1. トップ
  2. 「高熱が出て、今回は欠席します」法事をサボった日にひっそり参加した好きな歌手のコンサート→帰宅した夫が教えた姑の大失態

「高熱が出て、今回は欠席します」法事をサボった日にひっそり参加した好きな歌手のコンサート→帰宅した夫が教えた姑の大失態

  • 2026.5.23
「高熱が出て、今回は欠席します」法事をサボった日にひっそり参加した好きな歌手のコンサート→帰宅した夫が教えた姑の大失態

また法事。また台所に立つ日

夫の実家は親戚が多く、法事が年に何度もある。そのたびに私は台所に立ち、お茶を入れ、料理を並べ、後片付けをした。

接待の段取りは、毎回ほとんど私一人に回ってくる。

姑は客間にいて挨拶を受けている側だった。誰かが「嫁さんがいてくれると助かるね」と言えば、さも当然のように頷いている。

感謝の言葉もほとんどない。お茶の出し方すら、姑は把握していないのではないかと思うことがあった。

何年もそれが続いていた。声に出したことは一度もない。

でも、心のどこかに積もっているものがあった。台所から聞こえる笑い声を聞くたびに、妙な気持ちになった。私もあちらに座りたいとか、誰かに感謝されたいとか、そういう欲ではない。

ただ、ずっとここに立ち続けることへの、静かな疲れだった。

法事の日が近づくと、じわじわと気が重くなった。

必要な食器の数を確認し、お茶の段取りを頭の中で繰り返した。これがあと何年続くのかと、ぼんやり考えた。

夫に話したこともあったが、「仕方ないよ」と流されておしまいだった。

そんなころ、また法事の案内が届いた。日付を確認して、気づいた。

同じ日に、ずっと行きたいと思っていた好きな歌手のコンサートがある。チケットはすでに手元にある。

(今回は、行かない)

珍しく、はっきりとした気持ちが出てきた。後ろめたさより先に、そちらのほうが大きかった。

当日の電話と、夫から聞いた話

法事の当日の朝、姑に電話をかけた。

「高熱が出て、今回は欠席します」

それだけ伝えた。姑は「そうですか」と短く答えて電話を切った。夫はひとりで出かけていった。

私はゆっくり支度をして、会場へ向かった。座席に着いたとき、久しぶりに自分のための時間にいると実感した。

照明が落ちて、好きな歌声が会場を満たした。隣の人も、後ろの人も、みんな同じ気持ちで来ている。そういう場所に、ずいぶん長いこと来ていなかった。

終演後の帰り道は、普段とは違う静けさがあった。台所で立ちっぱなしだった疲れとは違う、満ちた感覚で家に帰った。

夜、夫が帰ってきた。

「今日、お袋がバタバタしてたよ。お茶どうしたらいいか分からなくて、俺に聞いてきた」

夫の言葉が、頭の中でゆっくりと広がった。毎回誰かがやって当たり前になっていた仕事が、いざなくなると誰も対応できない。それがはっきりと見えた日だった。

スカッとした。それが正直な気持ちだった。罪悪感よりも、ずっと大きく。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、60代以上・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる