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【60代ライフスタイル】物価高に驚きつつもハワイで日本食を楽しめる幸せを実感【リサ・ステッグマイヤーの二拠点生活Diary】

  • 2026.4.18

家族でハワイに移住したリサさんの、ハワイと東京の二拠点生活の日常をお届けするエッセイ。
今月は「ハワイの食」についてのお話です。

パラダイスの台所事情

連載第2回目の今回は、ハワイの〝食〞について書いてみようと思います。 私はこれまで日本、アメリカ、香港、シンガポールと、いくつかの国で暮らしてきました。どの国も文化が違えば、食もまったく違います。日本のなかだけでも、都道府県が変わると食文化ががらりと変わるのですから、面白いものですよね。 実はアメリカも、州によってそれぞれに特徴があります。ニューヨークはイタリア系アメリカ人が多く、ピザがとてもおいしい。カリフォルニアではラテン系アメリカ人が多いため、メキシカン料理が豊富です。さらにペルシャ系の人々も多く、ペルシャ料理のレストランやスーパーもよく見かけます。 ではハワイはどうかというと、やはり日系アメリカ人が多い土地柄、ハワイ風にアレンジされた〝ハワイアン・ジャパニーズフード〞がローカルに大人気。スパムむすびやポケ丼、カツ丼など、日本食がこちら流に進化しています。こちらで育った日系の方々の多くは、お正月におせちやお雑煮、お煮しめ、お蕎麦も食べるんですよ。 私は母が日本人ということもあり、和食中心の家庭で育ちました。子どものころはニュージャージーに住んでいて、夏休みに東京の母の実家へ帰ると、アメリカに戻る際にはスーツケースいっぱいに日本食を詰め込んでいたのを覚えています。干ししいたけ、のり、お茶、羊羹……などなど。当時のニュージャージーにも日本食スーパーはありましたが、母なりの〝ブランドのこだわり〞があり、日本でしか買えないものばかりでした。 なかでも忘れられないのがヨックモックのクッキー。シガールやチョコレートがかかったクッキーを長もちするよう冷凍庫に大事にしまい、ご褒美のように食べていました。あの幸せな味はいまでもはっきり覚えています。

観光客だけでなく、ここで暮らしている人たちも、価格の高さには悲鳴をあげているんですよ

そして時は流れ、私が大人になり結婚してからのこと。家族の転勤でシンガポールに住むことになりました。子どもたちがまだ小さかったころ、仕事でひとり日本へ帰るたびに、できるだけ日本の味を食べさせたくて、スーツケースを旬の果物や野菜でいっぱいにして戻っていたものです。シンガポールは個人用の食品の持ち込み規制が比較的ゆるく、当時はそれに甘えていました。 ただ一度、重たい食材ばかりを調子に乗って詰め込み、お米や大根、お肉まで入れてしまったところ、超過料金で20万円払う羽目に……。シンガポールでも日本食は手に入りますが、輸送の関係でどうしても鮮度や味が落ちてしまうんですよね。 そして現在のハワイ。ここでも私は相変わらず和食中心の食生活です。ハワイには日本のお寿司屋さんやレストランはもちろん、日本のスーパーやお米屋さんまであり、日本のおいしいお米もちゃんと手に入ります。日常の食材にはそれほど困らないはずなのに、日本へ一時帰国すると不思議なほど欲張りな気持ちになるもの。ハワイでは見かけないお菓子や、いつも使っている調味料、季節限定の食材を目にすると、〝あれもこれも〞と買い込んでしまいます。 とはいえ、ハワイは食品の持ち込み規制がとても厳しく、果物や野菜、肉類などは禁止。スーツケースに詰めたい気持ちをぐっとこらえながら、なにを持ち込めるのかを入念に調べるのが、一時帰国のたびの恒例行事になりました。それでも、日本のものが意外と手に入るのは本当にありがたいこと。例えば、茅乃舎さんのおだしも買えるんですよ。お値段は日本の約3倍ですが……。 今年に入っても円安傾向が続き、日本人の感覚で円に換算すると、なにもかもが「高い!」と叫びたくなる価格。それに、換算しなくてもハワイの物価はやはり高い。いつものメニューがなんの前触れもなく値上がりしていることも珍しくありません。 観光客だけでなく、ここで暮らしているローカルの人たちも、価格の高さには悲鳴をあげているんですよ。観光で来る方のなかには、水まで日本から持ってくる人がいると聞いたことがありますが、その気持ちも少しわかります。島という環境ゆえ輸送費がかかり、なんでも高い。

「ハワイというパラダイスに住むための費用」と考えるように

でも最近は、「これはハワイというパラダイスに住むための費用なのだ」と考えるようになりました。なにより、ハワイにいながら日本の季節行事をきちんと楽しめるのは、本当に幸せなこと。お正月のおせちの食材は一通り揃いました。蓮根や大根の味は日本のものにはかないませんが、お煮しめも作れたし、お雑煮に欠かせない三つ葉も手に入りました。紅白かまぼこや伊達巻、ゆずまで。節分の豆も、ひな祭りのちらし寿司の材料もちゃんとあります。 そうそう、数年前にスーパーで大好きな茗荷を見つけたときは大興奮。1本ずつ丁寧に包まれていて、なんと4ドル(約600円)。先日見たら2ドル99セント(約460円)に下がっていましたが、それでも日本に比べればまだまだ高い。それでも、まったく手に入らないよりはずっと嬉しい。値段の高さにため息をつきつつも、日本の味が身近にあるありがたさを感じながら、今日もハワイで和食を作っています。

文/リサ・ステッグマイヤー ※素敵なあの人2026年5月号「【新連載】東京⇔ハワイ リサ・ステッグマイヤーの二拠点生活Diary vol.02」より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

この記事を書いた人 リサ・ステッグマイヤーさん

1971年、米国生まれ。13歳で来日し、知的な美しさとバイリンガルとしての見識を活かしてタレント、司会など幅広く活躍する。趣味は水泳、トライアスロン、芸能界きっての器好きでもある。

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