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【濃密ドラマ】妻(35)「そんなに嫌?」5年目に突入した“レス問題”…30代夫婦が“下した決断”に→SNS「リアルすぎ」

  • 2026.5.9

ドラマや映画の中には、身近すぎる悩みを描くからこそ、見終わったあとに自分の生活まで考えてしまう作品があります。今回は、そんな中から“考えさせられる名作”をテーマに5本セレクトしました。本記事ではその第5弾として、ドラマ『それでも愛を誓いますか?』(テレビ朝日系)をご紹介します。

35歳の妻と39歳の夫が、結婚8年目、夫婦のレス問題5年目という現実に向き合う本作の魅力とはーー?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です

※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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映画「湖の女たち」の公開記念舞台あいさつに登壇した松本まりか(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『それでも愛を誓いますか?』(テレビ朝日系)
  • 放送期間:2021年10月2日〜2021年12月11日
  • 出演:松本まりか(純須純 役)、池内博之(純須武頼 役)、藤原季節(真山篤郎 役)、酒井若菜(足立沙織 役)ほか

ドラマ『それでも愛を誓いますか?』は、結婚8年目の妻・純須純(松本まりか)と夫・武頼(池内博之)が、夫婦でありながら心も身体もすれ違っていく現実に向き合う物語です。純は結婚を機に仕事を辞め、専業主婦として暮らしてきた女性で、夫婦は仲が良いものの夫婦のレス問題5年目で子どもがいません。

純は子どもを望んでいるものの、武頼はその話をはぐらかします。友人の出産を素直に喜べず夫婦の悩みを誰にも言えない純は、鬱々とした毎日を変えるため、約8年ぶりに再就職を決意しました。

契約社員として働き始めた純は、自分の10歳年下の社員である真山篤郎(藤原季節)に救われていきます。一方、武頼は高校時代の元恋人・足立沙織(酒井若菜)と再会し、夫婦のすれ違いはさらに深まっていきます。

やさしい拒絶がいちばん刺さる…夫婦に生まれた決定的な距離

本作が強く印象に残るのは、夫婦のすれ違いを、日常の中にある小さな拒絶として描いているからです。第1話では純が8年ぶりの再就職先での初出勤を終えた帰り道、武頼と駅で待ち合わせ、良い雰囲気のまま帰宅します。

その日の夜に、純は勇気を振り絞って夫を求めました。しかし、武頼は妻を傷つけまいとしながらも、やさしく拒絶します。純が何かを期待して一歩近づいたのに、夫がそれに応えられなかったことで、仲の良い夫婦の空気が一気に冷えていく場面です。「そんなに嫌?」と武頼に問いかける純の言葉からは、痛み・悲しみ・不安、様々な感情が受け取れます。

この出来事は、単に「断られた」という話ではありません。35歳の純にとってそれは子どもを持てるのか、自分は女性として見られているのか、夫婦として将来を話し合えるかといういくつもの不安が一気に押し寄せる瞬間でした。

武頼も悪意のある夫ではなく、仕事熱心で真面目な人物として描かれています。だからこそ、純が苦しい思いをしても、誰か一人を責めれば解決する話ではありません。

物語が進むと、純は武頼のスマホに沙織からの意味深な連続LINEを見つけ、取り乱します。武頼は元恋人と会っていたことを謝り、愛しているのは純だと伝えますが、仕事でのトラブルに対応しなければならず泣いている純を置いて出ていってしまいます。夫が言葉では愛を示しても、妻が一番聞いてほしい瞬間にそばにいないことで、2人の距離はさらに広がっていきました。

最終回では武頼が純を抱けないことで男としての自信を失い、そんな自分は夫の立場を手放すべきだと思い、離婚を決意します。純も自分がきちんとした夫婦を求めすぎて今ある幸せを見失い、武頼を追い詰めていたと気づき、涙ながらに離婚を受け入れます。互いを嫌いになったわけではない2人が別々の人生を歩み始める結末は、夫婦の愛だけでは埋められない現実を突きつけました。

2人が下した決断にSNSでは、「リアルすぎ」「絶妙なすれ違い」「家族とは観れない」といった声がありました。観ている側が自分の家庭の会話や沈黙を思い出してしまうところに、本作の説得力があります。

松本まりかが演じ切った、言葉にできない35歳の壁

松本まりかさんの演技が胸に残るのは、純をかわいそうな妻だけで終わらせていないからです。松本さんは2021年にデビュー21年目でORICON NEWSの「2021年上半期ブレイク女優ランキング」1位に輝いた俳優です。本作では主人公・純と同年代の女性として、満たされない何かに悩み、揺れる35歳の女性を等身大に演じています。

特に印象的なのは、純が言葉にできない心情を表情で見せる場面です。第5話では、武頼から連絡をブロックされた沙織が純のSNSをフォローし、純をおびえさせました。

さらに純は正社員を目指して夜遅くまで仕事や勉強に励み、夜中にひとりパンを食べます。その瞬間、抑え込んでいた思いがあふれ、涙がこぼれます。ひとりで食べながら泣く姿だからこそ、日常の中で限界を迎えた人の苦しさが伝わってきました。

第8話では武頼がようやく純の思いに向き合う覚悟を決め、純は自分なりの言葉で素直な気持ちを伝えました。話題が核心に近づくにつれて純は涙をこらえられなくなり、武頼も将来や生活への本音を語ります。ここで松本まりかは、声の揺れや沈黙でもう傷つきたくないのに、まだ夫と向き合いたいという複雑な感情を見せていました。

松本さんはこの作品について、次のように語っています。

これまであまり描こうとしてこなかった、言語化できない微細な感情や、触れてはいけない“人の聖域”のようなものにスポットライトを当てたドラマです
出典:ドラマ『それでも愛を誓いますか? 』公式サイトより

その言葉どおり、純の表情には拒まれた恥ずかしさや求めてしまう自分への戸惑い、夫を愛しているからこその怒りが重なっています。過去見た中でも最大級に過激と感じた人がいるとすれば、それは露骨な表現だけでなく、夫婦の寝室や食卓にある見えない傷まで演じ切っているからではないでしょうか。

ドラマ『それでも愛を誓いますか?』は、夫婦の問題を愛があるかないかだけで片づけません。純、武頼、真山、沙織という立場の違う人物たちが、それぞれの寂しさを抱えながら揺れ動きます。

だからこそ本作は、まさに“考えさせられる名作”と呼ぶにふさわしい一作です。夫婦や恋人との関係を当たり前にしないためにも、一度じっくり向き合ってみたい作品です。


※記事は執筆時点の情報です