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若さや美貌、大切な家族まで失った港区女子。転落人生の末に気づいたこと【著者インタビュー】

  • 2026.4.24

【漫画】本編を読む

一度しかない人生の中で本当に大切なものとは? そんな普遍的な問いを描くのが、漫画『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』(うみの韻花/KADOKAWA)だ。

東京に憧れ、上京した主人公の美春。彼女は、東京で暮らせば自分もキラキラと輝く都会の一部になれると信じていた。ところが現実はバイト漬けの貧しい暮らしと、お金持ちの友人への嫉妬に苦しむ毎日。なぜ自分だけうまくいかないのか。やがて美春は、飲み会に参加したり男の人とごはんに行ったりするだけでお金がもらえるよ、と誘われ、ギャラ飲みにのめり込み、そして美容整形に依存していく——。

「美春は存在したかもしれないもうひとりの私」と語る作者のうみの韻花さんに、美春が体験したギャラ飲みの実態や、自身も繰り返していたという美容整形について、そして本作を通して伝えたい想いを聞いた。

——ギャラ飲みで築き上げてきたリッチな生活を失い、生きる意味を見失っていた美春は家族に救われます。大好きだった祖母のメッセージを受け取って「変わりたい」「今の自分を変えたい」と感じ…。この「変わりたい」はこれまでに語っていた「変わりたい」とは違う意味を持っているようでした。

うみの韻花さん(以下、うみのさん):それまでの美春は「お金持ちになりたい」とか、「可愛くなってちやほやされたい」っていう表面的な変化を求めていましたが、この時の気持ちは、人としてちゃんと生きたいとか、おばあちゃんや家族に恥じないような人間になりたいっていう、内面からの変化を求めるセリフなんです。

——どん底を経験したからこそ変われたのですね。お金の価値観も変わったようで、祖母からのお金を「大切なお金だね」と受け取っていました。ギャラ飲みの時とは違うお金を、どんな気持ちで受け取ったのでしょうか。

うみのさん:ギャラ飲みで稼いだお金は、自分の承認欲求を満たすためだけに稼いだ冷たいお金。それとは違って、おばあちゃんがくれた貯金は、自分のために汗水たらして貯めてくれた、思いやりと命の重みが混じったあったかいもの。だから、美春は申し訳ない気持ちになって涙を流したんだと思います。

——転落の末に、自分にとって大切なことに気づいたのですね。本作を公開してからは共感の声も多かったと聞きました。

うみのさん:1年半ほどかけて、美春と感情を一体化させながら魂を込めて描いた作品だったので、描き終えた時はすごく達成感がありました。試し読みを公開した後にも「涙が出ました」「共感しました」というコメントが多くて…。女性だけではなく男性の読者からもそういった声をいただけたので、誰かに感動を届けられたことを実感しました。全身全霊で描き切って本当に良かったと心から思いました。

取材・文=吉田あき

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