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口を開けば人を見下す発言を連発し、妻に精神的な攻撃を続けるマウンティング夫。そんな地獄の日々からの脱出はできるのか!?【書評】

  • 2026.5.3

【漫画】本編を読む

『マウンティング夫が地獄です』(ふゆ/KADOKAWA)は、結婚後に露わになったマウンティング体質の夫との生活を描いたコミックエッセイだ。温かい家庭を築けると思って始まった結婚生活が、息苦しいものへと変わっていく過程を、妻の視点から描いている。

主人公のふゆは、大好きな彼氏と結婚し、幸せな家庭を築くことに期待を膨らませていた。しかし結婚から半年ほど経つと、夫の態度に違和感を覚えるようになる。夫・徹は平日はほとんど会話をせず、スマホばかり見て妻の話を無視。一方で、口を開けば妻を見下すようなマウンティング発言を繰り返すのだ。こうした日常の小さな言葉の積み重ねが、ふゆの心をじわじわと削っていく。

さらに、夫の理不尽さは生活の細部にも表れる。家事は妻任せで自分は手を動かそうとしないくせに、洗濯物の干し方やアイロンのかけ方に細かな指示を出す。妻のしている仕事についても「そんなに稼げないのでは」と見下すような発言をするなど、常に「上から目線」なのだ。こうした態度が日々繰り返されることで、ふゆの精神的な負担となっていく。徹は完全にモラハラ夫だ。作中に劇的な事件は起きないものの、無視、皮肉、見下し発言といった行動が、夫婦関係を少しずつ歪ませていく。読み手はふゆの戸惑いや苦しさに共感しながら「なぜこんなことをされなければいけないのか」と憤らずにはいられなくなるだろう。

結婚はふたりで心安らぐ居場所を作り上げなくてはならない。しかし、この物語には、夫婦の間に存在する上下関係という問題が絶えず描かれる。パートナーを対等な存在として見るのではなく、常に相手より優位に立とうとするという、我々も無意識に持っているかもしれない支配や見下しの構造を鋭く暴くのだ。夫に支配され、尊厳を傷つけられてしまったふゆがどのようにこの地獄から抜け出すのか。その結末を見届けてほしい。

文=座美山佐須郎

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