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埼玉県鴻巣市・鈴木明美さんの庭へ。タネまき30種以上【バラと草花】があふれる5月の景色

  • 2026.5.9

埼玉県鴻巣市・鈴木明美さんの庭へ。タネまき30種以上【バラと草花】があふれる5月の景色

全国のあらゆるガーデンを巡ってきたガーデナー・橋本景子さんに、おすすめの個人庭を紹介していただきます。今回は埼玉県の鈴木明美さんの庭です。

タネから育てて花を咲かせる時間が喜びと楽しみをもたらしてくれるー埼玉県鴻巣市/鈴木明美さん

「宿根草以外はほとんどタネから育てたものですが、咲くまで花色がわからないものも。それがタネまきのおもしろさです」と鈴木さん。

バラと多種の花がこぼれるように咲く住宅街の一角

静かな住宅地の一角に白いバラがたわわに咲くフェンス、その足元には色とりどりの草花が咲き乱れ、フェンスの向こう側にも足を踏み入れてみたくなるのが鈴木さんの庭です。私が鈴木さんと出会ったのは、5年ほど前の庭仲間のオープンガーデンでした。後日、鈴木さんの庭を訪問した際にも話がはずみ、ずいぶん長居をさせていただいた記憶があります。それ以来、貴重な苗の交換やすてきな庭の紹介をいただいたりしていますが、鈴木さんの植物の知識の豊富さには、いつもたくさんのことを学ばせていただいています。

バラが誘引されたフェンスの下に、宿根草や一年草が咲くレイズドベッドがあり、フェンスの内側にも通路を設けて両脇に多くの花々が植栽されています。

「この庭はもともと駐車場だった場所で土質が悪かったのです。元の土をふるいにかけ、新しい土を入れて土壌改良はしましたが、庭全体が大きな植木鉢みたいな庭で、木の根も下に伸びられず横に伸びるようです。もっと地面を高くして花壇を作ればよかったと思っています」。そうとは思えないほど、植物はみないきいきと育っている鈴木さんの庭です。

黒っぽい赤はマルタゴンリリー、下の小さなピンクの花はシレネ ‘ホワイトキャンピオン’ 。丹精込めて育てた花があふれんばかりに咲く5月の庭。

タネをとり、そこに直まきしたニゲラとフロックス ‘チェリーキャラメル’ 。

シノグロッサムと、タネをとってまくと赤紫が出やすくなるイベリス ‘キャンディケーン’ 。

タネから花を咲かせる楽しさと難しさ、奥深さ

「タネまきの楽しさは、ほんの小さなタネが育ち、花が咲くまでの経緯を見られること。お友だちとのタネの交換や、いただきもののフラワーミックスというタネ袋などは何が咲くのかわからないというワクワク感もあります」

仕事をしていたころは時間が限られていましたが、退職してからは思う存分、タネまきを楽しんでいて、毎年30種類以上のタネをまいているという鈴木さん。ただ、発芽してポット上げした苗がそのあとにダメになってしまうこともあり、必ずしも必要な数の苗ができるとは限らないそう。

「最近はポット上げした苗は日当たりのよいベランダで養生したり、冬場は簡易のビニール温室に入れたり不織布で覆うなどしています。本当は秋に定植したいのですが、そうすると真冬の霜柱で根が上がって乾燥し、枯れてしまうことも。もうタネまきはやめようかなと思う年もあるけれど、まかないと絶えてしまう花もあるので、結局毎年タネをまいています」

道路から見えるバラは‘ボルチモア ベル’。手前にはデルフィニウム、ラークスパー‘バースディピンク’など高性の草花を植えている。

花が終わり、タネとり用に残しているスイートピー ‘ニンバス’ 。

採種したアスペルラ。さやからはずしてまかないと発芽しにくいなど、タネの扱いにもそれぞれ特徴がある。

採取したタネはすべて名前を書いて保管。「庭にいらしたお客さまからいただいたお菓子の箱に入れています」。

タネから育てた ‘八ヶ岳ポピー’ 。前年には出なかったグレィッシュな花色がお気に入り。

秋にタネまきをしたあと、冬の間、ポット上げした苗はベランダに移動する。その数、苗トレーで10ケースほど。

鉢植えにして咲かせている白い花はドリクニウム・ジャーマニカム。

鈴木さんがタネから育てた花

ポピー ʻ八ヶ岳ポピーʼ

非常に細かいタネから育てて花を咲かせている。

リナリア・トリオルニソフォラ ʻピンクバードʼ

名前のとおり、まるで小鳥のようなかわいらしい花が咲く。

ヘリオフィラ・ ロンギフォリア

「春まきにしてみたら、バラのころに咲いてくれました」

バーバスカム ʻロリピフォリウムʼ

黄色のバーバスカム。高性で秋までよく咲く。

取材・文/橋本景子
撮影/柴田和宣

※この記事は『園芸ガイド』2026年春号の記事を、WEB用に再編集したものです。

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