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子育てを通じて生まれた新たな価値観/毎日が発見。LV.40からの冒険記 中川翔子徒然ミライ日記【第2回】

  • 2026.5.22

2023年にご結婚され、2025年に双子の男の子の母となった中川翔子さん。40歳という節目、そして体外受精での出産という大きなライフイベントを経験し“しょこたん”人生第2章の幕が開けました。母として、またひとりの女性としてのリアルな心境を語っていただく当連載。第2回目の今回は、自身の母親との関係性の変化や、子育てを通じて生まれた新たな価値観について伺いました。

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母は一番の親友であり、絶対的な存在

もともと母とは、何でも話せる一番の親友のような関係でした。出産を経て、母との関係性はより一層深まったように感じます。今でも3万円以上の少し高い買い物をするときは、「これどう思う?」って必ず母に一度相談してから決めるくらい、だいぶ依存しています(笑)。「やめなよ」って言われたら、素直にやめる。私にとって、母はそれくらい絶対的すぎる存在なんです。

私が母親になってみて、改めて母のすごさを痛感しています。母は、私よりずっと若い年齢で子どもを産んで、最初からほとんどワンオペでした。しかも、途中で貧乏になるという、なかなかのハードモードな人生。私にはできないことを山ほど乗り越えてきた人です。

今でも私のイベントやライブがあると、リアルに100人くらい友達を呼んでくれるんですよ。たくさんの人を大事にしてきたから、周りから愛される。私には到底真似できないことです。もちろん、そのぶん人に裏切られたり、ひどい目にあったりする姿も見てきました。それでも人を信じ、大事にし続ける母を、心から尊敬しています。

結婚するまで、私の仕事に対するモチベーションの一番大きな部分は、母を幸せにしてあげたいという思いでした。出産したら、今までのようなお仕事はできなくなるのかな、と不安に思った時期もありましたが、こうしてまたライブができることを母が喜んでくれるから、頑張ろうと思えるんです。

ただ、今はまず双子の命を守ることが最優先。体一つで二人を見守るには限界があるので、もう体を分裂させたいですね。腕が8本、眼球が16個くらい欲しくなりますし、1日24時間が80時間くらいに伸びてほしいと本気で思います。だけど、この世界が木星じゃなくてよかった…。木星って1日が10時間くらいしかないので。

子育てをしていると毎日があっという間で、当たり前のことなんて何一つない。一日一日を、すべて絵に描いて残したいくらい、噛みしめながら生きていきたいです。

家族で食卓を囲む。それは映画で見た世界だった

私自身は、物心ついたときから父親がおらず、母も夜に働いていたので、いわゆる家族みんなでご飯を食べるという経験がほとんどありませんでした。母がたまに作ってくれる料理は、真っ黒に焦げたお肉だったり(笑)。遠足のお弁当も、白いご飯の上にいちごが潰れてピンク色に染まっているような、ぐちゃぐちゃなものでした。でも、それはそれで、すごく楽しくて幸せな記憶なんです。

だから、お父さんがいてお母さんがいる家庭がどんなものなのか、まったく想像がつかなかった。それが今、双子の育児で手が足りないということもあり、義理の両親が東京に来てサポートしてくれているんです。

夫も私も働いているので、夜中に睡眠時間を確保するために夜勤を代わってくれたり、ご飯を作ってくれたり。みんなで食卓を囲んで、一緒にテレビを観る。そんな光景が、私にはあまりにも新鮮で、「なんだこれ、映画で観る世界みたいだ!」って、日々感動しています。

これまで知らなかった、お母さんたちが当たり前にやっていることを、私も子どもたちにしてあげたいという新しい憧れも生まれました。男の子だからたくさん食べるんだろうな、家族で回転寿司に行ったりするのかな、とか。そんな未来を想像するだけで、ワクワクします。

漫画で学んだ「レジリエンス」。ネガティブを面白さに変える思考法

子育ては、想像を絶するほど大変です。だけどそれを「おもしろい」と感じられるのは、きっと今の年齢だからだと思います。若い頃は、1日ずつ死に近づいているような感覚があって、年を取るのが怖くて仕方がありませんでした。毎日狂ったようにブログを更新していたのも、少しずつ死に近づいていると思っていたから。それが、年を重ねたことですべてを「おもしろい」に変換できるようになった気がするんです。

もともと私はすごくネガティブで、自分で自分を追い込んで体調を崩すことがよくあったのですが、最近は意識的に幸せなことに目を向けるというスイッチの切り替えができるようになってきたんです。

それは、『メダリスト』(著者・つるまいかだ/講談社)というフィギュアスケートの漫画から学んだ「レジリエンス」という考え方のおかげ。「やばい、どうしよう!」とパニックになったときに、あえて今の良いことに目を向けようと意識を切り替えるんです。「だって生きてるじゃん」「健康じゃん」って。この思考の切り替えを、1日に何回も実践している気がしますね。

『メダリスト』 (C)つるまいかだ/講談社
『メダリスト』 (C)つるまいかだ/講談社

※レジリエンス

困難や逆境、強いストレスに直面した際に、心身のダメージを最小限に抑え、そこからしなやかに立ち直り適応する「回復力」や「復元力」のこと

もちろん、寝不足が続くと体も心もしんどくなります。私が今、こうして前向きでいられるのは、夫や母親、義理の両親をはじめ、周りの方々が助けてくれるおかげ。本当に恵まれていると感じますし、感謝しかありません。もし全部一人で抱えていたら、心が折れてしまったかも。

ミニマリストの夫との戦い。子どもの未来のために種をまきたい

子育てにおいて、漫画から学んだことは数え切れません。内田春菊さんの『私たちは繁殖している』(ぶんか社)を読んでエッセイ漫画に憧れたり、東村アキコさんの『ママはテンパリスト』(集英社)を読んで「男の子っておもしろそう!」と思えたり。

特に印象深いのは、『キッチンの達人』(著者・清水康代/講談社)という30年くらい前の大好きな料理漫画です。ご飯を炊くときに、お茶碗にお米と水を入れて一緒に炊飯器に入れると離乳食のお粥も同時に作れる、というシーンがあって。それを小学生のときに読んで、「いつか自分に子どもが生まれたら絶対にやろう!」と心に決めていたんです。その夢が、もうすぐ叶うんだなと思うと、感慨深いですね。(※取材は2月下旬、生後2〜3ヶ月時点のことです)

子どもの頃に憧れたレシピを、今度は自分の子どもに作ってあげる。人生って、こうして繋がっていくんだなと感じます。だから、子どもたちには、これからたくさんの好きに出会ってほしい。そのための種まきとして、家には図鑑や絵本、漫画、なんでもたくさん揃えてあげたいんです。

でも、ここで大きな問題がありまして…夫が極度のミニマリストなんです。これが、私たちの唯一の喧嘩の原因。私は、子どもたちが自然と手に取れるように、例えば『ドラゴンボール』(著者・鳥山明/集英社)は絶対に本棚に並べておきたい。私の実家には、ガンプラや化石や等身大のジャッキー・チェンなどいろいろ置いているんですけど…。

ミニマリストの夫からすると、物が増えるのは耐えられない。妊娠中にそのことで大喧嘩して、家出しかけたこともあります(笑)。

私自身、父代わりだった祖父が図鑑や漫画を買ってくれたおかげで、宇宙や深海が好きになり、それが今の仕事にも繋がっています。母がディズニーのビデオを見せてくれたから、『塔の上のラプンツェル』のお仕事にも役立ちました。幼い頃に何に出会うかで、その後の人生は大きく変わると思うんです。

だから、子どもたちが何に興味を持つか分からない今こそ、いろんな選択肢をバイキングみたいに用意してあげたい。そのために、いつか「おもしろ部屋」を作るという新しい夢もできました。ミニマリストの夫との戦いは続きますが(笑)、子どもたちの未来のために、貯金を頑張ろうと思っています。

子育ては、まるで「強くてニューゲーム」(ゲームで、レベルや能力を引き継いだまま最初からプレイし直すこと)みたい。一度クリアした人生を、レベルマックスの状態で、もう一度最初から冒険できるような感覚です。これからどんな楽しいことが待っているのか、ワクワクしながら、この新しい物語を進んでいきたいと思います。

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