ヴィルジニー・エフィラ『急に具合が悪くなる』(濱口竜介監督)
男優賞:ヴァレンティン・カンパーニュ、エマニュエル・マッキア『Coward』 (ルーカス・ドン監督)
脚本賞:『Notre Salut』 エマニュエル・マール


Pascal Le Segretain / Getty Images

クリスティアン・ムンジウ監督『Fjord』が最高賞パルムドールを獲得!

最高賞のパルムドールは、クリスティアン・ムンジウが監督・脚本を手掛けた『Fjord』(※フィヨルド、と読む。北欧スカンジナビア半島に代表される、氷河が侵食した地形のこと。主役の夫妻が暮らす場所でもある)が受賞。同作は、ノルウェーに移住した敬虔なキリスト教徒のルーマニア系夫婦を主役とし、教育を通じて生じるリベラルと保守のひずみ、価値観の衝突を描く。この不穏な社会派ドラマは、クリスティアン・ムンジウ監督にとっては長編6作目、2007年『4ヶ月、3週と2日』以来2度目のパルム・ドール受賞となった。パルムドールを2度受賞した監督は史上10人目。

「現代社会は分断され、過激化している。この映画は、あらゆる原理主義に対する決意だ。トラウマや包容、共感などの私たちがよく口にする言葉への誓いでもある」とムンジウ監督は受賞後にコメントした。

もう一つ注目したい点は、『Fjord』によって、配給会社NEONが7年連続でパルムドールを獲得したこと。この記録は一体どこまで伸びるのか。なお2026年のコンペティション部門では、是枝裕和監督の『箱の中の羊』を含む6作品の配給権を既に獲得している。

授賞式直前、現地でパルムドールの本命と評されたのは、パヴェウ・パヴリコフスキ監督の『Fatherland』 、アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の『Minotaur』、濱口竜介監督の『急に具合が悪くなる』、終盤に浮上したハビエル・カルボとハビエル・アンブロッシ『The Black Ball』など。『The Black Ball』は16分近くスタンディングオベーションが続き、配給争奪戦となりNetflixが獲得したと報じされている。パルムドールを獲得した『Fjord』は、下馬評では目立った点数をつけておらず、意外な結果だった。

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【コンペティション部門】ノミネーション一覧 Competition

『急に具合が悪くなる (英題:All of a Sudden)』 濱口竜介
『Another Day』 ジャンヌ・エリー
『Bitter Christmas』 ペドロ・アルモドバル
『The Black Ball』 ハビエル・アンブロッシ、ハビエル・カルボ
『EL SER QUERIDO(英題:The Beloved) 』 ロドリゴ・ソロゴイェン
『Coward』 ルーカス・ドン
『The Dreamed Adventure(原題:Das geträumte Abenteuer)』 バレスカ・グリーゼバッハ
『Fatherland』 パヴェウ・パヴリコフスキ
『Fjord』 クリスティアン・ムンジウ
『Gentle Monster』 マリー・クロイツァー
『The Birthday Party』 レア・ミシウス
『Hope』 ナ・ホンジン
『The Man I Love』 アイラ・サックス
『Minotaur』 アンドレイ・ズビャギンツェフ
『Moulin』 ネメシュ・ラースロー
『ナギダイアリー(英題:Nagi Notes)』 深田晃司
『Notre Salut』 エマニュエル・マール
『Paper Tiger』ジェームズ・グレイ
『Parallel Tales』 アスガル・ファルハーディー
『箱の中の羊(英題:Sheep in the Box)』 是枝裕和
『The Unknown(原題:L'Inconnue)』 アルチュール・アラリ
『A Woman's Life』 シャルリーヌ・ブルジョワ=タケ

ラインナップは、ジェームズ・グレイ監督の『Paper Tiger』が追加され計22本。

Gisela Schober / Getty Images

審査員団を率いたのは、パク・チャヌク

今年のコンペティション部門の審査員は8名。『サブスタンス』もお馴染みのデミ・ムーアと、『ノマドランド』『ハムネット』の映画監督クロエ・ジャオは、映画祭期間中そのファッショニスタぶりも注目を集めた。ほかに、スウェーデンの名優ステラン・スカルスガルド、エチオピア系アイルランド人の俳優ルース・ネッガ、ケン・ローチとのコラボレーションで知られる脚本家ポール・ラヴァティ、ベルギーの映画監督ローラ・ワンデル、チリ出身の新鋭監督ディエゴ・セスペデス、コートジボワール出身の国際派俳優イザック・ド・バンコレが名を連ねた。

受賞後の記者会見にて、パク・チャヌク審査員長はパルムドールについて「本当は誰にもあげたくなかった。まだ自分がもらっていない賞だから」とユーモアたっぷりにコメントした。

Lionel Hahn / Getty Images

「ある視点」部門 受賞結果 Un Certain Regard

最高賞:『EVERYTIME』サンドラ・ヴォルナー監督(オーストリア)
審査員賞: 『ELEPHANT IN THE FOG』アビナシュ・ビクラム・シャー監督(ネパール)
審査員特別賞 :『IRON BOY』ルイ・クリシー監督
女優賞:マリアナ・デ・タヴィラ、ダニエラ・マラン・ナヴァロ、マリアンジェル・ヴィレガス 『SIEMPRE SOY TU ANIMAL MATERNO (FOREVER YOUR MATERNAL ANIMAL)』ヴァレンティナ・モレル監督
男優賞:ブラッドリー・フィオモナ・デンベアセット 『CONGO BOY』ラフィキ・ファリアラ監督

映画界の新潮流、アップカミングな才能に焦点を当てる「ある視点」部門。今年は日本からは岨手由貴子監督の『すべて真夜中の恋人たち』が出品された。惜しくも受賞を逃したが、“日本映画の新たなる才能”と現地で好評となり、確かな爪痕を残した。

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Amy Sussman / Getty Images
Aurore Marechal / Getty Images
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