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旅の目的になる“新潟グルメ”を発掘【新潟ガストロノミーアワード2026】受賞店が決定

  • 2026.4.22

新潟県が誇る豊かな食文化を、単なる「料理のおいしさやレストランのクオリティ」だけでなく、地域の歴史やサスティナビリティといった多角的な視点で評価する「新潟ガストロノミーアワード」。2026年、第3回目を迎えた本アワードでは、168の飲食店や一次産業従事者が選出された。米どころ・酒どころとして知られる新潟だが、近年は“食を目的に訪れる旅=ガストロノミーツーリズム”の注目度が急上昇。本アワードは、そんな新潟の食文化を国内外へ発信する重要な取り組みとして、旅行者からも関心を集めている。

第3回目を迎えた「新潟ガストロノミーアワード」168の飲食店の頂点グランプリは誰の手に!
第3回目を迎えた「新潟ガストロノミーアワード」168の飲食店の頂点グランプリは誰の手に!

なぜ今、新潟ガストロノミーが注目されるのか

新潟が「美食の聖地」として語られるのには、確かな理由がある。まずベースとなるのは、日本屈指のブランドを誇る良質なコシヒカリ、全国最多の100以上の酒蔵、そして日本海と山脈がもたらす豊かな海と山の幸だ。これに古くから根付く発酵文化の蓄積が加わり、他に類を見ない“食の土壌”を形成している。

新潟の食文化は、この雄大な自然の恵みによって形づくられてきた
新潟の食文化は、この雄大な自然の恵みによって形づくられてきた

さらに近年、この土壌を活かす若手シェフの台頭や、料理人と地元生産者の強固な連携が加速。「新潟の食は今がおもしろい」と、国内のみならず海外のフーディーからも熱い視線が注がれている。「新潟ガストロノミーアワード」は、まさにそんな新潟の“食の現在地”を映し出す指標だ。単なる飲食店選びのガイドを超え、旅の目的そのものとなる一軒に出合うための、信頼すべき羅針盤といえるだろう。

雪国・新潟だからこそ宿る「静かなる生命力」

新潟のガストロノミーを語る上で欠かせないのが、世界でも類を見ない「豪雪」という自然環境だ。冬の間、大地を深く覆う雪は、単なる厳しい気象現象ではない。春になればミネラルを豊富に含んだ清冽な雪解け水となり、信濃川や阿賀野川を通じて広大な越後平野を潤す。この循環こそが、日本一の米を生み、透き通るような日本酒のキレを作り出す。

信濃川が静かに流れる、新潟の原風景
信濃川が静かに流れる、新潟の原風景

また、厳しい冬を越すための知恵として発展した「雪室(ゆきむろ)」や「発酵」の文化も、現代のシェフたちにとっては無二の武器となっている。天然の冷蔵庫である雪室で熟成された食材は、糖度を増し、角が取れたまろやかな旨味を湛える。

「大地と雪の恩恵」を、皿の上でどう表現するか。新潟ガストロノミーアワードで評価されるのは、こうした過酷な自然と共生し、それを豊かさへと変換する人々の知恵と情熱にほかならない。

新潟の食を支える“つくり手”と“料理人”を表彰する「新潟ガストロノミーアワード2026」

新潟県内の優れた飲食店や生産者を表彰する「新潟ガストロノミーアワード2026」の授賞式が、2026年3月13日に新潟市で行われた。飲食店部門では県内約8600店の中から168店舗が選出され、さらに飲食店からの推薦をもとに選ばれる一次産業部門21事業者も表彰された。

県内約8600店の中から168店舗が選出された「新潟ガストロノミーアワード2026」の授賞式
県内約8600店の中から168店舗が選出された「新潟ガストロノミーアワード2026」の授賞式

■「登喜和鮨 新潟店」(新潟市)新発田の老舗が新潟市で挑んだ“新章”が高評価

栄えあるグランプリに輝いたのは、「登喜和鮨 新潟店」(新潟市)。新発田で1954年から続く老舗「登喜和鮨」が、創業70年の節目となる2024年夏に新潟市へ出店したのが「登喜和鮨 新潟店」。三代目・小林宏輔料理長が平日に新潟店で腕を振るい、週末は二代目の待つ本店に立つという二拠点体制で、伝統と革新を両立させている。

グランプリ受賞「登喜和鮨 新潟店」(新潟市)
グランプリ受賞「登喜和鮨 新潟店」(新潟市)

地元新潟産の食材にこだわり、自家製調味料まで徹底して磨き上げた仕事は、鮨の表現を新たな領域へと押し広げるもの。羽釜で炊き上げる力強いシャリがネタの生命力を受け止め、鮨の未来を感じさせる一貫に仕上げている。新潟のみならず、日本が誇るべき鮨の新名所として高く評価された。

栄えあるグランプリに輝いた「登喜和鮨 新潟店」(新潟市)
栄えあるグランプリに輝いた「登喜和鮨 新潟店」(新潟市)

■準グランプリは「割烹 新多久」(村上市)、「日本料理 あららぎ」(新潟市)の2店舗

準グランプリには、「割烹 新多久」(村上市)、「日本料理 あららぎ」(新潟市)の2店舗が選ばれた。いずれも地域の食材を丁寧に扱い、観光客からの評価も高い名店だ。

準グランプリ受賞「割烹 新多久」(村上市)
準グランプリ受賞「割烹 新多久」(村上市)
準グランプリ受賞「日本料理 あららぎ」(新潟市)
準グランプリ受賞「日本料理 あららぎ」(新潟市)
準グランプリ受賞「日本料理 あららぎ」(新潟市)「割烹 新多久」(村上市)
準グランプリ受賞「日本料理 あららぎ」(新潟市)「割烹 新多久」(村上市)

■飲食店の推薦によって選ばれる一次産業部門のグランプリは「内山農園」(三条市)

今年注目を集めたのが、飲食店の推薦によって選ばれる一次産業部門。グランプリには、県内の実力店から圧倒的な支持を集めた「内山農園」(三条市) が選出された。無農薬・減農薬にこだわった野菜づくりと、多品目の栽培、そして“リクエストに応える柔軟さ”が高く評価された。生産者の努力と技術が料理の質を左右する“ガストロノミーの根幹”として、「つくり手を評価するアワード」は地域の食文化を理解するうえでも欠かせない視点となっている。

一次産業部門グランプリ「内山農園」(三条市)
一次産業部門グランプリ「内山農園」(三条市)

一皿に込められた「新潟の記憶」を味わう旅へ

「新潟ガストロノミーアワード2026」が照らし出すのは、単なる美食のランキングではない。それは、雪国の厳しい自然と向き合い、大地の恵みを慈しみ、次世代へと食文化をつなごうとする人々の情熱の結晶である。

かつて新潟の食といえば「米と日本酒」が代名詞であった。しかし今、この地を訪れるならば、その先にある“ローカル・ガストロノミー”の深化に驚かされるはずだ。伝統的な割烹から、里山の古民家ビストロまで。どの店の一皿にも、新潟の風土と歴史、そして未来への哲学が凝縮されている。

わざわざ足を運ぶ価値のある一軒が、ここにはある。

次の休みには、五感を研ぎ澄ませて「新潟の現在地」を味わう美食の旅に出かけてみてはいかがだろうか。その一口が、あなたの旅を一生モノの記憶に変えてくれるはずだ。

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※20歳未満の者の飲酒は法律で禁じられています。

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