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「いつどうなっても…」70代父が全裸で救急搬送→大人用オムツを手に最悪を覚悟するアラサー娘の痛切な実情【作者に聞く】

  • 2026.5.10

真冬のある日、突然倒れた父。救急で運ばれた先の病院でオムツを用意するように言われたアラサーの娘は、大人用を選んでいる最中にふと思う。「(子ども用を買ってる年齢だろフツー)」と……。

親の一大事にふと感じるむなしさ。リアルな体験をつづったコミックエッセイ 作=キクチ
親の一大事にふと感じるむなしさ。リアルな体験をつづったコミックエッセイ 作=キクチ

キクチさん(kkc_ayn)の「父が全裸で倒れてた。」は、ひとり暮らしの父が救急搬送され、急遽さまざまな対応に追われることになった当時の様子を描いたコミックエッセイだ。“自分の親が倒れる”は一大事でも、決して珍しいことではない。作中序盤に描かれている搬送時のやり取りからは、慌てる一方でどこか落ち着いている、そんな複雑な心境が描かれている。作者のキクチさんに、エピソードを振り返ってもらった。

【漫画】「父が全裸で倒れてた。 」本編 作=キクチ
【漫画】「父が全裸で倒れてた。 」本編 作=キクチ
 作=キクチ
作=キクチ

「周りより早く親が倒れる」むなしさと「少し早いだけ」の前向きさがないまぜに

父が倒れた当時、キクチさんの母は既に他界していて、70代の父は娘と離れて独居生活をしていた。関節リウマチの持病があり、ここのところ微熱や食欲のなさも続いていたとは言え、まだまだひとりで身の回りのことはできるぐらいには元気だった父。だが、搬送された病院の検査では「数字だけ見たらいつどうなってもおかしくない」状態だと告げられる。キクチさんは「正直『そんなにヤバイ状態で生活していたのか』とショックを受けました」と、当時の心境を語る。

 作=キクチ
作=キクチ
 作=キクチ
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「倒れる直前に体調が急激に悪化したのかもしれませんが、とはいえ『やっぱりもっと早くに病院に連れて行くべきだった』『私がもっと早くに駆けつけてあげられたら』と後悔の気持ちが大きかったです。それと同時に、『亡くなった場合はどうしていこうか』と最悪の事態が起こったときの対応も考えていました。この時は悲しさを感じる余裕がなかった気がします」

 作=キクチ
作=キクチ
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母の介護と看取りを経験していたキクチさんは、入院にあたり父のオムツを買いながら「またこの感じか…」と、人生へのむなしさを感じていたと話す。「母の介護と看取りで、無理をすると身体的にも精神的にも潰れることを経験しました。だからこそ、父に何かあったときは『絶対に無理をしない、頼れるサービスは使う』と決めていました。ですが、まさか『生きて帰って来れる場合』と『亡くなる場合』の2パターンを同時に考えるとは思いもしませんでした。そしてどちらの場合になっても、このさき私がやるべきことはたくさんあり、それを考えるだけでもが未来が真っ黒に塗りつぶされていく感覚がありました」

 作=キクチ
作=キクチ
 作=キクチ
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それでも「親の介護は遅かれ早かれこれはみんな経験すること。私はそれが少し早いだけ。せっかく2年前に母の看取りで色々学んだんだから、それを活かして後悔しないように対応しよう、そしてその経験を伝えていこう!と考えることにしました」と、あえて前向きに捉えようとしていたという。ごまかしたくもなるような、率直な思いまでもが詰まった体験談だ。

取材協力:キクチさん(kkc_ayn)

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