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光源氏を演じる鮎川太陽が語る恋愛観「芯のある立ち振る舞いができる、奥ゆかしい雰囲気の女性」が理想

  • 2026.4.24

7月に上演される朗読劇『花語り 源氏物語 〜 いにしえの恋、散リ咲ク花 〜』で、主演・光源氏役を務める鮎川太陽さん。生け花と朗読劇を融合させた本作は、花がもう一人の語り手として物語を彩るという、これまでにない演出が大きな特徴だ。そこで、源氏物語の魅力や役作り、共演者との関係性、さらには自身の理想の恋愛観まで、幅広く語ってもらった。

朗読劇で光源氏役に挑む鮎川太陽さんにインタビュー
朗読劇で光源氏役に挑む鮎川太陽さんにインタビュー

源氏物語の印象は「人間としての本質はあまり変わっていない」

――花がもう一人の語り手という舞台は珍しい印象ですが、現時点でのイメージはありますか?

【鮎川太陽】そういった演出は、僕自身も初めてです。演出の松多壱岱(まつだいちだい)さんにお会いして少しお話を聞いたのですが、花そのものだけではなく、光の使い方や見せ方など、さまざまな表現を考えていらっしゃる印象でした。

舞台は照明を使って時間の経過や空間を表現することが多いと思うので、その中で花をどう照らすのか、登場人物と花がどんな関係性を持った舞台になるのか、僕自身もとても楽しみです。

まだ稽古も始まっていないですし、松多さんも構想を練っている段階だと思いますが、草月ホールというすてきな劇場で上演されますし、どんな世界ができ上がるのか想像しながら待っていただくのも楽しみ方のひとつだと思います。

――源氏物語には、どんなイメージを持っていますか?

【鮎川太陽】学校で習ったときの印象は、当時の人たちの生活や伝え方、詩や歌といった表現方法がとても奥ゆかしいと感じていました。「もののあはれ」という美的理念も象徴的ですよね。

現代の日本語はさまざまな国の言葉や流行語も混ぜて使いますが、当時はあえて隠した表現を使って気持ちを伝える文化があった。その歌や手紙から読み取る感情が、とてもすてきだなと思います。手紙をしたためることも、筆の強さや紙の選び方で気持ちが伝わる。当時ならではの奥ゆかしさが魅力だと感じますね。

源氏物語はとても長い作品ですが、今回の舞台ではその中の一章を描きます。光源氏のすべてが輝いている時期で、さまざまな出来事を経験していく。現代でも、若いときは弾けていて、年齢とともに落ち着いていくことってありますよね。その流れが平安時代の表現として描かれているのがおもしろいと思います。

――「源氏物語」は現代と通じる部分も感じますか?

【鮎川太陽】愛する人を恋しく思う、人間としての本質はあまり変わっていないと思います。ただ、当時は移動手段も限られていて、会いたい人に簡単に会えなかった。だからこそ、寂しいという感情が今よりも強かったのではないかと思います。

光源氏の行動も、そういった時代背景があったからこそ生まれたものだと思いますし、光源氏だけでなく、ほかの登場人物一人ひとりにもそれぞれの物語があったんだろうなと思います。

古典作品は「自分自身の人間としての肥やしになる」

――演じる光源氏については、どのように捉えていますか?

【鮎川太陽】飽きっぽいですよね(苦笑)。でも、そのときに求めているものに素直な人なのではないかと感じます。藤壺の女御という好きな相手と結ばれないからこそ、若いときは反抗的に女性とたくさん会っていたのではないかなと感じています。

初恋でちゃんとした恋愛ができなかったから、こんな人物になったのかなと。光源氏の心変わりの変化をどう表現するかはこれから役作りをしていきたいですね。

――朗読劇ならではの役作りは考えていますか?

【鮎川太陽】光源氏は本当に多くの女性と出会っているんですよね。それぞれ性格も違えば、生い立ちも違う。だからプロットを読んでいる現時点では、女性ごとに光源氏の心の変化を声で表現する必要があると思っています。

声の強弱だけではなく、安心しているのか、冷たいのか、揺れているのかといった感情を伝えたい。動きがない分、より難しいですがやりがいもあります。声の強弱だけでなく、気持ちを乗せて朗読ができたらと考えています。

きっと、観た人にとっては、どの登場人物に感情移入するかで、光源氏に対する憧れも儚さも感じられる。いろいろな楽しみ方ができる作品だと思います。

――豪華な衣装も見どころですね。

【鮎川太陽】すばらしい衣装で、袖を通しながら驚きました。190センチ近い僕にも合うサイズがあるんだなということもびっくりですけどね(笑)。刺繍がとてもきれいなんです。観に来てくださる方には、衣装にもぜひ注目してほしいです。

――ちなみに、こうした古典作品ならではのやりがいはありますか?

【鮎川太陽】これまで出演した2.5次元作品でも、日本文学に触れる機会は少なくないんです。台本を読むだけでなく、より深いところまで調べると、役柄の気持ちを立体的に捉えられることがやりがいですね。

この人はきっとこういうふうな考え方をする人だから、こういうことをするのだろう。逆にこういうことはしないほうがいいな、とか。人物の生きざまを知ることで、こういう生き方っていいなと感じることもあります。俳優としての肥やしというよりは、自分自身の人間としての肥やしになる部分が多いかもしれません。

――親交の深い和合真一さんとの共演についてはいかがですか?

【鮎川太陽】(取材日の)一昨日も一緒にいたんですけど、まだ作品については話していないんですよ。作品が終わって「またね」って言うと、すぐまた共演することが多すぎて(笑)。

今回は、和合ちゃんが親友でありライバルでもある頭中将役なんです。こういった関係性の役柄はなかったので、新しいことができるのが楽しみです。

――和合さんから影響を受けることは多いのでしょうか?

【鮎川太陽】多いですよ。和合ちゃんはとても印象に残る人物で、彼がいない場所でも話題になることがよくあるんです。個性があるところが魅力的だなと思います。

それと、芝居だけでなくデザインや絵の才能もあり、サラリーマンから俳優になった経歴の持ち主というところも、本当に尊敬しています。大人の余裕もあるし、いいところを挙げたらキリがない人で、「この人生で出会えてよかった」と思える存在ですね。

憧れの女性は「奥ゆかしい大和撫子」

――恋多き光源氏にちなんで、理想の恋愛像はありますか?

【鮎川太陽】大和撫子のような女性に憧れますね。芯があって気遣いができて、奥ゆかしい雰囲気のある方が理想です。

時代劇などを見ると、会えない時間が長かったり、我慢することが多かったりする女性が描かれていますよね。そういう中でも自分の芯のある立ち振る舞いができる女性はすてきだなと思います。奥ゆかしい、古風な女性というか。あくまで理想ですけど(笑)。

――舞台では生け花が使われますが、お好きな花を教えてください。

【鮎川太陽】僕自身はユリやカサブランカが好きです。白い花が好みで、香りや形も好きですね。

――では、鮎川さんがご自身を花に例えるとしたら?

【鮎川太陽】ミュージカル『新テニスの王子様』で共演した當間ローズくんに、カサブランカと言われたことがあります。花のイメージと花言葉が僕に合っているって。調べてみたら、カサブランカの花言葉には「純粋」「純潔」「壮大な美しさ」「雄大な愛」などがあって、うれしかったですね。

――最後に、朗読劇『花語り 源氏物語 〜 いにしえの恋、散リ咲ク花 〜』の見どころを教えてください。

【鮎川太陽】朗読劇は基本的に声で世界観を作りますが、今回は豪華な衣装や生け花という要素もあります。視覚や聴覚だけでなく、もしかしたら香りも含めて、五感で楽しめる作品になるかもしれません。味覚はないですけど…(笑)。

新しい朗読劇になると思うので、ぜひ観劇して感じたことを教えていただけたらうれしいです。僕も舞台に立ちながら、みなさんの反応を楽しみにしています。ぜひ、インターネットを通じてでも、お手紙でも、この美しい世界の感想を聞かせてください。

撮影=後藤薫

取材・文=イワイユウ

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