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「どうしても抱けない」妻を愛しているのに触れられない男…人の内面に踏み込む人間ドラマが深すぎると話題【作者に聞く】

  • 2026.4.19
隠している自分の性癖。愛する妻が知ったら傷つくのではないかと思うと怖くて打ち明けられない…。
隠している自分の性癖。愛する妻が知ったら傷つくのではないかと思うと怖くて打ち明けられない…。

メンズエステを舞台に、“訳アリ”な客たちの心を解きほぐしていく創作漫画「メンエス嬢加恋・職業は恋愛です」。蒼乃シュウ(@pinokodoaonoshu)さんが描く本作は、美しくもミステリアスな施術師・加恋が、人の内面に踏み込んでいく人間ドラマだ。今回のテーマは「セックスレスの男」。愛しているからこそ踏み出せない、その矛盾を抱えた男の物語である。

「愛しているのにできない」矛盾に苦しむ男

主人公・我妻一生は、妻のことを心から愛している。しかし、「どうしても抱けない」という現実に苦しみ、夫婦はセックスレスの状態に陥っていた。その理由は誰にも言えない“秘密”。偶然目にしたメンズエステの看板に引き寄せられるように入店し、加恋の施術を受けることになる。「愛しているのにできない」——その矛盾が、彼の心を静かに追い詰めていく。

「脚にしか興奮しない」打ち明けられない本音

我妻が抱えていたのは、「靴を履いた女性の脚にのみ興奮する」という性癖だった。それを打ち明ければ、妻に嫌われるかもしれない——そんな恐怖が、2人の距離をさらに広げていく。「本当のことを言えば、嫌われてしまいそうで怖い」。その思いを抱えたまま、何もできない日々が続いていた。

「愛しているからこそ別れる」選択

蒼乃シュウさんは、本作の着想について「『脚フェチの男』を描こうと思ったのですが、それだけだと共感を得にくいと感じて、『妻のことを本当に愛しているからこそセックスレスに陥ってしまう男』という設定にしました」と語る。

また、「特殊な性癖を持っていても決して異常ではない。それをどう受け止めるかで個性にもなる」としつつ、「嫌いになったから別れるのではなく、愛しているからこその別れも描きたかった」とテーマを明かす。

やがて我妻は、自身の秘密を打ち明ける決意をする。長い話し合いの末に2人が選んだのは、「離婚」という結末だった。「好きだけど別れる」——その選択は、決して逃げではなく、それぞれが自分らしく生きるための決断だった。

「自分らしさを優先する」セルフラブの視点

この結末について蒼乃シュウさんは、「離婚という展開は最初から決めていました。ただ、読者は解消してハッピーエンドを期待するかもしれないと不安もありました」と語る。それでも「自分らしさを大切にする」というテーマを貫き、「相手に無理をさせたり、自分を偽ったりするのではなく、それぞれが自分の幸せを優先することは可能だと信じています」と続ける。

さらに、加恋というキャラクターについては「『絶対に説教はしない』と決めています。結構辛辣なことは言うのですが(笑)。どういう言葉をかければ、この人が自分を好きになれるかを考えています」と語る。その言葉は、ただの癒やしではなく、“自分を受け入れるきっかけ”を与えるものでもある。

離婚後、我妻はストッキング開発の会社に転職し、同じ趣向を持つ仲間たちと働き始める。かつて秘密に縛られていたときとは違い、その表情はどこか晴れやかだ。自分らしく生きるとは何か——その問いに対するひとつの答えが、この物語には描かれている。

取材協力:蒼乃シュウ(@pinokodoaonoshu)

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