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「どんなお母ちゃんでも大好きやで」“坊主”にした母へ息子がくれた言葉【著者インタビュー】

  • 2026.5.2
 『いってらっしゃいのその後で』より
『いってらっしゃいのその後で』より

【漫画】本編を読む

「家族が好き。でも私を忘れずにいたい」

子どもを持ち、日々に追われるなかで、ふとそんな気持ちを抱いたことはないだろうか? 漫画家・ツルリンゴスターさんによるエッセイ漫画『いってらっしゃいのその後で』(KADOKAWA)の帯に添えられたこの言葉は、多くの共感を集めている。夫と3人の子どもたちとの暮らしを描きながら、“個”としての自分と向き合う姿や、子どもたちをそれぞれひとりの人間として尊重し、5人でよりよく生きていこうとする日々が丁寧に描かれている。

本作と続編である『いってらっしゃいのその後で 転がり続ける毎日編』(同)について、ツルリンゴスターさんにインタビュー。流れていく日々のなかで大切にしていることや、迷いながら向き合ってきた思いについて話を聞いた。

――『いってらっしゃいのその後で』の「素敵ボーズになりました」というお話には次男くんの入学前見学という行事の前に坊主にしたくなり、次男くんに坊主で出席していいか聞くエピソードです。次男くんの「僕はどんなお母ちゃんでも大好きやで」という言葉が素晴らしいと思いました。

ツルリンゴスターさん(以下、ツルリンゴスター):私がいつも好きな格好をしていて、いわゆるお母さんらしいお母さんじゃなかったことが、この言葉が出てくる理由として大きいかもと思います。性別で何かを諦める必要はないなとはいつも思っていて。例えば以前は子ども服を買いに行ったとき、男女分かれて売っている服を半分ずつピックアップして買っていました。男の子だから、女の子だからこれを着るというのはなんとなくしない方がいいかなという気持ちがあって。私自身、女の子らしい格好があまり好きじゃなかったから、子どもはどちらでも選べるようにしておきたいし、子どもが選んだファッションについて「着ない方がいいよ」「買わない方いいよ」とは言いたくないですね。

――お子さんの装いが到底受け入れられないものだとしても静観しますか?

ツルリンゴスター:この前、一番下の子が初めて美容院に髪を切りに行ったんです。そしたら「髪の毛何色にしよう」って言ったんですよ。おそらく私がいろんな色に染めているからその言葉が出たのだと思うのですが、「染めるとすごく髪が傷むから、高校生くらいからがいいかも」と言ってしまいました。その時「私の中にルールがあるんだな」と気付いて。人はみな好きな格好をしていいというのが大前提の価値観だけど、私のルールを守ってもらいたいなという気持ちもあることに気付きました。もしどうしてもそのルールが嫌だと言われたら、そこは否定せずに話し合いをしようと思います。

――「素敵ボーズになりました」のエピソードは、Xに掲載したときかなり反響があったそうですね。

ツルリンゴスター:意外でした。私の中で坊主にする話ってそんなに重い話ではなくて。ただ髪型を変えましたくらいの感じで投稿したら、すごい反響だったので。坊主にしたいと思っているのにできない人がこんなにいるんだという驚きと、「女性が坊主にしたと言ったときにこんなに反応が返ってくるなら、それは坊主にはしにくいだろうな」と思いましたね。実生活でも私の周りの人はすごく受け入れてくれましたが、ドキッとされている感じもあって。「このギョッとされることに耐えていかなくちゃいけないのか。女性の坊主への意味付けが想像以上に大きいんだな、この社会は」とも思いましたね。

取材・文=原智香

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